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2020.06.30

所蔵ワインのデータを他人に見せてはいけない理由とは?

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多い時は月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

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文・図解/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

すっかり梅雨入りした今日この頃、新型コロナウイルスのみならず、豪雨による災害にも注意したいですね。今回も引き続き「ワインの整理」がテーマ、なかでも所蔵ワインのデータ整備について考察したいと思います。

モテるワイン道入門~ワインのデータ整備

ワインの整理には大別して2種類あること。ひとつはワインセラー等の整理整頓で、もうひとつは所蔵ワインのデータ整備であることは前回も述べましたね。今回は、このデータ整備について考えていきたいと思います。

最初の疑問は「そもそも、ワイピの所蔵ワインってデータ化しなきゃいけないの?」ということです。レストランやワインバーであればお客様に選んでもらうためにワインリスト(*1)を作成しておくのが普通ですし、ワインショップでも問い合わせに答えるためにワインリストは必須です。それ以前に、ビジネスである限りは会計上必要になります。

しかし、個人の趣味でワインセラーにワインを所蔵しているワイピが、はたしてリストを作成しておく必要があるのでしょうか?  他のお酒(ウイスキーとか日本酒とか)や、他の趣味(美術品、工芸品、硬貨・切手、キャラクターグッズ等)のコレクターの話としてもあまり聞いたことがありません。私の結論はもちろん「どっちでもよい」です。しかし、ワインリストを作成してきちんとデータ整備しておけば、そうしただけのメリットはあるものと考えます。具体的には、次の通りです。
1. 自分が過去に飲んだワインの詳細がわかる。

都度テイスティング・ノートをつけているまめなワイピは別として、私のようなものぐさで記録を取らない人間は「あのワインいつ飲んだのだろう」と思い出したい時に便利です。データ上のステイタスを「(在庫)あり」から「なし」に変更する際、その日付を記録しておけば後日たどることが容易になります。

2. ワイン選びが多角的にできる。

「次の持寄りワイン会にはどんなワインを持って行こうか」と考える際に、自分の所蔵ワインがデータ化されているとものすごく便利です。とくに、紙のデータではなく、表計算ソフトやデータベースなどを使って電子データ化されていると、出先のスマホでもクラウド経由で確認することができますし、いろんな切り口で仕分け(ソート)することができるのでオススメです。外出時にワインを買おうか(飲もうか)迷った際にも、同じ(もしくは類似の)ワインを持っているかどうか、即時に確かめることができます。

3. 自分の所蔵ワインの傾向が分かる。

2と同じく、電子データ化されていると自分自身のワインコレクションの傾向分析が容易になり、ワインを購入する際に有効な情報を得やすいです。たとえば、「自分は赤ワインと白ワインを同じくらいの割合で消費しているけど、所蔵ワインは圧倒的に赤の方が多い。しばらくは白ワインを積極的に購入して赤ワインは控えよう」とか、「最近マグナムボトルを飲むことが多く、在庫が少なくなったのでマグナムを手に入れたい」とか。また、同じワインを複数本持っている場合などは「もうそろそろ1本くらい開けてみてもよいかなあ」などと考えられます。
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以上のような観点からも、データ整備をするにはノートやカードなどの紙ベースではなく、電子データが適しています。

それでは、リストを作成する際にどのような項目を入力すればよいのでしょうか?
これもなかなか悩ましい問題です。入力項目が多ければより詳細なデータベースができあがりますが、反面、作業量が増えるのでアップデートをサボりがちになるというデメリットがあります。シンプルで少ない入力項目は簡単ですが、データベースという性格上、後から項目を追加するのは大変です。項目の候補としては次のようなものがあると思われますが、自分のワイピスタイルに合った項目を選んでみてください。
− ワイン名
− 生産者名(ボルドーの場合はシャトー、ブルゴーニュの場合はドメーヌほか)
− (ある場合)格付け(グラン・クリュ、村名など)
− ワインのタイプ(赤、白、スパークリング、ロゼなど)
− ヴィンテージ
− 生産国・生産地
− 主要ブドウ品種
− 取得した時期(日付)
− 飲んだ時期(日付)
− 取得価格
− ボトルの大きさ
− 保管してある場所(段ボール箱の番号とか棚の何段目かなど)
私の例で言えば、取得価格は入力していません。これが目に入ると貧乏性の私は飲む勇気がなくなってしまうからです(笑)。

みなさんもぜひご自分にあったワインデータ整備にトライしてみてください。最後に、私からの決定的アドバイスをひとつ。整理したデータは絶対に他人には見せず、門外不出としてくださいね。万一、何かの拍子にワイピ係数αの高い女子にでも見つかった際には……(ここから先はご想像にお任せします笑)

(*1)

「当店にはワインリストは存在しません。お客様のお好みや趣向をお伝えいただければ最適のものをお選び致します」というお店もまれに存在します。そういうお店で、かつ高級店の場合はヘタをするとお財布的に爆死する可能性もあるので要注意。女子と一緒の場合などはとくに「予算〇万円以内で」とか「これだと幾ら?」とか言うのは野暮に思えて躊躇してしまいますからね(笑)。あと、馴染みのお店の場合はワインリストを見なくても、お店側が「これどうですか?」と出してくれますよね?

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● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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