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2020.02.02

ワインのボトルを見るだけで達人はこれだけ語れます

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

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文・図解/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

オーストラリアの森林火災、なかなか鎮静化の兆候が見られませんね。
ワイン産地への被害も心配です。一日も早く終息して欲しいものです。

さて、今回のテーマはワインのボトル、その形状や大きさについてです。

ワイピの方々には今さらですが、伝統的なワイン産地はそれぞれ特徴のあるボトルの形状を持っています。
その代表がボルドーとブルゴーニュ。ボルドーは図①のように「いかり肩」タイプ、ブルゴーニュは図②の「なで肩」タイプです。
シャンパーニュ(図③)は形こそブルゴーニュに近いですが、瓶口のすぐ下に数ミリの出っぱりがあります。瓶内が4〜5気圧もあり、コルクの不用意な飛び出しを防ぐため、ミュズレーと呼ばれる針金で留める必要があるからです。また同様の理由からガラスが全体的に分厚いです。
フランスのアルザス地方やドイツのライン・モーゼル地方はブルゴーニュよりもさらに縦に細長いボトル(図④)が特徴で、背が高過ぎるためにワインセラーに入らなかったり、宅配便の段ボールが閉まらなかったりします。
同じドイツでもフランケン地方のワインボトルはボックスボイテルと呼ばれ、平べったくずんぐりムックリした形(図⑤)をしています。
吉川さん自筆のボトルシェイプ図解。意外に(失礼!)絵心あるんですね。

ボトルのシルエットでブドウ品種は推測できる⁉

と、ここまではどの入門書にも似たようなことが書かれていますが、ここからがポイントです。

ワインのブドウ品種はそのボトルの形状からある程度推測できるのです。
「ブルゴーニュだったら赤はピノ・ノワール、白はシャルドネでまず決まりだから当たり前だって?」 まあまあちょっとお待ちを。

実はブルゴーニュの代表的赤ワイン用ブドウ品種であるピノ・ノワールのワインの場合、産地がブルゴーニュ以外、例えばアメリカのオレゴン州や南半球のオーストラリア・ニュージーランド・チリなどでも不思議とボトルの形状はブルゴーニュタイプが圧倒的多数です。例外はあるもののごくわずか。試しに楽天市場で「赤ワイン」「ピノ・ノワール」で検索して見て下さい。正確にカウントはしていませんが、概算で99%はプルゴーニュタイプのボトルです。

同様に、アルザスやドイツの代表的品種リースリングの場合、たとえオーストラリアやニュージーランド、イタリアやアメリカ産であってもボトルの多くは細長い形になっています。ハッキリとした理由は判りませんが、やはり一番有名で伝統あるワイン産地にあやかっているのでしょうか? 生産者が同じ赤ワインでもカベルネ・ソーヴィニオン主体のものはボルドータイプ、ピノ・ノワール主体のものはブルゴーニュタイプとわざわざボトルの形状を区別しているケースも少なくありません。

この情報をうまく利用すれば、飲む前にある程度ワインのぶどう品種を推測することができます。もちろん正当なテイスティングの観点からは邪道ですし、百発百中とはいきませんが、実用性は高いです。
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次はボトルの大きさです。
レギュラーサイズのボトル(bouteille、ブテイユ)は750mlが通常です。古いものには680ml、730ml、770mlなどもありますが目にするのはごく稀です。
その半分のサイズ375mlはハーフボトルもしくはドゥミ(demi)、倍のサイズ1,500mlはマグナム(magnum)とそれぞれ呼ばれ、レストランのワインリストやワインショップでも見かけます。

それよりも大きくなると地方によって呼び方が異なるので若干煩雑です。3,000mlはボルドー地方ではダブル・マグナム(double-magnum)、シャンパーニュ地方ではジェロボアム(jeroboam)、4,500mlはボルドーではジェロボアム(jeroboam)に対しシャンパーニュではレオボアム(rehoboam)、6,000mlはボルドーではアンペリアル(imperial)でシャンパーニュではマチュザレム(mathusalem)です。

もっと大きなものもありますが、よほど特別な機会でない限り、これらよりも大きなボトルを実際に開けて飲むことはないと思いますのでここでは割愛します。因みに、私は昨年公開された映画『東京ワイン会ピープル』に6,000mlのシャンパーニュを開けるシーンでエキストラとして登場しています。よかったら、探してみてください。

ワインのボトルにまつわるいろいろ、いかがでしたか?
次回はここでも取り上げたマグナムの魅力をさらに掘り下げてみたいと思います。
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連載Vol.01   「ワインスクールは受験や就活と同じく真剣に選ぶべし」
連載Vol.02 「モテるのは片手にワイングラス8脚をモテる男」
連載Vol.03 「一目置かれるワイン会の掟、お教えします」
連載Vol.04 「ワインのカジュアル・フォーマルはここで決まる!」
連載Vol.05 「ダジャレで選ぶワイン、ありやなしや」
連載Vol.06 「ワインを愛するならまず『ワインセラー』を買いなさい」
連載Vol.07   「人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな」
連載Vol.08   「古酒は小さなグラスにちょびちょびと注ぐべし」
連載Vol.09   「あなたはなぜワインを飲むのか?  と聞かれたら」
連載Vol.10   「ワイン会は店選びが9割⁉ 幹事の心得いよいよ最終編へ突入」
連載Vol.11   「宴会幹事必読! ワイン会の開催までにやっておくべきTo Doリスト」
連載Vol.12   「ワインを楽しむ男はなぜモテるのか。公式化してみた」
連載Vol.13   「高価なワインをご馳走すればモテる」と勘違いしていませんか。
連載Vol.14   「こんなワイン好きは嫌われる、ワイピのNG行動とはなにか」
連載Vol.15   「ロマネ・コンティよりオーパス・ワンに興味を示す女性ってアリ⁉」
連載Vol.16   「パーティでモテるスマート・エスコート術をご指南」
連載Vol.17   「女性の気持ちは高級ワインでは買えません」
連載Vol.18   「『ピンドン』『ロマコン』……平成のイタい略語はモテません」
連載Vol.19   「教えて! 『ぼくらはどんなワインを飲めばいいのですか?」

● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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