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2019.06.14

人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな。

5,000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

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文/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

もう梅雨ですね。雨を眺めながら飲むロゼ・ワインもお洒落っぽいですね。

今回は再びワイン会の掟に戻り、マナー編(会話)です。ワインの知識・経験とワイン会での上品な振舞いは別問題。ワインにくわしい人がワイン会で品のない振舞いをしているのは、汚れたスウェットのお兄さんがフェラーリを運転している姿を表参道の交差点で目にするくらい残念なもの。上級ワイピ(=ワインピープル)を目指すあなたは、ぜひ立ち振舞いにも気を配っていただきたいものです。
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ワイン会の掟 ~ その3マナー編(会話)

持ち寄りワイン会に参加する場合、ワイン選定が重要であることは既に述べましたね。当日は参加メンバーが選んだそれぞれのワインが陽の目を見る晴れ舞台ですから、自分のワインはもちろんのこと、どのワインにも敬意を払って臨みたいものです。

ワイン会といっても楽しく会話しながらお酒や食事を楽しむという点では他の会食と大きな違いはありませんから、常識に基づいた会話のマナーを守っていれば問題ないのですが、ワイン通であるが故に陥りやすい事例についていつくかご紹介します。
1. 他人の持参ワインについて必要以上に批判的・攻撃的になるのはやめましょう。

かつて某ワインスクールで、生徒がクラス会に持ってきた高級ワインを片っ端からディスる先生がいたとの都市伝説がありますが、その真偽はさておき、他人のワインをむやみに批判するのは控えたいものです。
よくあるのは

「○○年(自分が過去に飲んだことのある別のヴィンテージ)はもっと果実味豊かで美味しかった」
「同じ生産者の特級ワインの方が好きだ」……などなど。

この場合は、ワインの欠点ではなく長所を探して褒めてあげましょう。
たとえば上と同じ内容を言いたいのであれば

「別のヴィンテージは飲んだことがあったけど、この年は初めてなので飲めてよかった」
「特級畑は飲み頃になるまで時間がかかると感じたが、今日のワインは既に飲み頃感があって美味しい」などです。

いかがですか? 断然ポジティブな印象になりませんか?
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2.  他の参加者が持参したワインについて、「幾らなの?」とすぐに値段を聞いたり、スマホで値段を調べて叫んだりするのはやめましょう。

値踏み大好きな人にとってはワインも格好の標的だとは思いますが、こっそりとやりましょう。露骨に値段の話をするのはワインに限らずお行儀がよくないです。

3.  ワインのコンディション不良はある程度不可避。理解を示しましょう。


仮に細心の注意を払って保管・運搬していたとしても、運悪くベストコンディションでないワインに出くわすことがあります。ワインの不快臭の中にはブショネ(*1)など、ほぼ不可抗力に近いものもあるからです。

お店のワインリストからオーダーした場合にはソムリエに伝えて交換してもらえますが、持ち寄りワイン会の場合は当然出来ません。

1 でも触れたとおり、多くの良心的な参加者はなかなか他人のワインを指摘出来ないもの。持参したワインの状態に疑問がある場合、自らすすんで「このワイン状態大丈夫なあ?」と言いだしてこそ上級ワイピへの道です。
そのような場合、ワイピランクの高い人達は優しく慰めてくれるはず。たまに「保管状態が良くないのでは?」(*2)とか残念な発言をするワイピに出くわしても気にせずに。

(*1) ブショネ(bouchonée)とは汚染されたコルク栓により、ボトル内のワインの品質が劣化する現象のことです。主原因はコルクに潜んだ細菌と消毒に用いられる塩素によって生成されるTCA(トリクロロアニソール)という物質で、極低濃度でも感知出来る強烈な、カビや湿った段ボールのような不快な香りを発します。最近はコルクメーカーなどの努力によって改善されてきていますが、それでも5%程度の発生率だと言われています。ブショネの「程度」はケース・バイ・ケースで異なるので、とても飲めないような不快臭のが強いものから、気づかず飲んでしまう軽度のものまであり、慣れていないとなかなか判断出来ません。未経験の方はチャンスが有ればブショネのワインの香りを嗅がせてもらうと良いと思います。

(*2) 上記(*1)のとおりですので、どれだけ慎重にワインを保管してもブショネを防ぐことはまず出来ません。ブショネを保管法の問題だと言うのはむしろ自らの無知を晒しているのようなものです。

● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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