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2020.01.15

教えて! 「ぼくらはどんなワインを飲めばいいのですか?」

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

CREDIT :

文・グラフ/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

お正月もまたたく間に過ぎて、いよいよ新年が本格始動しましたね。2020年もお互いに楽しく有意義なワインライフを過ごせますように。

さて、今回のテーマはワイン初心者の方必読! 「ワイン〜いったい何を飲んだらよいか?」です。私が今までさまざまな方から受けたワインに関しての相談で、圧倒的に多いのが次の悩みです。

「ワインは好きなんです」
「でもくわしくなくて……」
「どこから勉強を始めるべきなのか?」
「どんなワインを飲んだら良いのでしょう??」

多くの方から、同じ質問をされているうちに私なりの答えが出来上がりましたので、本コラムでもシェアさせていただきます。と言ってもワインスクールに行くとか、入門書を読むとかじゃありませんよ。もっと簡単に、コストをかけずに実践できる方法です。

「どんなワインを飲んだら良いか?」
答えは簡単。自分の「好きなワイン」を飲めば良いのです。
難しくかまえず、外食の際に和食とかフランス料理を選ぶのと同じく気軽に考えましょう。でも、ここで多くの人が壁にぶつかります。それは「自分がどんなワインが好きか判らない」から。知識もないし、ワインの特徴を捉えて表現するスキルも身についていないわけですから当然ですよね?

高校の数学教師に「どこが分からないのですか?」と言われて、「どこが分からないのかハッキリしているくらいなら苦労しないよ!」と思っていたあなた、ハイその通りです。皆さんがワインの世界の門を叩きたいと思いながらも躊躇している原因もここにあり。最初の壁が余りにも高く、その手前で意気消沈してしまうのが「ワイン道」の特徴でもあります。

そこで、以下のマイBEST3ワインメソッドを実践してみてください。

ステップ1「マイBEST3ワインを決めよう!」

1. まず最初に、自分が飲んで美味しいと感じたワイン、好みだと思ったワインのラベル(エチケット)を写真に撮る。
2. その中で自分のベスト3を決め、美味しいワインに出会うたびに入替をして、常にマイBEST3ワインをアップデートしておく。
3. レストランやワインバーなどでソムリエから「どんなワインがお好みですか?」と尋ねられたら「今までに美味しいと思ったBEST3です」と写真を見せてオススメを聞く。

もちろん、余程大量生産されているワインでない限り、写真と全く同じワインに出会うことはありません。ここで大切なのは前回と同じワインを飲むことではなく、ソムリエなどが同じタイプだと判断して勧めたワインについてあなた自身はどう感じたか、です。美味しいと思ったのであれば、ソムリエの分析が正しかったことになります。勇気を出して「どういう基準で選んだのか」を尋ね、次のステップ2に活用しましょう。お店の人との会話も盛り上がって一石二鳥です。
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ステップ2「自分の傾向を分析しよう」

ある程度の本数のワインを経験してマイBEST3が安定してきたら、その傾向を分析してみましょう。

- 赤ワインなのか白ワインなのか?
- 濃い目のワイン(どっしりとした力強いタイプ)が好きか、優し目のワイン(スッキリとしたタイプ)が好きか?
- 特定の生産国やブドウ品種などの傾向はあるか?

これらを自分で分析するのは大変なので、ここでも先輩の助けを借ります。ステップ1で専門家に写真を見せた時のコメントとか、友達でワインにくわしい人との会話で聞いた傾向をメモに書き留めておきましょう。
また、エチケットからワインの銘柄(生産者や生産国、ブドウ品種など)を自動的に判別してくれるスマホアプリも何種類かありますので、活用してみてください。簡単に顕著な傾向が発見できないかも知れませんが、焦らずに続けましょう。「カベルネ・ソーヴィニオンが好き」「ドイツの白ワインが美味しく感じることが多い」「バニラっぽい樽の香りがするワインが赤白を問わず好み」などです。このようなアプローチが出来るのはIT全盛の時代に生きる皆さんの特権、活用しない手はありません。
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ステップ3「もうひと工夫で一人前のワイピに」

傾向分析に慣れて面白く感じてきたら、無理せず少しづつ範囲を広げていきましょう。
マイBEST3マイBEST5に増やす。
赤・白・泡(スパークリング)とタイプ別にマイBEST3を作る。
好みでなかったワインからマイWORST3も分析してみる。
など、いくらでも工夫のしようがあります。

その中で、自分の好みの傾向を見つけましょう。それが、生産国なのか、特定の生産者や畑のある村なのか、ブドウ品種なのか、醸造方法なのか……自分の好みが理解できて、他人に説明出来るようになれば、あなたはもう立派なワイピ、いつの間にかワインの魅力に取り憑かれ、ドップリとハマってしまっているに違いありません。
「好きなワイン」判別法、いかがでしたか? あなたも好きなワイン・素敵なワインに出会えることをお祈りしております。
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連載Vol.01   「ワインスクールは受験や就活と同じく真剣に選ぶべし」
連載Vol.02 「モテるのは片手にワイングラス8脚をモテる男」
連載Vol.03 「一目置かれるワイン会の掟、お教えします」
連載Vol.04 「ワインのカジュアル・フォーマルはここで決まる!」
連載Vol.05 「ダジャレで選ぶワイン、ありやなしや」
連載Vol.06 「ワインを愛するならまず『ワインセラー』を買いなさい」
連載Vol.07   「人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな」
連載Vol.08   「古酒は小さなグラスにちょびちょびと注ぐべし」
連載Vol.09   「あなたはなぜワインを飲むのか?  と聞かれたら」
連載Vol.10   「ワイン会は店選びが9割⁉ 幹事の心得いよいよ最終編へ突入」
連載Vol.11   「宴会幹事必読! ワイン会の開催までにやっておくべきTo Doリスト」
連載Vol.12   「ワインを楽しむ男はなぜモテるのか。公式化してみた」
連載Vol.13   「高価なワインをご馳走すればモテる」と勘違いしていませんか。
連載Vol.14   「こんなワイン好きは嫌われる、ワイピのNG行動とはなにか」
連載Vol.15   「ロマネ・コンティよりオーパス・ワンに興味を示す女性ってアリ⁉」
連載Vol.16   「パーティでモテるスマート・エスコート術をご指南」
連載Vol.17   「女性の気持ちは高級ワインでは買えません」
連載Vol.18   「『ピンドン』『ロマコン』……平成のイタい略語はモテません」
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● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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