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2020.01.02

「ピンドン」「ロマコン」……平成のイタい略語はモテません。

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

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文・グラフ/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

あけましておめでとうございます。
ワイピの皆さまはおせちとワインを楽しまれていることでしょう。
『モテるワイン道入門』、2020年もますますパワーアップして参りますのでよろしくお願いします。

さて、新年最初のテーマは昨年から続くワイピのNG行動です。過去記事では「ワインの知識や経験値をひけらかす」、「対価を求めてワインをふるまう」NG行動を取り上げて来ましたが、今回はその第3弾。ワイピとしての仕事始めだと思って頭をリフレッシュしてください。

繰り返しますがNG行動にメリットなし。とにかく避けるのが賢明です。合コンで「オレ昨日2時間しか寝てないわ〜」とアピールして逆効果なのと同様、自分では良かれと思っていても相手にはイタい男と印象づけてしまう残念なパターンです。

モテるワイン道~NG行動を避けよう!

日本人は何かにつけて略語好き。ワイン用語も例外ではありません。しかし、巷にあふれるワイン略語の中には感心できないものも多く、「スマートさに欠ける」略語の使用はオススメできません。ついつい無意識のうちに得意げに使っていませんか? あなたもチェックしてみてください。

スマートさに欠ける略語は封印しよう

ワイン用語に限らず略語は便利なので多用しがちです。では「いったいどんな略語がNGなの?」と頭を抱える方も多いはず。おまかせください! 主なNG略語は次の2種です。
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✔  「俗語」っぽい略語

いろんな業界の人がさまざまな場面でワインを楽しむことを否定するつもりは全くありません。しかし、上級ワイピとしてモテ値を上げたいアナタ、「俗語」っぽい略語は避けましょう。

代表的な具体例としては、ロマネ・コンティ(Romanee-Conti)を「ロマコン」、ドン ペリニヨン(Dom Perignon)を「ドンペリ」と呼ぶ、などです。後者は特に広く浸透しているようですが、ワイピ意識の高い皆さまはぜひとも使用しないことをオススメします。

昨年、公共放送の番組でDom Perignonの元醸造責任者のRichard Geoffroy氏が日本酒造りに挑戦するという内容の特集(*1)を視たときですが、女性のナレーターが「ドンペリ」と連呼しており、個人的には「ドン引き」でした。これに対し、ゲスト出演していた田崎真也氏はさすがソムリエの第一人者、きちんと「ドン ペリニヨン」と仰っていました。当たり前ですが、これらの略語は海外ではまったく通用しません。英語圏の人が聞いたならば「ロマコン」=「シンデレラ・コンプレックスの新類型のロマンス・コンプレックス?」、「ドンペリ」=「吐き気止め薬のドンペリドン?」(*2)と頭を抱えてしまうかも(笑)。ましてやドン ペリニヨン ロゼを「ピンドン」と呼ぼうものなら「百年の恋も醒める」こと間違なし。省略するのがカッコいいと思っているうちは超初級ワイピを抜け出せません。ランクアップのため俗語系略語は封印しましょう。「正式名称は長すぎる。どうしても略語を使いたい」という方は、ロマネ・コンティ=RC、ドン・ペリニヨン=DPとアルファベットの頭文字で呼ぶことをオススメします。これだと下品にも聞こえませんし、海外のワイピにも通じます。
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✔ 勝手にアップグレード略語

ブルゴーニュワイン特有のNG略語です。ブルゴーニュ好きのワイピの皆さんはよくご存知の通り、ブルゴーニュワインの格付は上から特級(Grand Cru)、一級(Premier Cru)、村名(Village)……というようにピラミッド構造のヒエラルキーで構成されています。

そして、主要な村にはその村を代表する特級畑が存在します。ここからが少し煩雑なのですが、その「村の名前」の一部に当該村を代表する「特級畑の名前」が使われていて混同しやすいのです。
具体例を挙げますと、

村の名前 (村名ワイン)              
ジュヴレ・シャンベルタン(Gevrey-Chambertin)  
シャンボール・ミュジニー(Chambolle-Musigny)  
ヴォーヌ・ロマネ(Vosne-Romanee)       
ピュリニー・モンラッシェ(Puligny-Montrachet)   
シャサーニュ・モンラッシェ(Chassagne-Montrachet) 

以上の村名に対して、その村の代表的な特級畑の名前はそれぞれ以下の通りです。

特級畑の名前(特級ワイン)
シャンベルタン(Chambertin)
ミュジニー(Musigny)
ラ・ロマネ(La Romanee)
モンラッシェ(Montrachet)(*3)
モンラッシェ(Montrachet) 

どうでしょう。特級畑の名前は同時に村名の一部にもなっているため非常にわかりにくいですね。一般に村名ワインと特級ワインを比較した場合、その品質・価格・評価などは雲泥の差があります。当然ながら後者の方が上ですので、つまり似たような名前がラベルに書かれていても、短いほうが断然格上になります。

初心者でワインを知らない人が両者を区別できずに間違えるのは仕方ありません。しかし、知識のあるワイピにも関わらず、前者(村名)を略して後者(特級)の名前で呼ぶ(村名ワインがいつも間にか特級ワインにアップグレードされている)のは感心できません。

ワイピのみなさまには信じられないかも知れませんが、筆者は今までにこのような事例に何度も遭遇したことがあります。これは特級ワイン(グラン・クリュ=Grand Cru)に対して申し訳なく、スマートとは言えないNG略語なのでぜひやめて欲しいと思います。確かに同じ村のワインではありますが、まったく別物だからです。誤解を恐れずに乱暴な例えで言えば「東京の大学」と「東京大学」を混同するようなものです。

NG行動のワイン略語編、いかがでしたか? え? 「お前もワイン・ピーポーを『ワイピ』って略しているじゃないかって?」……う~ん、確かに。申し訳ございません(笑)。

(*1)
 NHK 2019年11月14日放送のクローズアップ現代『日本酒が「世界酒」に!~SAKE革命~』

(*2) ドンペリドン(Domperidone)は、ドーパミン受容体拮抗薬の一つで、制吐薬・消化管機能改善薬として利用されている。

(*3) モンラッシェの畑はピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村という2つの村にまたがっており、面積の割合はほぼ均等。

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連載Vol.01   「ワインスクールは受験や就活と同じく真剣に選ぶべし」
連載Vol.02 「モテるのは片手にワイングラス8脚をモテる男」
連載Vol.03 「一目置かれるワイン会の掟、お教えします」
連載Vol.04 「ワインのカジュアル・フォーマルはここで決まる!」
連載Vol.05 「ダジャレで選ぶワイン、ありやなしや」
連載Vol.06 「ワインを愛するならまず『ワインセラー』を買いなさい」
連載Vol.07   「人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな」
連載Vol.08   「古酒は小さなグラスにちょびちょびと注ぐべし」
連載Vol.09   「あなたはなぜワインを飲むのか?  と聞かれたら」
連載Vol.10   「ワイン会は店選びが9割⁉ 幹事の心得いよいよ最終編へ突入」
連載Vol.11   「宴会幹事必読! ワイン会の開催までにやっておくべきTo Doリスト」
連載Vol.12   「ワインを楽しむ男はなぜモテるのか。公式化してみた」
連載Vol.13   「高価なワインをご馳走すればモテる」と勘違いしていませんか。
連載Vol.14   「こんなワイン好きは嫌われる、ワイピのNG行動とはなにか」
連載Vol.15   「ロマネ・コンティよりオーパス・ワンに興味を示す女性ってアリ⁉」
連載Vol.16   「パーティでモテるスマート・エスコート術をご指南」
連載Vol.17   「女性の気持ちは高級ワインでは買えません」

● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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