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2020.02.11

手がかかるけど可愛いじゃじゃ馬、マグナムのワインはこう乗りこなせ!

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

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文・図解/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

節分も終わり、まもなくバレンタインデーですね。
チョコレートは古くからいわゆる「ワインキラー」のひとつと言われ、合わせるワインが難しいとされています。でも、気になる女子から贈られたチョコなら、どんなワインとも相性が良いでしょうね。

今回はワインボトルの続きで、マグナムボトルにフォーカスしていきましょう。
レギュラーサイズのボトルである750mlのブテイユ(bouteille、フルボトルとも言います)に対して2本分1,500ml容量のものをマグナム(magnum)と呼ぶことは前回お話しした通りです。

このマグナムにはワインの世界独特の不思議があります。一般的に商品は大量に購入するとボリュームディスカウントが働いて単価が下がります。その理屈からすれば、マグナムはブテイユ2本分ですから、価格は2倍より少し安くなるはずだと思いますよね?  ところが、さにあらず!  マグナムの価格は、全く同じワインのブテイユ価格の2.2〜2.5倍程度、逆に単価が上がるという不思議な現象が起きます。さらに、高級ワインの古酒の場合は3倍以上になることも稀ではありません。

いったい何故でしょうか? 
主な理由は以下の3つだと言われています。

1.マグナム用のボトルの製造コストはブテイユに比べて割高である。すなわち、マグナム用の空ボトル1本の値段がブテイユの空ボトル2本分よりも高い! また、ブテイユと違って6本入りや12本(1ダース)入りの箱に入れて輸送できないので流通コストも割高になる。

2.マグナムボトルの生産量はブテイユに比べて圧倒的に少ないので希少性やプレミアム感が高い。また、ブテイユの倍の大きさという迫力感もある。要するにマグナムというだけで、どこかロマンを感じさせる。

3.ワインの熟成スピードがゆっくりで長期熟成に向いている。もう少しくわしく説明すると、ワインの熟成のスピードは空気との接触による酸化が主要因と言われている。そして、その空気接触はワインボトル最上部の液面を介して行われる。マグナムの場合、ブテイユに比べて2倍の量にもかかわらず、液面の面積はほぼ同じ。つまり、単位分量あたりの空気接触は約半分になる。従って、熟成スピートが遅くなる。これにより、長期間熟成されたプレミアムワインなら、マグナムだという理由でプレミアムがつくのも納得ですね。
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アナタはマグナムボトルを乗りこなせますか⁉

こうした理由からマグナムはワイピの必須モテアイテムなのです。
特別感満載で見た目にも凛々しいマグナムボトルを、ワイン会やホームパーティーで披露すればあなたも一躍人気者間違いなし。

ところが、その反面マグナムには面倒な点も多々あります。ラグジュアリーな品に手間がかかるのは世の中の常、フェラーリの車検や時計のトゥールビヨンにコストがかかるのと同様です。

どのような点が厄介なのでしょうか? 具体的には、

・大きいので保管が大変。容量的にはブテイユ2本分ですが、実際の迫力は明らかにそれ以上。収納に要するスペースもブテイユ2本分どころではありません。専用のワインカーヴを持っている上級ワイピならばともかく、市販のワインセラーにはなかなかフィットしません。

・輸送や運搬にも不便。ワイン会に持参するときなどブテイユのように気軽に持ち運びできません。事前に配送する場合でもパッキングに苦労します(この点、大手宅配便の清酒一升瓶用「酒BOX」はマグナムがほぼフィットするので重宝しています)。

・ワインを冷やすためのクーラーボックスやパニエ、デキャンターなども大型のものが必要になるが、種類も少なく高価である。

・抜栓後、ブショネなどの劣化ワインであった場合のショックが2倍!

などなどです。どうです、ワイピにとってみたらジャジャ馬とも思えてしまうマグナム、アナタは乗りこなせそうですか?  手懐けられれば上級ワイピもすぐそこですよ。

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連載Vol.01   「ワインスクールは受験や就活と同じく真剣に選ぶべし」
連載Vol.02 「モテるのは片手にワイングラス8脚をモテる男」
連載Vol.03 「一目置かれるワイン会の掟、お教えします」
連載Vol.04 「ワインのカジュアル・フォーマルはここで決まる!」
連載Vol.05 「ダジャレで選ぶワイン、ありやなしや」
連載Vol.06 「ワインを愛するならまず『ワインセラー』を買いなさい」
連載Vol.07   「人のワインを笑うな、けなすな、値段を聞くな」
連載Vol.08   「古酒は小さなグラスにちょびちょびと注ぐべし」
連載Vol.09   「あなたはなぜワインを飲むのか?  と聞かれたら」
連載Vol.10   「ワイン会は店選びが9割⁉ 幹事の心得いよいよ最終編へ突入」
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連載Vol.12   「ワインを楽しむ男はなぜモテるのか。公式化してみた」
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連載Vol.14   「こんなワイン好きは嫌われる、ワイピのNG行動とはなにか」
連載Vol.15   「ロマネ・コンティよりオーパス・ワンに興味を示す女性ってアリ⁉」
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連載Vol.17   「女性の気持ちは高級ワインでは買えません」
連載Vol.18   「『ピンドン』『ロマコン』……平成のイタい略語はモテません」
連載Vol.19   「教えて! 『ぼくらはどんなワインを飲めばいいのですか?」
連載Vol.20   「ワインのボトルを見るだけで達人はこれだけ語れます」

● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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