2018.10.12
プロ伝授! 女性を撮る、とっておきテク
自分を可愛く、素敵に撮影してもらえて喜ばない女性はいません。実はほんのちょっとした工夫で、彼女を魅力的に撮ることができるのです。そのテクニックをプロに教えていただきました。
- CREDIT :
取材・文/瀧川修平 写真/三宮幹史

◆ Technique 1
レンズを被写体の目の高さ、
“アイレベル”に合わせる


【NG例】下から煽って撮ると……
たとえば、全身写真を広角レンズで下から煽るように撮ると、遠近感で脚が長くクローズアップされますが、とどのつまり不自然な画角になります。何らかの意図があるわけでなければ、基本は“アイレベル”で間違いありません。ましてやアップを下から煽ると顔の下半分が強調され二重アゴにも見えがちなので、ご注意を。
◆ Technique 2
距離を置く、タイミングをズラす……
彼女が自然体に振る舞える“場”をつくる

スマホのカメラで撮るなら、あえて彼女に声をかけないまま、シャッターを切ってみるのも手です。

【NG例】構えさせて撮ってしまうと……
「はい、チーズ」でピースなどしようものなら、ただの記念写真が関の山。たとえば、「撮るよー」と声を掛けたのにしばらく撮らないでいると、相手はあれっと気が緩みますよね? 不意の瞬間を狙うなら、こんな遊びも効果的です。あとは、“パシャ”で終わりではなく、5枚10枚とシャッターを切ってみる。「グラビア撮影では1枚の採用カットを撮るために何十枚、何百枚の捨てカットを押さえますからね。1枚ではブレてしまったり、良い顔が撮れなくても、数カットの中には思わぬベストショットが潜んでいるかもしれませんよ」
◆ Technique 3
日の出前の、青白い光を利用する

女性を可愛く撮りたいなら、淡く優しい光が重要。「時間帯でいうと、この写真のように朝日が昇る前などは狙い目。青白い光のなかでは女性の透明感が引き出され、はかなげな印象が強調されます」
冬の夕方のやさしい光も、女性を魅力的に見せてくれるという。
◆ Technique 4
構図を見切ってみる

被写体をど真ん中ではなく少し右か左に寄せると背景が活きてくるため、撮影者が動きながら構図に変化をつけてみましょう。「何をどのぐらいのバランスでファインダーに収めるか工夫することにより、ただの記念写真ではなくストーリー性のある1枚へと昇華するはずです」

時に、映画を参考にしてみる
頭の中に、参考にするべき構図や光のお手本がなければ、ストーリー性のある写真は撮れません。その引き出しを増やすために、三宮さんはビジュアルが美しい映画を見るといいます。「たとえば、ソフィア・コッポラ監督の作品は、女性が魅力的に描かれているため参考になりますね。初期の頃の『ヴァージン・スーサイズ』や『ロスト・イン・トランスレーション』(写真上)には、可愛らしい場面だけでなくちょっとパンクな一面も表現されているから、絵作りの引き出しがグンと広がりますよ」。
■ 三宮 幹史
さんのみや・もとふみ 1984年生まれ、兵庫県出身。2010年にスタジオ恵比寿を退社後、フォトグラファーとして独立。2011年、DUST FREE PRODUCTION inc.に所属。ファッションフォトを中心に、雑誌、広告等など幅広い分野で国内外のモデルやアーティストを撮影している。2017年にはフリーランスとして独立した。
URL/http://sannomiyamotofumi.com