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2018.10.10

「フルサイズ」って何? 今さら聞けないミラーレスカメラの選び方

「α7」シリーズに続き、「EOS R」や「Z7」など、フルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラが今、業界を賑わせています。ここでは、そんなカメラの選び方をフォトグラファーの桐島ローランドさんに指南いただきました!

CREDIT :

取材・文/平井敦貴 取材協力/桐島ローランド

一眼レフカメラ(左)と、マイクロフォーサーズサイズのミラーレスカメラ(右)。
一眼レフカメラ(左)と、マイクロフォーサーズサイズのミラーレスカメラ(右)。

いま、カメラ業界に起きている地殻変動とは?

近頃よく聞く『ミラーレスカメラ』という言葉。みなさんはご存知でしょうか? 実はこのミラーレスカメラを中心に、現在、カメラ業界には大きな地殻変動が起きているんですね。

ということで今回は、これまで数々のカメラを使いこなしてきたフォトグラファーの桐島ローランドさんに、ミラーレスカメラの現在と、その選び方を伺いました。
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フォトグラファー・桐島ローランドさんがカメラ選びを指南!

ーーまず基本的なことですが、「ミラーレス」とはどんなカメラのことを指すのでしょうか?

「『ミラーレス』とは、一眼レフカメラの内部機構の『鏡(ミラー)をなくした(レスした)』という意味で、一眼レフカメラと同等性能ながらも、鏡を省いた分だけ小さくなったカメラのことを指します。

ちなみにコンパクトデジカメとは違い、ミラーレスカメラは一眼レフがベースなので、基本的にレンズは交換式です。中でも今年は、ソニーの『α7』シリーズに追従する形で、キヤノン『EOS R』、ニコン『Z6/Z7』、パナソニック『LUMIX S1R/S1』と、各社が『フルサイズ』センサー搭載モデルを続々と発表し、カメラ業界はにわかに活気づいているんです」
センサーサイズによって写真の画質は大きく左右されます。
「35mmフルサイズ」のセンサー。このセンサーのサイズによって写真の画質は大きく左右されます。
── そうなんですね。ところで「フルサイズ」とはどういう意味なのでしょうか。カメラ初心者にもわかるよう、ご説明お願いします!

「まず、カメラにおいて最も画質の差が現れるのはそのセンサーの大きさ『センサーサイズ』です。これはフィルムカメラの『フィルム』に当たる部分で、一般的にサイズが大きいほどデータ量が増し、画質が良くなります。

で、『フルサイズ』とはその名前の通り、フィルムカメラのスタンダードだった35mm判フィルムと同じサイズ(35mmフルサイズ)のセンサーのことを指し、その他のサイズに比べて圧倒的に大きいのが特徴です」
フィルムからデジカメへの過渡期の中で生まれた規格「35mmフルサイズ」。その他のセンサーサイズ(1インチ、フォーサーズ、APS-C)と比較すると、その大きさは圧倒的。
フィルムからデジカメへの過渡期の中で生まれた規格「35mmフルサイズ」。その他のセンサーサイズ(1インチ、フォーサーズ、APS-C)と比較すると、その大きさは圧倒的。
── フルサイズセンサーの大きさは比べてみると一目瞭然ですね。それではやっぱり、本格的なカメラを買うときには『フルサイズ』を選んだ方が良いのでしょうか?

「プロレベルの画質を求めるならフルサイズのカメラと大きなレンズが必要ですが、手軽さや小ささを求めるのであれば『APS-C』や『3/4(フォーサーズ)』のカメラでも十分アリだと思います。メーカーとしては、APS-Cはキヤノン、ニコン、ソニーなど各社が出していて、フォーサーズはオリンパスとパナソニックが統一規格で出しています。センサーの大きさはカメラの大きさに直結するので、まずは実物に触れてみて、その大きさを確かめてみると良いかもしれません」

── わかりやすい解説ありがとうございます。それでは、その「フルサイズ」のカメラも含めて、桐島さんオススメのミラーレスカメラを教えてください!
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桐島さんのオススメミラーレスカメラ[1] 

ソニー「α7R III」

「僕が今、メインで使っているのがソニーの『α7R III』です。2013年、世界初の『フルサイズ』ミラーレスカメラとして登場した初代『α7』から5年が経ち、スペック的にもプロの世界標準まで熟成されてきました。また、他社に先駆けてフルサイズミラーレスを展開してきたので、専用レンズが豊富にあるのもポイントですね。この『R』がつく高画素タイプ以外にも、暗所に強い『α7S III』や定番の『α7 III』など、兄弟型が揃っているので、用途に合わせて選んでみると良いかもしれません。

僕はほとんどの仕事をこのカメラで行なっていますし、同等の一眼レフに比べても軽いので、いつもバッグに入れて持ち歩いています。また、カール ツァイス製のレンズは僕好みの自然な色味を引き出してくれるので、特に気に入って使っていますね」

ソニー「α7R III」

価格:37万7870円(ボディーのみ。ソニーストアにて販売中)
センサー:35mmフルサイズ
有効画素数:約4240万画素
使用レンズ:ソニーEマウントレンズ
バッテリーとメモリーカードを含む重さ:約657g
外形寸法:約126.9(幅)×95.6(高さ)×73.7(奥行き)mm
※価格は時期により変更となる場合がございます。

桐島さんのオススメミラーレスカメラ[2] 

キヤノン「EOS R」

「先月発表されて、今一番気になっているのが、キヤノン初のフルサイズミラーレスカメラ『EOS R』です。キヤノンは一眼レフカメラの豊富なレンズ群が魅力ですが、アダプターを使用することでそのレンズ群がそのまま使えるのが特長です。さらに、これから発売される新設計の『EOS R』専用レンズは、カメラとレンズの通信システムが強化され、レンズ側でカメラの設定を変えることができたり手ブレ補正が強力になったりと、他社に比べて一歩先に行っていると思います。初めてフルサイズを選ぶ方にとって『EOS R』は有力な選択肢でしょう」

キヤノン「EOS R」

価格:25万6500円(ボディーのみ。現在キヤノンオンラインショップにて予約受付中)
センサー:35mmフルサイズ
有効画素数:約3030万画素
使用レンズ:キヤノンRFレンズ、およびEFレンズ
※マウントアダプター併用により、EF/EF-Sレンズが使用可能(EF-Mレンズ使用不可)
バッテリーとメモリーカードを含む重さ:約660g
外形寸法:約135.8(幅)×98.3(高さ)×84.4(奥行き)mm
※価格は時期により変更となる場合がございます。

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桐島さんのオススメミラーレスカメラ[3]

ニコン「Z7」

「先日発売されたニコンのフルサイズミラーレスカメラ『Z7』は4575万画素という高い画素が注目点。その弟分の『Z6』(2450万画素)も発売を控えており、予算に応じて選んでみるのも良いでしょう。ニコンは昨年発売した一眼レフカメラの『D850』がヒットし、再びユーザーを獲得しています。キヤノンと並んでレンズが豊富にあるメーカーなので、そのレンズを生かすのであれば『Z7』や『Z6』はおすすめですね」

ニコン「Z7」

価格:43万7400円(ボディーのみ。現在ニコン公式オンラインショップにて発売中)
センサー:35mmフルサイズ
有効画素数:約4575万画素
使用レンズ:Zマウント用NIKKORレンズ、およびFマウント用NIKKORレンズ(マウントアダプター使用時、一部機能制限あり)
バッテリーとメモリーカードを含む重さ:約675g
外形寸法:約134(幅)×100.5(高さ)×67.5(奥行き)mm
※価格は時期により変更となる場合がございます。

桐島さんのオススメミラーレスカメラ[4] 

パナソニック「LUMIX GH5/GH5S」

「パナソニックの『LUMIX GH5』とその兄弟モデルの『GH5S』は、センサーサイズこそフォーサーズですが、映像を撮ることに特化したスペックで人気を集めています。特に『GH5S』は世界で初めてシネマ4K(4096×2160pix)・フレームレート60pという動画形式に対応し、画期的な製品となりました。多くの映像クリエイターがこぞって使っているのも特徴です。また、動画の1コマを写真として切り出す『4Kフォト』も一般的なスナップ写真くらいなら十分対応できるので、ビデオカメラをメイン用途に考えている人にはオススメできますね」

パナソニック「LUMIX GH5/GH5S」

価格:[LUMIX GH5/GH5S]24万8270円/32万3870円(ボディーのみ。現在パナソニック公式オンラインショップにて発売中)
センサー:4/3型Live MOS センサー
有効画素数:[LUMIX GH5/GH5S]2033万画素/1028万画素
使用レンズ:マイクロフォーサーズマウント
バッテリーとメモリーカードを含む重さ:[LUMIX GH5/GH5S]約725g/約660g
外形寸法:約138.5(幅)×98.1(高さ)×87.4(奥行き)mm
※価格は時期により変更となる場合がございます。

桐島さん、ありがとうございます!

ひと口に『カメラ』と言ってもそれぞれに特色があり、用途に応じて選ぶのが良いんですね。いずれも高額ですが、長く使うことを見越してみなさまもご検討してみてはいかがでしょうか。
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● 桐島ローランド

フォトグラファー・総合ヴィジュアルクリエイター・3DCGエバンジェリスト。

1991年 ニューヨーク大学芸術学部・写真家卒業後、本格的にフリーランス・フォトグラファーとしてのキャリアをN.Y.でスタート。
1993年 東京に活動拠点を移し、多くのファッション撮影、広告撮影の他、ムービー作品も手掛ける。
2007年 パリ・ダカールラリー完走
2014年 3DCGプロダクション、AVATTA設立、代表取締役に就任。ヴィジュアルクリエイターとして写真・ムービー等を制作する傍ら、3DCGが真のフォトリアルとして躍動し融合を果たすことを目的としたエバンジェリストとしての活動を行う。国内外を問わず、多数のテクノロジーオリエテイティドなカンファレンスなどにも出席、マイクロソフトの販売代理店アドバイザー、自動二輪車メーカーのアンバサダー等も務める。

AVATTA URL/https://avatta.net/

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