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2018.10.09

LEONの写真は、どう撮られている? その秘密を公開!

創刊以来、17年という長きにわたり、カッコいい大人の男のあり方を提案し続けてきた本誌LEON。その世界観は写真なしでは語れないが、実は“LEONらしい写真”には一定のルールが存在する。それらをじっくりと紐解いてみた。

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取材・文/南陽一浩 写真・取材協力/前田 晃(マエティコ)

男を艶っぽく見せることに関して、手前味噌ながらLEONほどにこだわる雑誌はないだろう。誰もがSNS映えを目指して写真を撮ることを実践しているいま、どうやったら“LEONっぽい写真”になるのか? 表紙や特集ページを撮り続けるフォトグラファー前田 晃氏、2012〜2016年まで編集長を務めた前田陽一郎、そして現編集長の石井 洋の話より、いくつかのルールが見えてきた。

【1】シャドー(黒)を入れ、調子を締める

ジローラモさんから数々の男性モデルまで、その独特のオーラと日本の男性誌離れした艶っぽさは、どのようにして写真表現となるのか。そのいちばんの基本は、光と影のコントラストにある。
2018年8月号より。ハイライトとシャドー部のコントラストがしっかりと表出した“LEON的な”写真の一例。
2006年よりLEON本誌を撮り始めた前田 晃氏だが、当時、担当編集だった現LEON.JP編集長の前田は、こう依頼したと振り返る。「ハイライトと、黒でシメる部分を必ず作ってね、と。きっちりとコントラストを付けて、男性のカラダを立体的かつ魅力的に見せるのがLEONの王道ですから」。
ここで、編集部のアーカイブから、2001年12月号(創刊第2号)巻頭特集に掲載された写真をご紹介しよう。前田 晃氏の師匠、久保木浚介氏が撮影したこちら。17年もの時間の経過を感じさせない凛とした空気感のなかに、どこか物語性をはらんでいる写真にも、現在のLEON本誌以上に“光と影のコントラスト”が表れていることがお分りいただけよう。
「ジローさんがお茶目だったり、シリアスだったりと表情にバリエーションはあるけれど、どんな場合でも写真のスミ、黒を締めたい。シャープでカッコいい、こんな大人っていいよなと、読者に思わせるベースになるから」と、編集長石井が言うように、そのルールは脈々と受け継がれているのである。

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スタイリストさんが外れた瞬間が勝負時

【2】モデルの自然体の表情を捉える

LEON的な写真の特徴として、もうひとつ大切なのが、モデルが自然体であること。「スタイリストが準備を終えて、外れた瞬間に切った一枚、が勝負ですね」と前田 晃氏は言うが、ある意味、隠し撮りにも近いスナップ的な空気感も、ずっと本誌が狙い続けている要素だ。
2018年4月号より。長めの焦点距離で、隠し撮りしたかのような男女の一枚には引きつけられる空気感が宿る。
「ミドルアッパーの読者さんたちの共感を得るために、アナログ感は絶対に残したい。だから撮り始めは、モデルとフォトグラファーに遊ばせておくこともあります。そんなときに、奇跡の1枚が撮れたりもする」(編集長石井)

まさにクリエイター側とディレクション側の意図が噛み合ったなかで、こうした写真が生み出されると言えよう。
2018年5月号 特集「モテるオヤジはスーツで攻める」より。
焦点距離の長いレンズ、いわゆる望遠レンズを使う撮り方には「男性の体躯に、彫像のような立体感をもたらす効果もあります」(前田 晃氏)。

ちなみに、明暗のコントラストがはっきりとしていて、モデルを自然体に見せるLEON流の撮り方は、2000年代後半における女性ファッション誌の写真にも大きな影響を与えた。

「2008年の秋冬を境に、前田さんは女性誌からも一気に引っ張りだこになって、彼のスケジュールを押さえるのがホント難しくなった(笑)。自分たちの雑誌のテイストとして出たものが、他でもウケたのは無論、嬉しいことでもあるんだけど」(LEON.JP編集長前田)

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ややローアングルのほうが映画っぽい

【3】写真に物語性が生まれるアングル

“LEONっぽい写真”を撮るために、陰影やコントラストの強さ、ナチュラルな表情や雰囲気以外にもコツがあるのかどうか、前田 晃氏に聞いてみた。「長めの焦点距離で撮るにしても、僕はそんなに望遠寄りではなく、人の視線に近い50mmを使うことが多いですね」
2018年5月号 特集「モテるオヤジはスーツで攻める」より。
実際、人物のプロポーションを引き立たせるには、標準に近い焦点距離のレンズで肩から胸辺りの高さの方が、胸元や肩幅に漂う男っぽさを強調しやすいという。また、脚がそうそう長くはない日本人の場合、膝上や腰上だけを切り取るアングルも効果的だとか。
「それぐらいの、ややローアングル気味のほうが映画っぽいというか、何かしらの文脈が感じられるようになります。あと意識しているのは、髪の毛の一本一本の質感を立たせること。メンズをカッコよく見せるうえで、意外と大切なんです」

世界的メゾンブランドにも認められた!

前田 晃氏が撮って創り出したLEONのヴィジュアルは、実は世界的にも高い評価を受けている。ハイジュエリーブランドのブルガリが、全世界のエディトリアルページ、つまり自社アイテムが載った雑誌の編集ページを対象に、優秀作品を選んで写真集にしており、2012年のLEON7月号に掲載されたジュエリー特集の中の1枚が、栄えある最優秀作品に選ばれたのだ。

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女性モデルをすごく作り込む

【4】カッコいい男の傍らに、イイ女

また、LEONでは女性との絡みのカットも少なくない。「隣にいるのが素敵な女性だと、男性がよりカッコよく引き立つのはもちろん、男性がヘアメイクやスタイリングに気を配る理由にもなります」(編集長石井)
2018年7月号より。「女性モデルは、すっぴん時の骨格や動きの良し悪しを選定基準にしています」(石井)
男女のカットでは、女性モデルをすごく作り込むという。実は男性誌では珍しく、LEONの読者は2割が女性。「彼女たちに向けて、セクシーでありながら品のある女性像も提案したいと考えています」(石井)

では、フォトグラファー側の演出として、男女の絡みはどうあるべきか?
2007年4月号に掲載された、ベネトンジャパンとのタイアップページより。当時より、男性に寄り添う女性像は一貫してエレガントな雰囲気をまとわせ、女性読者からの支持も厚かった。
「男性は視線を外し、女性はカメラ目線が基本でしょうね。というのも、LEONを手に取る読者の方々が目を留めてくれるのは、やはり男より女でしょう? 結果、写真も強い印象になる」(前田 晃氏)
以上、LEONの世界観を構成するポイントをまとめたが、実は私たちの日常的な撮影にも応用できるテクニックもある。スマホなどで撮影される際に、ぜひ参考にしていただきたい。

■ 前田 晃氏、石井編集長からの撮影アドバイス

【自分を撮る時】
太ももから上を撮る
全身を撮るより、膝上や腰上で見切る画角のほうが、プロポーション全体を引き立たせる。(from 前田 晃氏)

陰影を意識して撮る
ハイライトではなく、陰を見つけるといい。光ではなく陰が、男をカッコよく演出してくれる。(from 編集長石井)

【女性を撮る時】
サイド光を活用する
女性をきれいに撮ってあげたい場合は、逆に光をまとわせてあげる。それも、サイドから来る光を利用すれば、艶っぽさを出せる。(from 編集長石井)

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