2025.12.07

上海は艶っぽいレストランの宝庫だった!

東京から飛行機で約3時間の上海。週末旅行にも最適な大都市は、言わずと知れたグルメシティです。すべてのスピードが速い上海では新店がめくるめく誕生。そこで、近年開業したスポットを中心に、いまの上海をご紹介。日中関係が微妙な時期ではありますが、早く好転してくれることを祈ってお届けします!

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文/大石智子(ライター)
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編集/森本 泉(Web LEON)

旅先として改めて面白いと実感

上海は艶っぽいレストランの宝庫
祝・中国版『LEON』新創刊! それを記念し、アジアで絶大な人気を誇るアーティスト、ジェイ・チョウさんがジローラモとLEON12月号の表紙に登場したことも、双方のよい記念となりました。
LEON12月号
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中国版『LEON』は2008年に創刊され、この秋、再創刊。なぜ中国で『LEON』がリニューアルを経てまで続いているかといえば、購買欲が高く、遊ぶのが大好きな大人がたくさんいるから。当然ながら貪欲な彼らがベースとする街は、食も酒もホテルも充実している。となれば、旅の目的地としても満足度が高い。

そんな流れで今回は、中国のふたつの大都市、上海と泉州をご紹介。上海はともかく、泉州は“謎”ですって? 実は筆者も何も知らずに行ったら、食べ歩き天国。上海と合わせて来年再訪希望です。

8月末、7年ぶりの中国。結論としては、「美味しい」「楽しい」「面白い」が怒涛のごとく連続する旅となりました。

日中関係、今は色々ありますが、意外にも訪中時はびっくりするほど歓迎されました。現地で「どうしたら日本人旅行者が来るのか?」と真正面から聞かれたんです。市民はいたってマイペースに平常運転。でも、多くの日本人にとって、いまは旅先の選択肢に入っていない国かもしれません。それでも現地で魅力を知ると、両国の関係がよくなることを願ってやみません。

では、希望ある未来に思いを込めて、最初に3泊した上海からお伝えします。
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「茶に救われる」を体感したランチ

羽田空港から上海までは約3時間のフライト。改めて近さを実感し、空港から直行したのは「Fu He Hui」というレストランでした。そこを予約したのは、「The World's Best Restaurant」の中国副議長Yang Guangさんが薦めてくれたから。

「短期間でひとりなら、Fu He HuiとLing Longが合っていると思う。どちらもひとりや少人数に向いているよ。大人数ならMeet the Bundもおすすめ」とYangさん。

優しい味わいのベジタリアンレストランのようだったので、最初に「Fu He Hui」へ。渡航時は、締め切りに追われ疲労困憊。それが席について早速提供されたお茶を飲んだ瞬間、肩こりが軽くなるようなリフレッシュ感を得たのでした。「一杯目は景気づけにシャンパンでも飲むか」と思っていたのが大間違い。
各茶器にも注目。@fuhehui
▲ 各茶器にも注目。@fuhehui
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身体に染み渡ったのは、文旦の花粉で香りをつけた清香(チンシャン)烏龍茶。胡麻ピーナッツソースで和えた茄子の海藻巻きと合わせるためのお茶でした。サクッと崩れる海藻から漂う香りと茶葉の風合いが馴染み、海と山の恵みを一度に体感。アペタイザーから芸が細かく、きちんと美味しく、「来てよかった」と既に思います。

そんな幕開けのコース(約2万円〜)は、野菜の美味しさに合わせたティーペアリングが醍醐味。ここのティーソムリエのユエランさんが天才なのです。お茶に他の食材や花を合わせるセンスが抜群。

特に驚いたのは、「次はマジカルティーです」と言われて提供されたブレンド茶でした。その名に「はて?」と思いますが、飲めば本当に魔法のような飲み心地。熟成プーアル茶にサトウキビやココナッツ、くわい、クローブを合わせたもので、お茶の姿ながらガストロノミック。

広東・番禺の蒸し蓮根から着想を得た一品のあとにマジカルティーを飲めば、蓮根や蓮の実の香りがぶわっと湧き上がり、鼻腔を抜けていく。今年、最も記憶に残るペアリングのひとつとなりました。
▲ 蓮の実の下に潜むもち米もいい仕事をしています。
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野菜料理のコースといえど、充足感は満点。上海出身のシェフ、トニーさんは30年以上ベジタリアン料理を作るその道の巨匠です。

10種以上の野菜を梅とラズベリーのソースで和えた前菜や、澄んだ黄金色が美しいヘチマとからし菜のスープなど、なんと滋味深いことか。野菜だけでミシュラン2つ星を獲り続ける実力に唸ります。なお、繊細な香りを味わうレストランでもあるので、ぜひ鼻のコンディションがいい時に訪問ください。
青マンゴーや熱帯野菜のヒカマなど10種以上の野菜を端正な千切りにした前菜。
▲ 青マンゴーや熱帯野菜のヒカマなど10種以上の野菜を端正な千切りにした前菜。
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包丁使いも美しい、ヘチマとからし菜のスープ。
▲ 包丁使いも美しい、ヘチマとからし菜のスープ。
米の香りがよく立つ腸粉。
▲ 米の香りがよく立つ腸粉。
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安定のヒルトンだから、忙しない街でもよく眠れる

客室から見える道路の夜景も魅力。
▲ 客室から見える道路の夜景も魅力。
今回、上海遊びの拠点となったのは、「ヒルトン上海シティセンター」。元は2010年に「ホテル ニッコー 上海」として開業した場所で、2024年に改装を経てヒルトンに生まれ変わりました。
▲ おなじみの武康大楼までは徒歩25分ほど。
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このホテルのメリットをまとめると、「立地のよさ」「箱のダイナミックさ」「良心価格」。今回行ったレストランやカフェまでタクシーで5〜10分で着き、バンド(外灘)までも空いていれば10分ちょっと。武康大楼がありお洒落なカフェも点在する武康路は徒歩圏内です。
▲ 大理石を贅沢に使ったロビー。
ゆとりの広さのレセプション。
▲ ゆとりの広さのレセプション。
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正直、「ヒルトン」にはビジネス需要のイメージがあったのですが、こちらは想像以上にエレガントでバカンスとしても寛げます。ロビーは天井が高く、大理石はじめ資材も立派。「自宅の応接間で親しい友人を迎える空気感を意識しているんですよ」と広報さんが話していましたが、ならば大邸宅です。
「デラックスルーム(キングベッド)」はベッドサイドの大きな鏡もポイント。
▲ 「デラックスルーム(キングベッド)」はベッドサイドの大きな鏡もポイント。
ベッドの隣に鎮座するバスタブ。仕切りはスモークをかけることも可。
▲ ベッドの隣に鎮座するバスタブ。仕切りはスモークをかけることも可。
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何パターンか見せてもらった客室の中で費用対効果が抜群と思ったのは、天井の高い25階の「デラックスルーム(キングベッド)」(40〜45㎡)。バスルームとの仕切りがスケルトンなので解放感があり、ベッド周りのデザインもシンプルシックで心地よい。ヘリンボーンの床に主張しないカーペットを敷くのも好きな塩梅でした。

そんな部屋のお値段が、4万1755円から。上海のように外で観るものも食べるものも多い街で、このトータルバランスはありがたい。個人的な印象として「コンラッド」に負けない質感に感じました。
クリスタルのシンギングボウルを使ったサウンドセラピー。
▲ クリスタルのシンギングボウルを使ったサウンドセラピー。
また、5つ星ホテルでも受けられる場所が限られるサウンドセラピーも用意し、ウェルネスへの高さも伺えます。賑やかな街遊びの合間に、心身をほぐすサウンドセラピーはおすすめ。経験豊富な先生が奏でる音の周波数に身をまかせているうちに、気持ちよく眠りに落ちました。
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ホテルの手配で、専門店でのお香立ての体験もできます。こちらも瞑想的効果あり。
▲ ホテルの手配で、専門店でのお香立ての体験もできます。こちらも瞑想的効果あり。
ちなみに、ヒルトンは中華圏に888件以上ものホテルを展開。大国と大企業のかけ合わせでもの凄い数です。公式サイト上の地図を見るとかなり山奥まで網羅し、特に秘境のような場所でヒルトンがあったら安心感を抱くはず。なぜなら、ベッドもバスルームもグローバルスタンダードで整えられ、謎のホテルで起こりうるストレスを回避できるから。完全アウェイに行く時ほど、心強いです。
四川省北部の山間には「ヒルトン・ガーデン・イン九寨溝」を展開。こんな場所にまで!
▲ 四川省北部の山間には「ヒルトン・ガーデン・イン九寨溝」を展開。こんな場所にまで!
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現在、ヒルトンに属するブランドは25に及び、実は小規模独立系ホテルを集めたSLH(Small Luxury Hotels
of the World)ともパートナーシップを組んでいます。SLH、よく利用するのですが、ヒルトンの公式サイトの方がSLHの公式サイトよりも断然見やすい。特に位置関係が明確で、なぜ今までこちらで見なかったのか? そんなところにも、企業の長い経験と技術が効いているなと思いました。

「ヒルトン上海シティセンター」ツインゲストルーム

料金/1泊約3万2000円〜
HP/https://www.hilton.com/ja

上海は艶っぽいレストランの宝庫

「三号黄浦会 Canton Table」
▲ 「三号黄浦会 Canton Table」
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さて、久しぶりの中国で感じたのは、『LEON』や『東京カレンダー』っぽさのある街だなということ。つまり、デートに最適な艶っぽい店が溢れているのです。

分かりやすいのが「三号黄浦会 Canton Table」。ネオ・クラシックな名建築が1.5kmに渡って並ぶバンド(外灘)にあり、店が入るビルも1916年に建てられた歴史建造物です。2019年に改築してから美食ビルとして富裕層を集め、「ジャン ジョルジュ 上海」も入居。

「Canton Table 三号黄浦会」はチャイナドレス姿の女性などを描いた壁画が旧上海のノスタルジックさを漂わせる広東料理店です。ここは広東式ローストチキンが絶品。パリっとした皮とジューシーな身が表裏一体で、塩加減も絶妙でした。
19世紀後半に外国租界が置かれたバンド。アールデコからバロック、ビクトリアンまで、当時の各国の建築様式が並びます。
▲ 19世紀後半に外国租界が置かれたバンド。アールデコからバロック、ビクトリアンまで、当時の各国の建築様式が並びます。
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企業広告が入った日にのみ、窓の外にドローンショーが出現。
▲ 企業広告が入った日にのみ、窓の外にドローンショーが出現。
高温を駆使し、皮を紙のように薄く仕上げたローストチキン。
▲ 高温を駆使し、皮を紙のように薄く仕上げたローストチキン。
続いてバンドの向こう岸に2024年に開業した「三月・醉淮揚(陸家嘴店)」。バンドの絶景はもちろん、淮揚(わいよう)料理の繊細な味つけに魅了されました。
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右・緻密な包丁使いで豆腐を丹念な細切りに。左・角の個室はバルコニーに囲まれ、客船のような眺め。
▲ 右・緻密な包丁使いで豆腐を丹念な細切りに。左・角の個室はバルコニーに囲まれ、客船のような眺め。
淮揚料理とは中国四大料理のひとつで、江蘇省の淮安や揚州を中心に発展。精密な包丁技術や、淡麗で上品な味わいが特徴です。豆腐料理、川魚のスープ、マコモダケのスープなど、淡い色合いの料理が本当に美味しいお店でした。
「云南徳宏 Dehome Coffee」の胶州路店。
▲ 「云南徳宏 Dehome Coffee」の胶州路店。
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代わってカフェで注目は、雲南コーヒーが飲める店。雲南省で生産されるコーヒーは、近年、世界のスペシャルティコーヒー市場で急速に存在感を高めています。標高の高い山岳地帯が広がる雲南は良質なアラビカ豆の産地として知られ、上海には雲南コーヒーに特化したカフェが存在。それが、「云南徳宏 Dehome Coffee」と「特写南站」。どちらもお洒落な店内でカップのセンスもよい。

いずれも、その日の豆のハンドドリップ(中国語で手冲)は1杯900円ほど。豆の販売もあるので、コーヒー好きへのお土産にも重宝します。
「云南徳宏 Dehome Coffee」では注文したコーヒーの粉が小さなカップでプレゼンされます。
▲ 「云南徳宏 Dehome Coffee」では注文したコーヒーの粉が小さなカップでプレゼンされます。
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「特写南站」は奥路地の建物上階という隠れ家感もよき。
▲ 「特写南站」は奥路地の建物上階という隠れ家感もよき。
「特写南站」の店内には雲南コーヒーの資料も展示。
▲ 「特写南站」の店内には雲南コーヒーの資料も展示。
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バーは前述のYang さんから下記のおすすめリストが。

・ Speak Low
・ Sober Company
・ Pennicilin
・ COA
・ Pony Up
・ Epic
・ Asian FlushBar Bud


時間的に一軒しか行けず、結果、2023年末に開業した「Pony Up」へ。競馬がモチーフのバーで各国都市の競走馬に見立てたカクテルメニューを用意します。遊び心があってスタッフさんもフレンドリー。ちなみに「Speak Low」は世界的に知られる日本人バーテンダー・後閑信吾さんが代表を務めるSG Groupの1号店として2014年に開業。今回、再訪は叶わなかったですが、アジアのバーを牽引する存在として健在です。バーシーンも熱い上海、次回はホッピングしたいものです。
昼からオープンするバーなので休憩がてら立ち寄るにも便利。
▲ 昼からオープンするバーなので休憩がてら立ち寄るにも便利。
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上海をテーマにした右のMARYを注文。カクテルは1200〜2000円。
▲ 上海をテーマにした右のMARYを注文。カクテルは1200〜2000円。

ウォルドーフ・アストリアに行けば、間違いない

アジア初の「ウォルドーフ・アストリア」として2011年に開業(中央)。
▲ アジア初の「ウォルドーフ・アストリア」として2011年に開業(中央)。
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ウォルドーフ・アストリア上海オン・ザ・バンド」にもデートに最適な店が揃います。そもそも、NY発の「ウォルドーフ・アストリア」というクラシックな華やかさを放つブランドが、バンドの情緒と非常に合う。2棟あるうちの1棟は、元は英国紳士の社交場「上海クラブ」でした。1911年に建てられた純白のネオ・クラシック様式の建物は、“白い宝石(White Palace)”と呼ばれる麗しさがあります。

Salon de Ville(サロン・ド・ヴィル)」でのアフタヌーンティーもよし、かつて「東洋最長」と言われた34mのカウンターを継承する「Long Bar(ロングバー)」でアペするもよし。
旧上海の優雅さが漂う「Salon de Ville」。
▲ 旧上海の優雅さが漂う「Salon de Ville」。
やはり中国茶が豊富なアフタヌーンティー。2名約1万1000円。
▲ やはり中国茶が豊富なアフタヌーンティー。2名約1万1000円。
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ホテルの象徴となる「Long Bar」。
▲ ホテルの象徴となる「Long Bar」。
そして、トドメ的な存在となるレストランが「Ling Long(リン・ロング)」です。こちらはYangさんが推薦したレストランの2軒目。シェフは台湾出身のジェイソン・リウさんで、若き気鋭として国際的にも注目されています。上海に「Ling Long」を開業したのは2023年3月ですが、1年半後には早々とミシュラン1つ星を獲得。結論を言うと、「2つ星?」と感じるほど、空間にも料理にも箔がありました。
台北のフレンチ「Paris1930」やイタリアン「Bellini」で研鑽を積んだジェイソンさん。
▲ 台北のフレンチ「Paris1930」やイタリアン「Bellini」で研鑽を積んだジェイソンさん。
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ジェイソンさんは、10歳の時に姉に料理を振る舞い、その際の姉の笑顔をきっかけにシェフを志し、14歳で修業を開始。ちなみに画家にも憧れていたとのことで、いまもアートへの興味が深い。店内は中国のさまざまなアーティストの作品が集結するギャラリー的な一面ももちます。

入口ではアンティークの翡翠の仏像に球体をすっぽり被せた作品がお出迎え。「ありなんだ」と思わせる意外な仏像の先には、屏風に昔の上海を描いた作品が広がります。
頭の球体は“空”を表すとか。
▲ 頭の球体は“空”を表すとか。
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天井のライトもアートワークのひとつ。
▲ 天井のライトもアートワークのひとつ。
同店で驚いたのが、客層の華やかさ。中国のお洒落なカップルや外国人旅行者が集い、誕生日を祝う席も。ワインは相当高額ですが、軽やかに抜栓する余裕が漂っていました。富裕層の日常、普通の大人の勝負レストラン。
タイルフィッシュの貴州酸湯仕立て。
▲ タイルフィッシュの貴州酸湯仕立て。
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煌びやかさがありつつ、日本人のひとり客でも置いてけぼりにならなかったのは、料理に堅実さがあったから。特に魚料理とスープの美味しさで信頼が高まりました。松笠焼きの美しい火入れを見れば、少しは伝わるかと。提供時には断面が虹色を帯び、鮮度のよさも表れていました。
7年前から作る名物のチキンスープ。
▲ 7年前から作る名物のチキンスープ。
日本人にありがたいのが、汁の美味しさ。スペシャリテのひとつがチキンスープで、これがただものではない。肥育3年の鶏を180日間ドライエイジングして半発酵状態にし、旨味と脂をぎゅっと凝縮させてから出汁をとっているのです。そこに福建省漳州産の海藻を合わせ、海と陸の滋味が広がる一杯に。黄金色通りのリッチな味わいでした。
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ガストロノミックな見た目の一品も、食べれば直球の美味しさ。
▲ ガストロノミックな見た目の一品も、食べれば直球の美味しさ。
豆鼓醤でマリネしたロブスターには紹興酒ベースの黄色いゼリーが被せられ、このゼリーが単体でも食べられるほど完成度が高い。全般、細部まで味のボリュームがしっかりしています。
優しい火でじっくりと煮込んだ鰻。
▲ 優しい火でじっくりと煮込んだ鰻。
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事前に見たメニューで気になっていたのが、鰻。「大味な鰻がきたらどうしよう」と懸念していたら、確かに見た目は巨大鰻。それが鰻の下に栗と燻されたきのこが潜み、鰻の骨からとったソースまで研ぎ澄まされていた。鰻と栗の組み合わせなんてお洒落。さらに合わせるワインは北ローヌの日本人醸造家が造るグルナッシュ100%ときます。いやはや、洗練された鰻料理で、懸念は知らぬものばかり。
白豆やライチのアイスクリーム。
▲ 白豆やライチのアイスクリーム。
メインのデザートのあとに出たのは、4種のひと口アイスクリーム。スプーンが4つ綺麗に並べられ、細やかなホスピタリティに酔いしれます。
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がま口に入った小銭を箱に入れるとオルゴールがスタート。
▲ がま口に入った小銭を箱に入れるとオルゴールがスタート。
プティフールは雑貨屋を模したオルゴールとともに登場。これはシェフの子供時代の思い出を表したもので、懐かしいメロディが流れます。

ディナーコース(約4万1000円〜)はめくるめく流れで、「大地」「伝承」「鮮味」「懐古」の4部構成で完結。着想は映画から生まれたとジェイソンさんは話します。

「映画監督の友人から“アベンジャーズは商業映画の傑作”と聞いたので観たら、非常に刺激を受けました。料理のコースも、冒頭・中盤・終盤の流れを考え、異なる明確なキャラクターがいるようにしたいと思いました。その結果、皆さんがワクワクしたり、嬉しくなったり、感情に変化が起こることが理想。そしてアベンジャーズのように、クリエイティブでありながら商業的にも成立させたいのです」
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上海万博の跡地が、いまジャングルに!?

オーストリアのDelugan Meissl Associated Architectsが設計。
▲ オーストリアのDelugan Meissl Associated Architectsが設計。
最後に「Expo Cultural Park Greenhouse」をご紹介。そこは、2010年上海万博跡地内にある巨大植物園。当時、旧工業施設の鉄骨構造を活かし造った再生建築が、2024年9月、アジア最大級の温室へと生まれ変わって開業したのです。

熱帯雨林・砂漠・垂直庭園の3つの生態ゾーンを巡る体験型施設で、世界の異なる気候帯の植物を観察できます。上海にいることを忘れてしまう環境でありながら、ダイナミックさは中国らしい。ビル群を離れてマイナスイオンを感じるためにも、ぜひ訪れてみては?
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緻密に設計された歩行ルートが飽きさせません。
▲ 緻密に設計された歩行ルートが飽きさせません。
以上が、3泊4日で体験した上海のおすすめスポット。やっぱりまだまだエネルギッシュな上海は、大人の好奇心を刺激する街でした。なお、中国入国に関して、一般旅券保持者のビザ免除措置は2026年末まで延長されています。

次回は世界でも稀な環境を揃える、上海のエアポートホテルをご紹介します。
大石智子(ライター)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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