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2021.03.14

東京でもっともヒップな居酒屋「ゑすじ郎」とは何か

世界のベストバーに選ばれる「The SG Club」(東京・渋谷)がカクテル居酒屋をオープン。少々入りにくいけど、トビラをあければ、そこは想像をはるかに超えるクオリティのカクテルと酒肴に出会える異次元IZAKAYAなのでした。

CREDIT :

文/秋山 都  写真/菅野祐二

その昔、渋谷のファイヤーストリートに「モボ・モガ」というカフェがあったことを憶えていますか? カフェバーブームのさなかに、ボリュームたっぷりのおいしい食事ができるカフェとして、ショッピングの後に、クラブに遊びに行く前に、渋谷をベースに遊ぶひとたちの間で人気のスポットでした。

その「モボ・モガ」のあった場所に面白い居酒屋さんが出来たんだって、と聞き、さっそく行ってみることにしました。看板はないので、ほんとにここかしら、と少々不安に思いながらドアを開けてみますと・・・・・。
オープン直後でまだすいていた店内。青い壁にドラゴンのペインティング。ちょっとやんちゃな雰囲気でかっこいい。NYのイーストヴィレッジにインスパイアされたデザインだそうですが、カウンターにはクールにカクテルをすする男性がひとり……。
……こちらは、世界No.1 バーテンダー後閑信吾さんではありませんか!
後閑さんのバー「The SG Club」についてはLEON.JPでも折に触れてご紹介しており、つい先日は我らが石井洋編集長ともインスタライブしていただいたばかり。

◆「ゑす次郎」って、つまりSG LOW⁉

「ここはぼくたち『The SG Club』が経営するカクテル居酒屋『ゑすじ郎』なんですよ。ぼくたちの拠点は昔もいまもバーであることは変わりませんが、『バーって少し敷居が高くて入りにくい』とおっしゃる方もまだいらっしゃる。であるならば、居酒屋をつくることでバーの領域を拡張、ツイストしてみようと。メニューも、ポテトサラダやからあげ、パスタなど居酒屋メニューなんです。え、味も居酒屋か? そこはまず召し上がってみてください(笑)」

「ゑすじ郎」って不思議な店名だと思っていましたが、つまり「SG LOW」(*)ってことなんですね⁉ 地理的にも「The SG Club」の前の坂道を下っていけば着く、つまりSGの下(LOW)ですしね(笑)と、後閑さんのお話を聞いているところへ、お通しが運ばれてきました。

(*)

SG=The SG ClubのSG
Low =The SG Clubが運営するバー「Speak Low」(中国・上海)より。アメリカ禁酒法時代の隠れ酒場の呼称「Speak Low」に由来している。

▲ お通しはマティーニ
なんと、お通しがドライマティーニでした(笑)。
しかもこれは「The SG Club」がオリジナルで作っているマティーニ・グラスです。このステム(脚)が短いグラスは、上の後閑さんの写真のように持つのですね。

「グラスの長い脚の部分を持つと少しフェミニンな印象ですよね。ボウルの部分を抱きかかえるように持っていただけるとかっこいいと思って」

なるほど。
ちょっと日本酒を飲む盃のようでもあり、洒落ています。
ではこの「お通し」をキュっと飲んで、何をオーダーするか検討するといたしましょう。
PAGE 2
どれどれ……とメニューを眺めてみれば、レモンサワーだけで14種類もありました。

・普通のレモンサワー
・自然派レモンサワー
はなんとなく想像がつくとして、

・サウナーズレモンサワー
・四川檸檬沙瓦
・ゲイシャでレモンサワー
・ペルー風レモンサワー
とはなんでしょう? ゲイシャってことはゲイシャコーヒーなのか⁉

何から飲めばよいのかわからないので、まずはおすすめのドリンクをおつまみと共に選んでいただきました。
▲ インスタ映えしそうな「ラーメンポテトサラダ」800円と「本気のレモンサワー」900円
「ラーメンポテトサラダ」と「本気のレモンサワー」

チャーシューにメンマ、海苔……とトッピングはまるっきりラーメンのようなのですが、麺の代わりにポテトサラダが配されている「ラーメンポテトサラダ」。食べるとしっかりラーメン味で、「映え」だけではなく、クオリティの追及にも余念がありません。お供は「The SG Shochu」の米焼酎をベースに、自家製レモンコーディアルを使用した「本気のレモンサワー」。後閑さんいわく、世界でいちばん手間がかかっているレモンサワーです。
▲ 「ブルーチーズフライ」600円と「カルピスサワー、カルピス抜き」800円
「ブルーチーズフライ」と「カルピスサワー、カルピス抜き」

居酒屋で揚げ物は欠かせないよね~と、お次は揚げ物。ブルーチーズをさっくりと軽く揚げ、都内高級レストランにも卸しているOme Farmのオーガニックハチミツを添えています。お供は「カルピスサワー、カルピス抜き」。え、どういうこと? と思いますよね。

実際に飲んでみますと、ものすごくおいしくて後味のよいカルピスサワー。でもカルピスは本当に入っていないんです。じゃあ何? と思うでしょ? ここではネタバレしませんので、ぜひご自分で確かめてみてください。
PAGE 3
▲ 「イベリコ納豆餅」500円とナチュールワイン(グラスで800円~)
「イベリコ納豆餅」とナチュールワイン

箸休め的なひと皿は「イベリコ納豆餅」。3年熟成のハモンイベリコで餅を巻き、上には納豆バターをたっぷりと。これ、納豆がお好きであればやみつきになる味です。かつて、SG AIRWAYS(The SG Clubで不定期開催されているカクテルと料理のペアリングイベント)でいただいた味が、ここ「ゑすじ郎」でも味わえるのはうれしい。

▲ 雲丹とボーンマロ―の混ぜ麺2200円と日本酒(グラスで800円~)
「雲丹とボーンマロ―の混ぜ麺」と日本酒

〆は麺。ただし、ボーンマロー(骨髄)がドドンと付いてくるユニークなメニューです。
▲ ボーンマロ―(骨髄)はスプーンでこそげて麺にトッピング
これは後閑さんが「欧米ではよく食べられているボーンマロ―を日本でも楽しみたい」と作ったメニュー。雲丹と骨髄の旨味が口中で濃厚に香ります。キレのよい日本酒とよく合いました。
PAGE 4
さて、最後にもう一杯だけ飲もうかな……というときにやってきたのがこちら。
「波動拳ニコラシカ」です。
ニコラシカとは、砂糖を山盛りにしたレモンスライスをひと口でほおばり、口の中が甘味と酸味で一杯になったところにブランデーを一気に流し込んで、口中でカクテルを完成させるというカクテル。お酒の弱い方は飲まないほうがいいタイプのものですね。

でも、これは普通のニコラシカではなく「波動拳ニコラシカ」。
なんと、オレオとキムチをほおばって、ひと噛み、ふた噛み……頭の中が「ムムム??」となったときにすかさず「The SG Shochu」の芋焼酎を流し込むという、離れ技なのでした。「ストリートファイター」はやったことないけど、たしかに今までのカクテルの概念といったものは一気に吹き飛ぶような、まさに「波動拳」な一杯でした。

さて、この「ゑすじ郎」。2月10日にオープンしたばかりですが、「モボ・モガ」の時代から渋谷で遊んでいたような大人はもちろん、ファッショナブルなミレニアル世代まで幅広い人たちに支持されています。このコロナ禍にあっても、渋谷に新しい遊び場ができたことがうれしい。応援したいお店です。

ゑすじ郎

住所/東京都渋谷区神南1-9-4 NCビル2階
予約・問い合わせ/03₋6416₋0608 https://yoyaku.toreta.in/sglow/#/
営業時間/16時~20時
定休/無休
*緊急事態宣言解除後の営業時間についてはお問合せください。

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