2025.05.31
スタイリスト:吉野 誠
装いを洒脱に魅せるワザあり時計術
時計は単なるステイタスアイテムにあらず。装いにしっかり生かしてこそ、お洒落上手と言えるのです。時計を使ったスタイルアップ術とは一体どういうものかを、着こなしのプロが実際のコーディネートを交えてレクチャーします。
BY :
- 文/長谷川 剛
- CREDIT :
写真/鈴木泰之(Studio Log) 編集/長谷川 剛(Table Rock Script)
ちょいクセ時計で重みを加えた極薄コートの着こなし

日々のスタイルアップに生かしてこそ、お洒落オヤジと胸を張れるのです。そこで今回はスタイル作りの達人が、どのように着こなしに時計を生かしているかをご紹介します。


同じくライトグレーのポロニットとグレースラックスを合わせた着こなしは、クリーンでありながら“軽見え”しすぎない存在感を備えたコーディネートです。
「このコートはMUJI Laboのもの。少しレディス風の色合いですが、それだけに優しい印象が打ち出せます。ペラリなコートの良いところは軽快であるのはもちろん、ロング丈ゆえの存在感があるところ。
暑苦しくない薄着スタイルでありながら、素っ気なく見せないのが特徴です。ポイントはやや大きめサイズを選ぶこと。バサッと羽織ることで存在感も高まりますし、風が吹いたときに広がってイイ感じのシルエットになるんです(笑)」


黒文字盤やコブラ針などミリタリー風の個性を持ちながら、ヴィンテージではなく現代の機能を搭載しているので、日常的に使いやすいところがお気に入り。大きめのケースも相まって、春夏の軽快スタイルの重し役と言うか、アクセント小物としてちょうど良いモデルだと思っています」
ストライプのNATOバンドという組み合わせも気軽な感じであり、春〜初夏のスタイルにマッチしているように見えます。

この着こなしに関しては、ウエア類がグレー系のワントーンなので、どこかに引き締め要素がないとフワフワしてしまいます。黒色時計を挿し色アイテムとして取り入れることで、シックな落ち着き感が生まれます。また腕元だけが浮かないように、眼鏡もブラックに揃えてバランスを取っています」
そしてせっかくなので、達人スタイリストがこの春夏のために用意した、もうひとつの時計スタイルを紹介していただきました。
青✕白スタイルに洒脱な変化を加えるイエロー時計の妙

「みなさんご存知のApple Watchです(笑)。やっぱり何かと便利ですから。メールやメッセージを含め、多くの方々とやり取りをしながら仕事をこなす僕にとって、この時計は非常に有効です。
とはいえ、お洒落もモチロン大事(笑)。ビビッドなイエローのレザーストラップはエルメスのもの。手首への馴染みが抜群であるのは当然ながら、発色も素晴らしいので、着こなしのアクセント役として最適なんです」

「ブルーを軸にホワイトでまとめた装いは、極めてクリーンなイメージです。そこにアイキャッチとなる鮮やかなカラーアイテムを取り入れることで、着こなしに幅が出るのです」

どちらかというとアバンギャルドなジャケットがメインです。そういった着こなしに合わせる場合は、ハイテク系のApple Watchが収まりイイかなと思い取り入れました」


● 吉野 誠 (スタイリスト)
1977年、千葉県生まれ。雑誌LEONをはじめ複数のメンズファッション誌やゴルフ誌、それに広告ビジュアルのスタイリングで活躍。ドレスやモード、それにカジュアルスタイルを取り混ぜた大人のスタイリング・テクは、業界でも評判。仲間とともに、ゴルフ系のアパレルブランド「ノンプロフェッショナルゴルフクラブ」設立に携わる。