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2021.08.09

山田孝之、ジローラモ、女性装の東大教授……。カッコいい大人たちの名言集[傑作選]

先の見えない混沌とした現代にあっても、覚悟をもって社会と対峙しているカッコいい大人を編集部の目でピックアップしてご紹介してきた特集「大人の“カッコいい”を取り戻せ」。現在、第3シリーズまで公開中ですが、過去の記事から注目のインタビューをご紹介します。

■山田孝之/俳優

「常に明日死ぬかもしれないと思う。だから今、できることをやる」

── これまでお話を伺ってきて、山田さんはやるべきことを躊躇なくやられてきたという印象です。なかなかできないことだと思います。

山田 僕がやっていることを“挑戦”というなら、なぜ皆が挑戦できないかっていうと、失敗が怖いからですよね。でも、失敗も成功もすべて他者からの評価でしかないし、自分の中では失敗ではなくて、経験や学びなんです。やらなかったら得られないものだから、やったほうがいいですよね。どれだけマイナスからのスタートでも、経験を積み重ねていけば確実に成功に近づいていくと思います。

── とてもポジティブですね。

山田 ポジティブじゃないと死んじゃうんです(笑)。進めなくなっちゃいます。皆、人からの評価でネガティブになって動けなくなったり、動いたけど後悔したりするじゃないですか。でも、動いたんだから後悔しても仕方がないですよね。それより、どう良くしていくかってことを考える方がいいなって思いますね。

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■パンツェッタ・ジローラモ/「LEON」カバーモデル

お茶目さと心の余裕が“大人のカッコ良さ”

── 今回は「カッコいい大人」についてインタビューしたいと思います。まず、イタリア語で「カッコいい」を表現するにはどんな単語がぴったりなのでしょうか?

ジローラモ “Affascinante(アファシナンテ)”かな。英語の“クール”とは少し違ったニュアンスで “魅力的”という意味のほうが近いですね。年を取ることによって出てくるチャーミングさ、魅力、そういうものを含んだカッコ良さです。あと、ミラノの方言では“GAGA(ガガ)”なんて言い方もありますね。「あなたはGAGAですね!」みたいな感じで使います。

── 見た目だけじゃなく、カッコ良さには「中身」も影響するということですね。

ジローラモ 人生で経験してきたことが、その人の顔や所作、ファッションににじみ出てくるという考え方ですね。だからイタリアでは「大人のカッコ良さ」を自然と身につけている人が多いのかもしれません。あとは「俺はまだイケてるぞ。まだまだカッコいいぞ!」と思っている人も多い。そういった自信がカッコ良さにつながっているのかもしれません。女の人も同じで、イタリア人は年をとっても「私は美人」と思っているから、みんな妙に色気があるんですよ。

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■安冨 歩/東大教授

気鋭の東大教授が語る「馬」と「女性装」と「カッコいい大人」とは?

── 安冨さんご自身も、子供の頃から抑圧され、つらさを感じて生きてきたと仰っていますが、そのまま大人になってからは、どのような生き方だったのですか。

安冨 忙しくしていた30代、私は猛烈な仕事人間でした。大学にいて、もちろん研究自体が面白かったんですが、純粋に研究を楽しむというより、人々を唸らせて、いいポストに着くという野望の方が強かったのです。

── ご自身でもそういう出世欲のような気持ちを持っていたわけですか。

安冨 もちろん、そういう気持ちは凄く強かったですよ。そうじゃないと東大の教授になんかなれない(笑)。ただ、留学先のイギリスや、帰国してから勤めた大学でも、単なる権力構造や露骨な暴力、搾取が横行していることに気づき、本当に嫌になった。その構造の中に自分も住んでいるんだということを自覚して、どうにか抜け出したいと思ったんです。

その頃は結婚生活もうまくいかず、離婚したいと思い、悩みに悩んで、その中で、自分にもたらされていた母親や配偶者からのハラスメントにも気づきました。配偶者も親も、私の特質的な部分、肩書や学者としての才能といった、彼女たちにとって都合の良い部分だけを好み、私の全人格を否定しました。その頃は欠点を徹底的に攻撃される日々で、精神、肉体共に耐えがたい状態が続いていたんです。そこから研究を始め、ハラスメントについて理解しようとし始めたのが一つの転機だったと思います。

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■ 会田 誠/現代美術家

「色気のない僕は本当の自堕落と破滅を選ぶことができない」

── ご自身の作品が度々問題視されることについてはどう感じていますか。

会田 僕の作品は特にネットで色々悪口を言われたりしていますが、僕自身は一応まだお縄にかかっていません(笑)。森美術館の個展「天才でごめんなさい」の作品について、市民団体からクレームが入った件も、僕ではなく森美術館に向けられたものだったし、京都造形芸術大学での講義に対して起きた訴訟も僕自身が訴えられたわけではないです。

現代美術において、具体的な被害者が生まれる表現というのは確かにあります。あるいはちょっと前の中国では、堕胎した赤ん坊をみんなで食べるといった人間失格の限界に挑むような現代美術のムーブメントがあったりしました。でも、僕はそういうアーティストとはタイプが違います。過激そうでいて、あくまでも絵空事の中だけでやってます。どちらが良いとか悪いとか言いたいわけではなく、事実としてそうなんです。

僕は、両親も親戚も全員教員という環境で育ちました。これは僕の自己嫌悪ゆえの少し歪んだ認識だと思いますが、僕のような家庭で育った人間はどうも色気がないという持論があって。安定した家で育った色気のない僕は、本当の自堕落と破滅とか、ラディカルな人生を選ぶことができないんです。そういう本当はおっとりした性質は、良かれ悪しかれ僕の作品から滲み出ていると思います。

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「大人のカッコいいを取り戻せ」
過去の特集はこちらから! 第1シリーズ第2シリーズ第3シリーズ

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