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2025.12.09

Dream Amiインタビュー。「逃げていたら何の成長もない。今は嫌だと思うことこそやらなきゃと思う」

大ヒット公開中のディズニー・アニメーション最新作『ズートピア2』で前作に次いでガゼル役を務めるアーティストのDream Amiさん。ソロ活動を始めて10年という節目に、これまでの仕事と人生を振り返っていただきました。

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文/渡邉朋子 写真/トヨダリョウ 編集/森本 泉(Web LEON)

Dream Ami   LEON  ズートピア2
世界中で大ヒット公開中のディズニー・アニメーション『ズートピア2』で前作に次いで皆が憧れるポップスターのガゼル役を務めるアーティストのDream Amiさん。DreamやE-girlsでの活躍を経て、ソロ活動を始めて10年という節目に、これまでの仕事と人生を振り返っていただきました。
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育児で時間の制限ができたからこそ、改めてこの仕事が好きだと感じた

── 2025年はソロデビュー10周年という節目の年でしたが、Dream Amiさんにとってはどんな10年でしたか?

Dream Amiさん(以下、Ami) 本当にあっという間で、あまり記憶がないんです(笑)。E-girlsを卒業してDreamとしての活動も一旦終了して、ソロ活動に専念するようになったのですが、私はデビューからずっとグループで活動をしてきたので、ひとりでステージに立ってライブを進めていくのも、最近やっと自分だったらできるかもと思えるようになってきたくらいで(笑)。

それまでは、あぁ、メンバーがほしい、メンバーがほしいってずっと思っていました。時間はかかりましたが、ソロとしての覚悟ができた10年でもあるし、プライベートでも生活のフェーズが変わっていったりと、本当にこの10年で自分の人生の方向がガラッと変わった気がします。

── 2025年はソロライブツアーもありましたが、そこではどんなことを感じましたか?

Ami ソロのライブツアーは8年ぶりだったんです。アーティスト活動をやっていく上で、ライブをやりたいというのはずっと願い続けていることなので、ツアーができることはすごくうれしいことではありました。でも、一旦オフになっていたスイッチを入れ直すという意味ではすごく勇気のいることでもあって、本当にできるのか? という不安はずっとありました。だけど、ここを乗り越えたら新しい自分にも出会えるだろうし、不安があるからこそチャレンジする意味があると思っていたので、今となってはあの時に勇気を出してよかったなと思います。
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── Amiさんは音楽活動を軸にしながらも、ご自身のブランド「Vintry」のプロデュースなど、幅広く活動している印象があります。

Ami 全部に責任を持ってやってはいるのですが、分野によっては自分はまだわからないことばかりなんです。ですので失敗しながらでも進もうと思える部分もありつつ、ここは絶対失敗しちゃいけないし、ちゃんと自分で決めないといけないということもあって。その都度、自分の中でいろんな顔を使い分けている気がします。でも、そういうことが自分の人生を豊かにしてくれるとも思うので、いろんなことをやらせていただける今の環境は本当に幸せだなと思います。

── Amiさんにとってこの10年は結婚や出産などプライベートでも大きな変化があったと思いますが、それによって仕事のスタンスも変わってきましたか?

Ami 今までは、自分さえ頑張れば早朝から深夜まで動けたし、仕事のための準備もいろいろできたのですが、今は子育てなどもあり物理的に動ける時間が限られてくるので、パズルのようにより効率的にスケジュールを立てていかなきゃいけないというのは変わってきたところですね(笑)。でも制限ができたからこそ、やっぱり私はこの仕事が好きなんだなとすごく感じるし、仕事をしている自分も好きだし、もっとやりたいという気持ちも芽生えたので、これこそが自分らしさなのかもと改めて思うようになりました。
── アーティストとしてプロフェッショナルな印象も強い反面、ご自身のYouTubeチャンネル「AMILOG」では素の部分が見えて新鮮な感じがします。自ら発信できるYouTubeというのはAmiさんにとってどういう場所ですか?

Ami YouTubeは、コロナ禍で仕事がしたくてもなかなか機会がないという状況の中、世の中の人に忘れられないためにはどうしたらいいだろうと考えた結果始めました。事務所にも頼らず、今、自分でできることってYouTubeぐらいじゃない? と思ったんです。だから自分1人でやるしかないけれど、完璧を求めすぎると何もできなくなることもわかってきたので、本当は嫌だけど、この未完成な感じがいいんだ! と自分に言い聞かせて今のスタイルに行きつきました(笑)。
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── 本当は完璧主義なAmiさんとのギャップが見られるのも魅力ですね。

Ami これも自分の見せ方のひとつとしてアリなんだなと感じました。でも仕事としてやってはいないので、本業が忙しくなると完全に更新が止まったりもします。それでも見てくれる人がいたらいいなぐらいの気持ちで無理せずマイペースにやっています(笑)。

『ズートピア』の主題歌を歌えたことがソロとしてのDream Amiの転機になった

── 現在公開中の『ズートピア2』では、前作に続き実力派ポップスターのガゼル役を演じていますが、今作でも続投という話を聞いた時はどのように思いましたか?

Ami 今回もガゼル役をやらせてもらえるというお話を聞いたのが割と最近でした。それよりずっと前に『ズートピア2』の制作が発表された段階では、まだガゼルが出るのかもわからなかったんです。今回はお声がかからないのかな、あ~残念だなと思っていたところに、オファーをいただいたので。またやらせていただけるんだとすごくうれしかったです(笑)。

── 前作から9年。楽しみにしていた方も多いですよね。

Ami 私も前作の『ズートピア』をずっと観続けてきて、今では子どもと一緒に観ています。私がガゼルを演じているのは息子にとってもうれしいことみたいで、いつも『ズートピア』の話をしてくるので、続編にも出演できたのはうれしいですね(笑)。
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── じゃあ『ズートピア2』はお子さんと一緒に劇場で見られますね。

Ami そうですね。子どもの映画館デビューは『ズートピア2』にしようと思ってます(笑)。

── 今作の収録で、前回の経験が生きていると感じた部分はありましたか?

Ami 前回は初めての声優経験ということもあり、本当にこれで合っているのかなという手探り状態の中で収録をさせてもらっていました。でもその時に色々アドバイスをいただいたことがすごく記憶に残っているので、当時のことを思い出して、心の準備をしていきました。

── 初挑戦の時は難しさも感じましたか?

Ami そうですね。ガゼルはみんなの憧れであり希望となるようなとても影響力のあるカリスマ的存在で、普段の自分とはかけ離れた部分があるので(笑)。そういう芯のあるところをセリフで表現しないといけないということで苦労した記憶がありますし、本国ではシャキーラさんがやられている役ということもあって、あのシャキーラさんに寄せられるかな……という難しさもありました(笑)。


── ディズニー映画の主題歌を担当するという経験はいかがでしたか?

Ami それはもう夢のまた夢のようなお話で、そんなことが自分の人生に起こるなんて1ミリも思っていなかったので、最初に聞いた時は本当にびっくりしたし、なかなか信じがたいお話でした(笑)。でも『ズートピア』の主題歌を歌わせていただいたことはソロとしてのDream Amiの転機にもなったような気がします。

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「私なんて……」と言っていたらもったいない。自分の人生や選択に胸を張っていたい

── お話を伺っていると、Amiさんからは常に前に進もうとする芯の強さを感じます。

Ami 私は立ち止まるのがすごく嫌いなので、常に何かをやっていたいし、常に新しい何かを探したいと思っています。新しい自分に出会って成長し続けていきたいので、仕事がなかったらじゃあ自分で何かやります! ぐらいな感じで思っていますね(笑)。

── 新しいことに挑戦する時というのはちょっとした怖さや不安を感じることもあると思うのですが、それでもAmiさんが前に進もうと思う原動力は何でしょう?

Ami 年齢を重ねれば重ねるほど、何でも自分で選択していけるようになる反面、責任も全部自分で負わなきゃいけなくなっていきますよね。そうなると一歩を踏み出すことがどんどん怖くなっていくのですが、それだときっと成長は止まるし、5年前、10年前の自分のほうが輝いていてよかったなと思いたくないという気持ちがすごくあるんです。

やっぱり前の自分より今のほうがいいと思える状況を作り続けていきたいと思うので、成長し続けていきたい気持ちが一番の原動力になっているのかなと思います。昔は嫌で逃げていたことも、今は「逃げていたら何の成長もない。その先に絶対何かがあるはず」と思うし、嫌だからこそやらなきゃいけないという思いは年々強くなってきた気がします。
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── ちなみに昔はどんなものから逃げていたんですか?

Ami 例えば演技はずっとNGで「二度とやりません」と言っていたし、ミュージカルも絶対にやらない! と本気で決めていたんです。でもある時、事務所の社長のEXILE HIROさんから「ミュージカルとかやってみたら?」と言っていただいて。たぶんそれまでだったら「いや、私ミュージカルはやらないです」で終わっていたと思うのですが、その時には、HIROさんから「やってみたら?」と言ってもらえることが、この先あるのだろうかと思ったんです。

年齢的にもキャリア的にもこの先、自分の考えでやっていかなきゃという流れになっていく中で、HIROさんが自分に何かを勧めてくれたことがすごくうれしかったし、とっても貴重なことなんじゃないかなと思ったんです。だから最初はすっごく嫌だったのですが(笑)、これはやってみなきゃいけないと直感で思ったので、「やってみます」と。

── 実際にやってみてどうでしたか?

Ami それがめちゃくちゃ楽しくて(笑)。今まで自分で自分の可能性を狭めていたんだなとすごく感じました。そこからは嫌だなと思うこともやってみたら何かが変わるかもしれないし、それで変わらなかったらもう次はやらなければいいし、1回はやってみようと思うようになったので、自分の中では結構大きな経験でした。
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── そうやって自分をどんどんアップデイトしながら素敵な大人になっているAmiさんが思う「カッコいい大人」とは、どんな人ですか?

Ami やっぱり自信を持っている人かなと思います。若い頃は経験が浅かったり、自分をちゃんと理解できていなかったりするので、自信がないとか自己肯定感が低いということがあっても全然いいと思うんです。でも大人になればなるほど「私なんて……」と言っている人はすごくもったいないなと思うし、いろんな経験をしてきたはずだからそんなこと言わないでと思うんです。

だから自分の歩んできた人生や選んできた選択に自信を持って、これでよかった、あの時があったから今の自分があるとちゃんと胸を張って言える人、まわりの目を気にせず、自分は自分というスタイルで立っている人はカッコいいと思うし、自分もそういう大人になれていたらいいなと思います。

── 10代、20代の頃のAmiさんが今のAmiさんを見たら、どう感じると思いますか?

Ami 変わってないなと思うところもあると思いますが(笑)、よく選択してきたねとは思うかもしれないですね。ソロになったことも結婚したこともそうですが、やっぱり人生の分岐点で大事な選択ってあるじゃないですか。こっちでよかったのかは最早わからないですが、その選択をする勇気を持てたことはすごいねと思ってくれるんじゃないでしょうか(笑)。
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● Dream Ami(ドリーム・アミ)

1988年5月11日、大阪府生まれ。2002年dreamに加入し、2011年からE-girlsの中心メンバーとしても活動。その後、2015年に『ドレスを脱いだシンデレラ』でソロデビュー。2016年『ズートピア』のガゼル役で声優に初挑戦。日本版の主題歌『トライ・エヴリシング』もヒットした。2017年からはソロ活動に専念し、1stアルバム『Re:Dream』を引っさげ、初のソロツアーも。2020年にはYouTubeチャンネル「AMILOG」を開設。2023年にはライフスタイルブランド「Vintry」を立ち上げた。2025年9月には8年ぶりとなるソロライブツアー「Dream Ami LIVE TOUR 2025 "Best Hit's Live" 〜Episode 0〜」を開催。2026年3月15日から上演されるミュージカル『ジキル&ハイド』では、2023年の初演に続き、ジキルの婚約者・エマ役を務める。

『ズートピア2』

日本では2016年に公開され、世界中で人気を博したディズニー・アニメーションの『ズートピア』の最新作。個性豊かなキャラクターたちがいきいきと躍動するアニメーション映像と深いメッセージが込められたストーリーに大人も魅了されること間違いなし。物語の舞台は前作同様、動物たちが人間のように暮らす楽園「ズートピア」。ウサギで初めての警察官となったジュディと、詐欺師から警察官へと転身したキツネのニックのバディも健在。ある日、哺乳類しかいないはずのズートピアに100年ぶりにヘビが出現し、ジュディとニックは早速、捜査に乗り出す。ゲイリーと名乗るヘビはなぜ哺乳類しかいないズートピアに現れたのか、ズートピアの謎に迫るジュディとニックの絆が試される。日本版声優陣は前作に続き、主人公のジュディに上戸彩、相棒のニックに森川智之が出演のほか、下野紘、江口のりこ、山田涼介、梅沢富美男、三宅健太、Dream Amiなど豪華な顔ぶれ。
大ヒット公開中。
公式HP /https://www.disney.co.jp/movie/zootopia2
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