2025.08.03
第8回 瀬戸朝香 【vol.03】
美しい人、瀬戸朝香。「心からハッピーでいれば、かける言葉や表情、考え方とかすべてに美しさが滲み出てくる」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。第8回目にご登場いただいたのは瀬戸朝香さんです。「Age,35 恋しくて」をはじめ、数々のトレンディドラマで活躍したのち結婚、出産、子育てで休業。昨年から改めて女優として活動を始めました。変わらぬ若々しさが印象的な瀬戸さんの「美」の秘密とは?
- CREDIT :
写真/野口貴司 文/渡邉朋子 スタイリング/井関かおり ヘアメイク/森ユキオ 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

今回ご登場いただいたのは瀬戸朝香さんです。1994年、ドラマ「君といた夏」のヒロインとしてブレイク、「Age,35 恋しくて」、「成田離婚」など数々のトレンディドラマで活躍した瀬戸さん。その後、結婚、出産、子育ての休業期間を経て、改めて昨年から女優としての活動を再開しました。変わらぬ若々しさが印象的な瀬戸さんの「美しさ」の秘密とは? その第3回目です(第1回、第2回)。




【interview 03】
女優だけでなく、マネジメントの道も経験できるのは財産になると思いました
瀬戸朝香さん(以下、瀬戸) 休んでいる間は太っちゃって半端なかったです(笑)。でも、仕事の稼働が増えると人に見られているという緊張感もあって自然とスイッチが入るのか、締まってくるんですよね。
ただ、年齢とともに簡単には体重が減らないので、食事に気をつけたり。私は急いで食べちゃうので、どれだけでも入っていたんですけど、ゆっくり食べるようにして、8分目ぐらいでやめるようにしています。運動が嫌いでゼロ運動なので(笑)。

瀬戸 嫌いですね(笑)。ジムも通ったことはあって、最初の10日ぐらいは頑張って行くんですけど、今日は疲れているから明日にしようかなと思っているうちに間が空いて、1年以上、月会費だけ払っている時期が続いたのでさすがに解約しました。本当に困った時はYouTubeで3分ぐらいのエクササイズを見ながらやってみたり、あとは家にちょっとした筋トレグッズやマシンが一応あるので、気になったら試したりはします。
── 瀬戸さんにとっての“美しい人”とはどういう人ですか?
瀬戸 やっぱり美しさって見た目だけじゃなく、内側から出てくるものだと思うんです。私の中のモットーは、とにかく楽しいことが一番。それは自分だけでなくまわりもですけど、ギスギスしているのも嫌だから、あまり不満はため込まずにクリアな心でいようと。
そうやって心からハッピーでいると、かける言葉や表情、考え方とかすべてに美しさが滲み出てくるんじゃないかなと思います。私も人生を振り返ると、無理して頑張っていた時期やちょっと尖っていた時期、自分の気持ちに反して笑っていた時期もあったと思うけど、仕事や結婚や育児を経験して、最近やっと、少し余裕みたいなものが出てきた気がします。

瀬戸 めっちゃ楽しいですよ(笑)。3年前に独立して、今は社長でもあるんですけど、いろんな人に助けてもらいながらお声がけをいただいたり、元の事務所の後輩で「瀬戸さんのところに入りたいです」と言ってくれた凜大という俳優の育成もやらせてもらっています。自分だけで精一杯だし、「マネジメント経験もないのに私でいいの?」と言っても「お願いします」と言ってくれたので、わかった、じゃあやろう!と。
── それも大きな決断でしたね。
瀬戸 そのあたりはけっこう真面目なのかな。やろうと思ったらがむしゃらにやっちゃうんですよね(笑)。“俳優として売れたい”という彼の強い思いをどうしても叶えてあげたいと思って、私もスーツを着て自分の足でテレビ局などへご挨拶まわりに行っています。
でも、これも彼が作ってくれた道だからありがたいですよね。もちろん社長業は、どうしよう!と思うような大変なことも多いですけど、ここから先、女優としての道だけでなく、マネジメントの道も経験できるというのは勉強になるし、財産になると思うんです。だから幸せだし、今が一番楽しいかもしれないですね。

瀬戸 女優はたぶん、やれる限りずっとやっていくと思うので、もっといろんなキャラクターの役柄をやりたいなと思いますけど、こればっかりは待つしかないですね。あと、この歳で社長業、マネジメント業もやることになったので、ここからは怖がらずになんでもやってみるという人生もいいかなと思っています。
── お仕事以外でやってみたいことはありますか?
瀬戸 実は6月の頭にフェスでちょっとDJをやらせていただいたんです。単なる趣味だったんですけど、「HOME MADE 家族」のMICROさんに声をかけていただいて。元々すごく仲のいい友だちなので、一緒にステージに上がってもらえるんだったらということで20分だけ会場で回してみたんですよ(笑)。
経験のひとつとして、来たものはとりあえずトライして、この歳で新たなことにチャレンジしてみるのもいいかなと思って。

瀬戸 ここ1年ぐらい、趣味でハマり始めたんです。お友だち家族と集まった時に音楽をかけると、大人も子どもも年齢問わず盛り上がるので、音楽ってやっぱりすごいなと思って。DJの機材とかを買ってやってみたら楽しいじゃんと(笑)。
そうしたらたまたまお声がけいただいたので、ノリで「やる!」って言っちゃったんです(笑)。そこからプロの方にちょっと教えてもらって練習してやりました。でも、それはあくまでお友だちのMICROさんと一緒だったからということなんですけど。
── 瀬戸さんにとって生きる上でお手本となっている人はいますか?
瀬戸 やっぱり母親かな。母親の生き方って改めてすごいなと思っていて。私が小学3年生ぐらいの時に離婚して、もちろん仕送りはあったけど、兄と姉と私の3人の子どもをひとりで育ててくれたんです。毎日、朝の8時半ぐらいに家を出て、夜6時ぐらいに帰ってきて、夜ご飯の準備してくれて。私が上京する時も、お金もそんなにないはずなのに家具を全部買ってくれたり仕送りしてくれたり。だから、母にだけは恩返しをしたいという気持ちがあって。20代前半ぐらいから旅行に連れてったり、何かちょっと買ってあげたり、お給料をいただいたらまず親に使っていましたね。

瀬戸 去年、娘がお兄ちゃんと同じ学校に留学した時は1カ月間、泣いて電話がかかってきて、東京に出てきたばかりの頃の私と同じじゃないのと思ったんです。その時に私が娘にかけた言葉は、やっぱり自然と母に言われたようなことだったんですよね。
「きっと楽しいことがあるから。まずは1週間、頑張ろう。1週間は泣いていいよ。その先も悲しかったら泣いていいよ。先生にも悲しくなっちゃったので泣きたいですって泣いていい。ママの前でも泣いていい。お兄ちゃんも近くにいるから、つらい時はお兄ちゃんに助けてって言えばいい」って。
子どもを送り出すってすごい決断で、その母の思いが初めてわかりました。子どもを送り出した時期が当時の母と同じぐらいの年頃だったのも運命だと思うし、母と同じ道を行っているなって。出産した時も、子どもを育てるってこういうことだったのか、3人も育ててすごいなと思ったんですけど、最近、子どもを送り出したことで母の大きさを改めて感じて、やっぱり一番のお手本は母親だなと思います。

● 瀬戸朝香(せと・あさか)
1976年12月12日、愛知県生まれ。1993年、コーセー化粧品「ルシェリ」のCMで注目を集める。その後、ドラマ「スウィート・ホーム」、「君といた夏」、「東京大学物語」、「Age,35 恋しくて」、「成田離婚」、「P.S.元気です、俊平」、「催眠」、「さよなら、小津先生」、「大奥 第一章」、「離婚弁護士Ⅱ〜ハンサムウーマン〜」、「ライフ〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜」、「きみが心に棲みついた」のほか、映画『とらばいゆ』、『着信アリ2』、『デスノート前編』、『それでもボクはやってない』、『L change the WorLd』など、数々の話題作に出演。今年1月には「アンサンブル」で7年ぶりに連ドラ復帰。現在は映画『青春ゲシュタルト崩壊』が公開中。
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