2025.11.26

特集/愛すべき“無駄”愛おしい“家” 【3】

自然と共生する“丘そのもの”に建つ家とは?

女性に対してついロジックで結論を導き出そうとするのが男性脳の性。むしろ、何気ない会話や意味もなく一緒に過ごす沈黙といった“無駄"こそが関係を豊かにしてくれるものです。それは“家”においても同じ。効率を求めない“無駄”にこそ、その先にある快楽があるのかと。今回は、そんな愛すべき“無駄”がある愛おしい“家”「森を育む丘の家」をご紹介。

CREDIT :

写真/川田有二 スタイリング/坂井辰翁 ヘアメイク/伊藤歌苗 文/清水香里、植本絵美 編集/市村広平、星野真琴(ともにLEON) 協力/iStock、アフロ

「正論が欲しいんじゃない、共感してほしかっただけ」。そんな女性の言葉にハッとした経験はありませんか?つい筋道立てて結論を導きがちな男性脳ですが、現実は必ずしもロジックどおりに運ばないもの。

むしろ、気持ちに寄り添う何気ない会話や、意味もなく一緒に過ごす沈黙といった"無駄"こそが、ふたりの関係、そして人生を豊かにしてくれるのです。

それは、“家”においても同じ。1階を空けたピロティ、遠回りを楽しむ回廊、地面に寄り添う平屋──。こうした“無駄”にこそ生まれる“間”や“余白”は、効率性が支配する現代社会に対するカウンター的な“贅”の象徴といえましょう。

合理性を裏切った先にある、大人の快楽。そんな愛すべき“無駄”の境地を愛でようではありませんか。

■ 愛すべき無駄 その3

遠回りを味わう回廊

「人生って不思議なものですね」── そう唄った昭和きっての歌姫。山あり谷あり時に立ち止まり、涙して。そんな日々も振り返ればひとつひとつが愛おしく人生に深みを与えてくれる“遠回り”といえるのです。

そんな豊かさを建築に体現するならばあえて道をめぐらせ、歩く時間そのものに意味をもたらす「回廊」がきっと解なのでしょう。
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目的へ迷うことなく向かうのではなくあえて寄り道を楽しむことで、空間にも暮らす人の心にも、光と影、季節のうつろいを情緒的に映し出す。そんな数字では測りえない、人生と建築の美学が宿ります。

【HOUSE-03】 森を育む丘の家

おウチの隅から隅までめぐる喜びを与えてくれる庭を囲む回廊とスロープ

住宅街でありながら、人も犬も快適に暮らせる開放的なおウチを望んだクライアント。敷地の高低差を生かし、広い中庭を囲むように複数の空間を高さ違いで配置しています。

庭から芝生のスロープが2階へと続き屋根も芝生を敷いた、内と外が有機的に連続する丘のような建築です。

自然と共生する計らいに豊かさの本質を見いだして

森を育む丘の家 OKDO 男性●ガウン39万6000円/ペグ アンド コー(トヨダトレーディング プレスルーム)、ニット6万1600円/ドルモア、パンツ4万700円/デヴォレ インチピット(ともにバインド ピーアール)、時計316万3600円/ゼニス 女性●カーディガン32万7800円/チヴィディーニ、カットソー2万9700円/ヴィンス、パンツ7万7000円/スローウエア インコテックス(すべてコロネット)
▲ 男性●ガウン39万6000円/ペグ アンド コー(トヨダトレーディング プレスルーム)、ニット6万1600円/ドルモア、パンツ4万700円/デヴォレ インチピット(ともにバインド ピーアール)、時計316万3600円/ゼニス 女性●カーディガン32万7800円/チヴィディーニ、カットソー2万9700円/ヴィンス、パンツ7万7000円/スローウエア インコテックス(すべてコロネット)
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敷地の高低差を生かし、“丘そのもの”に建築を溶け込ませた「森を育む丘の家」。境界を設けず、室内と外をゆるやかにつなぐことで、風や光、緑までもが住空間の一部となる開放感を実現します。

将来的には木々が育ち、建物自体が森の一部となるよう構想されているのだとか。穏やかな時間の流れのなかで、ふたりの距離も自然と溶け合って。

開放したり閉じたりできる回廊

森を育む丘の家 OKDO 男性●ガウン39万6000円/ペグ アンド コー(トヨダトレーディング プレスルーム)、ニット6万1600円/ドルモア、パンツ4万700円/デヴォレ インチピット(ともにバインド ピーアール)、時計316万3600円/ゼニス 女性●カーディガン32万7800円/チヴィディーニ、カットソー2万9700円/ヴィンス、パンツ7万7000円/スローウエア インコテックス(すべてコロネット)
▲ 洋服は上と同じ。
こちらは庭から2階へ連続するスロープの下。回廊となっていて、日陰から庭とおウチを眺められる特等席でもあります。ルーバーの扉を閉めれば、直射日光をしのぎつつ風を感じられる快適な室内空間へと早変わり。

クライアントは趣味である家具づくりなどを楽しんでおり、「創作の庭」と呼んでいるそう。季節や時間によって庭とのつながり方を自由に変えながら、住まいの余白として多目的に楽しめる場所です。
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どこにいても庭を堪能できる暮らし

森を育む丘の家 OKDO
天井高5mのリビング。中庭だけでなく、裏側も緑の庭に面し、緑に包まれたような空間です。ゆるやかにカーブする天井が、開放的でありながら包み込むような雰囲気をつくり出しています。
森を育む丘の家 OKDO
庭からスロープで直接2階へとアクセスするのも楽しい。
森を育む丘の家 OKDO
庭とシームレスに連続するアウトドアダイニング。薪ストーブがあるので冬も快適に過ごせます。水場を備えているので、室内まで行く必要がなく便利。
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森を育む丘の家 OKDO
スロープの先、2階には開放的なバルコニーも。

DESIGNED by OKDO

有名設計事務所で美術館や商業施設、オフィスなど大規模建築の経験を積んできた、ふたりの建築家が主宰する設計事務所。機能的でありながら豊かで洗練されたデザインを得意としています。固定観念を超え、社会や建築を使う人に本質的に必要とされる空間の提案を理念に掲げています。

HP/https://o-kdo.com

こちらの物件は購入可能です!

大工アーティストが提案する本物の素材を使ったベルギー民家

Shohei Hishida 「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」 リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
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大工アーティストのShohei Hishida氏が手がけた「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」は共有持分型の別荘。
Shohei Hishida 「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」 リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
ベルギーの伝統的な民家スタイルであるティンバーフレームを採用し、土壁や漆喰、石などの自然素材を使ってています。高性能なつくりなので軽井沢の厳しい冬も暖か。
Shohei Hishida 「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」 リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
パーティーキッチンを備えるLDKとお庭のほか、ベットルーム3部屋、各階にバスルームとパウダールームを用意。年間15泊、1口2300万円から、1棟丸ごとまで所有することが可能です。
Shohei Hishida 「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」 リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
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「BELGIAN PRIVATE HOME IN KARUIZAWA」
[価格] 5億5000万円

住所/長野県北佐久郡軽井沢町大字発地
[間取り] 4LDK [面積] 建物面積269.29㎡ 土地面積1440.35㎡
[売主]野村屋ホールディングス
[不動産管理会社] リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
TEL/0800-800-7065 
HP/https://list-sir.jp

2025年12月号より
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

コロネット 03-5216-6521
ゼニス 03-3575-5861
トヨダトレーディング プレスルーム 03-5350-5567
バインド ピーアール 03-6416-0441

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