■ 「バルミューダ」の電気ケトル『ムーンケトル』

千利休はあらゆる茶道具をデザインしたアートディレクターという一面もあり、それらは「利休形」として今に伝わります。そのなかには「腰黒薬罐」という名作もあり、どこか本作と通じる雰囲気があるのですね。
さて、翻ってこのムーンケトル。レトロな雰囲気と普遍的な使い勝手はまさに薬罐。ですが、機能が画期的です。まず、温度を1℃単位で調整できて、キープボタンを押せば30分の保温が可能。これは抹茶や玉露をはじめ、コーヒーや中国茶を入れるのにとても役立ちます。
そして、操作に応じて奏でるサウンドも心地よい。心地よいと言えば、火口に当たる部分が電気にもかかわらず、まるで炎のような光が揺らぐではないですか。筆者はいつかこれを薄明かりの茶室の茶会で使い、客人を驚かそうと目論んでいます。

薬罐の機能美を採用した電気ケトル『ムーンケトル』
50℃から100℃まで、1℃単位で調整可能で設定温度を30分保温できます。容量は0.3〜0.9ℓ。黒と白の2色展開。
各2万7500円/バルミューダ

● 中村孝則(なかむら・たかのり)
コラムニスト。世界各地を独自の視点で読み歩き、さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案。「世界ベストレストラン50」の日本評議委員長も務め世界各地で美食探求の日々を送る。
※価格はすべて税込み価格です
■ お問い合わせ
バルミューダ www.balmuda.com