2025.09.16
【40・50代男性Q&Aその3】 肌のツヤとテカリの違いはなんですか?
日頃のスキンケアの質が、文字通り「顔に出る」オヤジ世代。その最前線が、モテる条件でもある清潔感の逆を行く“毛穴”かと。そこで、いまさら聞けない毛穴のあれこれを「アオハルクリニック」小柳衣吏子院長にうかがいました!
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
A.医学的な定義はありませんが、テカリは皮脂でツヤは潤いと言えるでしょう

小柳先生(以下、先生) 乱れた食生活が続き、栄養バランスが偏っていると、肌トラブルに繋がりますが、食事で摂取した油分=皮脂にはなりません。
── テカリの治療法はありますか?
先生 皮脂の分泌量をコントロールする作用が期待できるレチノールなどのビタミンA誘導体やアゼライン酸、肌を引き締める効果があるビタミンCを配合したローションやクリームをホームケアとしてご提案しています。併せてビタミンB群などのサプリメントを摂っていただくことも多いです。
── 肌のツヤはいいもの、テカリは悪いものという印象ですが、どう違うのですか?
先生 医学的な定義はもちろんないのですが、加齢とともに肌のキメは消失し、毛穴は開いてしまいます。そこを多くの皮脂が覆うと、どうしてもテカリだと受けとられてしまいます。一方で若い時は肌表面にキメがあり、多少毛穴の開きがあっても、光が乱反射するので肌はキレイに見える。さらに皮脂や水分の潤いが加わると、肌はツヤっぽく見えるんです。
── 肌にツヤを出すためにはどうしたらいいのですか?
先生 保湿が大切ですが、これもやはり個人差があって、生まれてこのかた保湿なんてしたことがなくても潤っている人も中にはいらっしゃるので、そういう方には無理に保湿を勧めません。
逆にカサカサでヒゲ剃り負けしているような人は、化粧水を1カ月使うだけで、すごくツヤっぽくなって効果を実感できるんです。
── 肌が脂っぽいか、乾燥しているかでスキンケアも変わるんですね。夕方になると肌がテカってきますが、日中にできる対策はありますか?
先生 気になる方は、ハンカチで押さえたり、油とり紙を使うといいですね。可能な状況であれば、簡単に洗顔するといいでしょう。
先生 そうですね。ニキビや吹き出物は脂腺性毛胞が炎症を起こしている状態なので、皮脂腺が発達して皮脂の分泌量が過多になったり、毛穴が詰まるとできやすいんです。
大人のニキビ治療で来院される患者さんは、仕事のトラブルからストレスを抱えていたり、不摂生が続いていたり、さまざまな理由で肌のターンオーバーが乱れている方が非常に多いです。寝不足は毛穴だけでなく肌にとっても大敵なので、睡眠時間はしっかり確保したほうがいいですね。

● 小柳衣吏子(こやなぎ・えりこ)
福岡県生まれ。幼い頃の大病がきっかけで、医師を志す。順天堂大学医学部卒業後、同大学病院勤務を経て、「ウェルエイジング」のコンセプトに賛同して2009年にAOHALクリニックに参加。2011年に院長に就任。順天堂大学医学部皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会評議員・認定専門医。皮膚だけでなく顔の筋肉の勉強も続け、海外での解剖トレーニングにも積極的に参加している。著書に「美肌の王道」(日経BP)。テレビや雑誌・Webにも多数出演。趣味はゴルフ。

■ アオハルクリニック
住所/東京都港区六本木6-15-1 六本木ヒルズけやき坂テラス5F
TEL/03-5786-1152
診療時間/10:00〜14:00、15:00〜19:00(最終受付18:30)
休診/木・日曜
HP/https://www.aohalclinic.jp