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2025.10.19

■ “美食のリッツ”を日光で体験

この秋、美食デートに行くなら? ふたりのミシュラン星つきシェフが「ザ・リッツ・カールトン日光」で夢の饗宴

この夏、「ザ・リッツ・カールトン日光」にてガストロノミーレストラン「villa aida(ヴィラ アイーダ)」の小林寛司シェフと「L’evo(レヴォ)」の谷口英司シェフが夢の饗宴! 世のグルメから大注目を集めた“美食”のイベントをリポートいたします!

CREDIT :

写真・文/shifumy(江藤詩文) 編集/平井敦貴(Web LEON)

ミシュラン二つ星シェフの饗宴

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
▲ 自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
夏の終わり、日本のみならずアジアのフーディーズをザワつかせたイベントが栃木・奥日光で開催されました。仕掛けたのは本誌でもおなじみ「ザ・リッツ・カールトン日光」。美食家なら誰もが知る「villa aida(ヴィラ アイーダ)」(和歌山)と「L’evo(レヴォ)」(富山)のコラボレーションイベントが、8月29日〜30日の2日間限定で開かれたのです。

今さらながら一応おさらいしておくと、「villa aida」オーナーシェフ・小林寛司さんと、「L’evo」オーナーシェフ・谷口英司さんは、ともにミシュラン二つ星とグリーンスターを持ち、地方を拠点として、自然と対話しながらその土地に食をコアとする持続可能な文化を創造してきたパニオニア。前例もないまま手探りでトライ&エラーを繰り返し、日本の地方に光を当て、現在のガストロノミーツーリズムへと発展させてきたフロントランナーです。
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自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。

Chef's Profile

右:小林寛司(こばやし・かんじ)
「villa aida(ヴィラ アイーダ)」オーナーシェフ。1973年和歌山県生まれ。イタリア修業を経て、1998年生まれ育った故郷の和歌山・岩出に「villa aida」をオープン。
『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山 2022』二つ星、グリーンスター。
2024年『We’re Smart Top 100 ベストベジタブルレストラン』10位(日本最高位)
著書『villa aida 自然から発想する料理』(柴田書店)

左:谷口英司(たにぐち・えいじ)
「L’evo(レヴォ)」オーナーシェフ。1976年大阪府生まれ。フランス修業を経て、2014年富山市内に「L’evo」を立ち上げる。2020年南砺市利賀村に現在の「L’evo」を移転オープン。
『ミシュランガイド北陸 2021』二つ星、グリーンスター。
『ゴ・エ・ミヨ2017』『ゴ・エ・ミヨ2022』で「今年のシェフ賞」を2度受賞(日本人唯一)
移転5周年の節目となる2025年、初の著書『L’evo その全貌と進化 ー60の料理と30のトピックからー』(グラフィック社)を8月に刊行。

レストランを取り囲む畑で、300種類以上の植物を自らの手で育てる“栽培びと”の小林さんと、人里離れた山奥で、季節の野生の動植物を自ら取りに行く“狩猟採集びと”の谷口さん(私流に言うと“弥生”の小林さんと“縄文”の谷口さん)。

イタリアで修業経験があり、イタリアのライフスタイルを愛する小林さんと、フランスで修業経験があり、フランス料理の表現力を愛する谷口さん──最終的に生み出されるクリエイションの表情は異なりますが、そこに至るまでの哲学的なアプローチは共通するものも多く、志を同じくする料理人仲間として、ふたりは長い間親交を深めてきました。
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“奥日光の美しく豊穣な恵み”を料理に昇華

「いつかは一緒に料理をしたい」という本人たちの強い思いがあったところに、2024年10月、小林さんが「ザ・リッツ・カールトン日光」のガストロノミーレストラン「レークハウス」のプロデューサーに就任。“奥日光の豊かな自然と共生するガーデンガストロノミー”という「レークハウス」が目指す方向とも親和性が高く、このコラボレーションイベントの実現へと至ったわけです。

ふぅ~、前置きが長くなりました。つまり何が言いたいかと言うと、このコラボは、近ごろありがちな“ニュース性優先”のコラボではなく、準備に時間をかけ、高度な技術を駆使して丁寧につくり込んでいながらも、シェフ自身を前面に出すのではなく(ふたりとも大スターなのに!)、“奥日光の美しく豊穣な恵み”そのものが主役として置かれていたということ。

そんな奥日光の大地を五感で受け止め最上のかたちで輝かせるために、谷口さんは前もって日光に数日滞在し、「日光あおぞら農園」といったこの土地に根を張る生産者のもとを訪れました。そこで得たものを富山に持ち帰り、チームと共有しながらブラッシュアップ。小林さんともコミュニケーションを重ねました。
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自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
イベント当日は「レークハウス」1階のガーデンに薪焼き用の焼き台を設置。さらに富山からは、谷口さん自身だけでなく、スーシェフの小西 豊さんをはじめとするキッチンスタッフや、澤 千恵さん率いるサービススタッフといったファンにはたまらない「チームL’evo」のコアメンバーが集結。
自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
▲ 当日のメニュー。3品目はユニークな絵文字で表現。
その集大成として、「villa aida」らしさ、「L’evo」らしさは漂わせつつも、この世の中のどこにもない、すべてのメニューが完全コラボの今回限りの新作という驚きのコースが誕生しました。

ここでは、あますところなく全皿紹介します。
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《手長海老 / あゆかけ / 南瓜》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
富山の天然手長エビとあゆかけ(カジカ科の小魚)のフリット、レモングラスの香る辣油(!)でマリネしたかぼちゃとからし菜。最初のひと皿目から定石を軽々と超える発想力といったら……!

《シャポン鷄 / そうめん南瓜》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
シャポン鶏(特別な環境で育てた大型の去勢鶏)の胸肉ともも肉、マリネとぬか漬け(L’evoのぬか床)にしたそうめんかぼちゃ。散策中に感じた香りから閃いたひのきの木の実を散らしています。
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《熊の手・舞茸・ゴーヤ(メニュー名は絵文字)》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
熊の手、メンマ、高菜を巻き込んだ春巻き、2週間乾燥熟成させた舞茸、アボカドとゴーヤのピュレ。泡のソースは熊のゆで汁(!)と白ワインを合わせたもの。燻製した青ゆずを添えて。

《すっぽん / 湯葉 / 舟石芋》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
天然のすっぽんのつくねに血のソースを塗りながら炭火で焼き上げた串焼き、日光の特産品の湯葉と舟石芋(在来種のじゃがいも)、ナスタチウムが鮮烈に香るソース。ハーブは単なる飾りではなく食材と気づかされます。
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《いただき鱒 / 冬瓜 / ビーツ》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
日光のブランド鱒「頂鱒」を富山の名物の鱒寿司にアレンジ。ラベンダービネガーの香るビーツ、自家製のかんぴょう。鱒とビーツのグラデーションの美しさとラベンダーの繊細な香りは唯一無二の美的感覚としか言えません。

《鮎 / アカヤマドリタケ》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
「野菜の魔術師」と呼ばれる小林さんですが、スープも天才的。栃木産の鮎と富山のアカヤマドリタケのコンソメはどストライク。「L’evo」名物のパンは熊の脂を塗りながら薪火でトーストしています。
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《月ノ輪熊 / 茄子 / バジル》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
個人的に、単にめずらしい食材だった熊(とカエル)を「めっちゃおいしくて積極的に食べたい!」に変えてくれたのが谷口さんの料理です。なす、ゴーダチーズ、葉野菜としてのバジルをわさっと載せて。

《梨 / ピーマン》

自然豊かな日光に聳える「ザ・リッツ・カールトン日光」。
梨とピーマン。はい、これも天才です。ミルクとココナッツのアイスクリーム、青リンゴと梨のジュレ、ベルベーヌの香りと繊細なフレーバーがいくつもの層をなします。梨とピーマンでデザート!? とプロのパティシエからもSNSで問い合わせが来たほどの出来栄え。
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《ペアリング》

ペアリングのドリンクは、「villa aida」マダムでソムリエールの小林有巳さんと「L’evo」の名物ソムリエの浅野大輔さんがこちらもコラボレーション。料理とともに特別なひと時を演出してくれました。
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総支配人アレクサンダー氏インタビュー

「ザ・リッツ・カールトン日光」総支配人、アレクサンダー・ウエストウッド・マックブライド氏。
▲ 「ザ・リッツ・カールトン日光」総支配人、アレクサンダー・ウエストウッド・マックブライド氏。
「生まれて初めて熊を食べると思うと、緊張して昨日は眠れませんでした」と笑うのは、このイベントを影で司っていた総支配人のアレクサンダー・ウエストウッド・マックブライドさん。自身も食べることが大好きで、「ザ・リッツ・カールトン日光」に着任した当初は、水と大地が織りなす奥日光の食文化に圧倒されたそう。世界中から訪れるゲストに、この土地の魅力を食を通じて伝えなければならない。そんな使命感を感じたと言います。
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「そうそう、LEONさんのために、特別にオヤジさんの本音を代弁させてもらいますと(笑)、その土地でしか味わえないおいしい料理があれば、旅の目的として素敵なパートナーを誘う口実にもしやすいですよね。小林さんに監修していただいている『レークハウス』は、料理がおいしいのはもちろんプレゼンテーションも美しく、また、中禅寺湖を望むパノラミックなビューも楽しめる、ロマンチックなデスティネーションレストランです。たとえば東京からいらっしゃるとすると、いろは坂のドライブを楽しんだり、東武鉄道の新型特急“スペーシアX”にご乗車いただいたり、日光へのアプローチから楽しんでいただけますよ」
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はじめて訪れるなら、「ザ・リッツ・カールトン」ブランドとして世界で初の温泉を満喫するなど、ホテルライフにどっぷり浸かるおこもりステイも楽しいものです。けれども旅慣れたオヤジ世代なら、「ザ・リッツ・カールトン日光」を拠点に、より深く奥日光の文化に親しむアクティビティーを取り入れた旅のスタイルもおすすめだとアレクサンダーさんは言います。

「日光国立公園は、春夏秋冬いつでもすばらしい景観を楽しめます。大切な方と一緒に何かを体験することは、特別な思い出になりますよね。数日ゆっくりと滞在されて、のんびりとした奥日光時間に癒されてください」

「ザ・リッツ・カールトン日光」は今後もさまざまなダイニングイベントを計画しているそう。
食欲の秋。おいしい料理を求めて、紅葉の美しい奥日光を旅してみませんか(もちろん大切なあのコと一緒に)。

■ ザ・リッツ・カールトン日光

取材・文 shifumy(江藤詩文)

世界を旅するフードジャーナリスト。ガストロノミーツーリズムをテーマに、世界各地を旅してい各種メディアで発信。著名なシェフをはじめ、各国でのインタビュー多数。訪れた国は約100カ国。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)全3巻。Instaguram(@travel_foodie_tokyo)でもおいしい旅情報を発信中。

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