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2025.11.05

新しさと古式ゆかしさの両立。BMW M235 xDrive グランクーペで駆け抜けろ!

BMWのコンパクト4ドアモデル、2シリーズグランクーペがおよそ5年ぶりに2代目へとフルモデルチェンジ。世界中のクルマが代を重ねるごとに大型化しているなかで、日本市場に適した全幅1800mm、全高1445mmというボディサイズをキープ。ラインナップのなかでもっともハイパフォーマンスなMパフォーマンス・モデルの「M235 xDrive」を試してみた。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

編集/森本 泉(Web LEON) 写真協力/BMW

BMW M235 xDrive グランクーペが凄い!

ベースとMモデルのあいだに位置するMパフォーマンス・モデル

BMWではルーフの形状がクーペのような4ドアモデルのことを“グランクーペ”と呼んでおり、8シリーズ、4シリーズ、そしてこの2シリーズと偶数シリーズに設定している。ちなみに定番の7シリーズ、5シリーズ、3シリーズの奇数シリーズの4ドアモデルはセダンとなる。
 リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインが特徴的なグランクーペ。
▲ リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインが特徴的なグランクーペ。
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少しばかりややこしいのが、2シリーズには2ドアクーペもあり、こちらは3シリーズと共通のFR(後輪駆動)である一方で、2シリーズグランクーペは、1シリーズをベースとしたFF(前輪駆動)なこと。FRならではのピュアなドライビングプレジャーを求めるのならば2ドアクーペを、ユーティリティスペースや使い勝手のよさを求めるのならばグランクーペをという棲み分けがなされている。

そして車名にあるMの文字は、“Mパフォーマンス・モデル”をあらわす。これまた少々ややこしいが、BMWのトップパフォーマンスモデルは、“M ハイ・パフォーマンス・モデル”(Mモデル)とよばれるもの。サーキット走行も見据えエンジンは特別なBMW M社製で、車名はM2、M3、M4などとシンプルなものになる。一方でMパフォーマンス・モデルは、Mのスポーティなフィーリングは求めつつも、日常における使い勝手を重視している。いまのところ2シリーズグランクーペにMモデルの設定はないため、この「M235 xDrive」がトップエンドモデルという位置づけにある。
Mパフォーマンス・モデルであることを示すエンブレム。2シリーズであることを強調するため2の文字が大きくなっている。
▲ Mパフォーマンス・モデルであることを示すエンブレム。2シリーズであることを強調するため2の文字が大きくなっている。
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最新デザイン& OS9の採用でアップデイト

エクステリアデザインでは、BMW特有のキドニー・グリルに従来の縦ではなく横のスリットを取り入れている。またヘッドライトはBMWのアイコンとなっている環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーを踏襲する。リヤデザインにおいては、リアコンビネーションライトにもツイン・サーキュラーのモチーフを取り入れ、またリヤディフューザーがスポーティさを強調する。
▲ 横桟のスリットが入ったM235専用のキドニー・グリル。ベースモデルは縦と斜めの桟を組み合わせデザインとなっている。
▲ 横桟のスリットが入ったM235専用のキドニー・グリル。ベースモデルは縦と斜めの桟を組み合わせデザインとなっている。
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インテリアは最新のBMWのデザイントレンドにのっとりメーターパネルとコントロールディスプレイを一体化した横長のカーブドディスプレイを採用する。またシフトレバーを小型化し、操作系をセンターアームレレストに集約することでセンターコンソールにスマートフォンなどQi対応充電機能を備えた。
▲ メーターとセンターディスプレイを一体化したカーブドディスプレイを採用。エアコンの吹き出し口まわりはLEDライトを組みあわせた意匠に(画像は欧州仕様)。
▲ メーターとセンターディスプレイを一体化したカーブドディスプレイを採用。エアコンの吹き出し口まわりはLEDライトを組みあわせた意匠に(画像は欧州仕様)。
インフォテインメントではオペレーティングシステムが最新の「OS9」に刷新された。これにより操作はディスプレイに直接触れるか音声操作によって行う。これまでApple Car Playにのみ対応していたがAndroid Autoも利用可能となり、サードパーティのアプリがダウンロードできるようにもなっている。Mスポーツモデルの証として、ダッシュボード上には白、青、赤のステッチが施されている。
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FFモデルでも実現している“駆けぬける歓び”

エンジンは2ℓ直4ターボエンジンで、最高出力300PS、最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは、先代は8速ATだったが、新型では7速DCTが組み合わされる。駆動方式は電子制御式の4WDだ。
▲ しっかりとしたサイドサポートを備えたスポーツシートを標準装備する。
▲ しっかりとしたサイドサポートを備えたスポーツシートを標準装備する。
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Mの名は伊達ではなくて、極太のスアテリングと手応えのあるステアリングフィールとBMWらしいスポーティな雰囲気は満載。ドライブモードをスポーツプラスにすれば、エキゾーストノートが高まり、スロットルを戻すとパンパンと音をたててバブリングする。さらに左のシフトパドルを1秒間引けば、パワートレインとシャシーをもっともスポーティな設定に切り替えるブーストモードまで備わっている。

足回りにはアダプティブMサスペンションを標準装備しており、速度域が高まるにつれて路面追従性がよくなっていく。ハンドリングもドライバーの意のままに、コーナーでもFFベースだからとアンダーステア傾向を感じることなく、まさにオンザレール感覚で気持ちよく曲がっていく。
▲ 後席は180cmの大人が座っても頭上にもひざまわりも余裕がある。またラゲッジスペースを有効活用できる40:20:40分割可倒シートを採用する。
▲ 後席は180cmの大人が座っても頭上にもひざまわりも余裕がある。またラゲッジスペースを有効活用できる40:20:40分割可倒シートを採用する。
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走りがいいだけでなく、最新のBMWは運転支援システムが素晴らしい。この「M235 xDrive」にもハンズ・オフ機能が搭載されている。これはBMW社が国内認可取得モデルとして初めて導入した運転支援機能で高速道路での渋滞時に一定の条件下において、ステアリングから手を離しての走行を可能とするもの。渋滞時の運転負荷の軽減は相当なもので慣れてしまうと、これなしのクルマには乗りたくなくなってしまうほど。

古くからのBMWファンは3シリーズや5シリーズなどのFRモデルを支持するかもしれないが、いまやBMWはFFモデルをもうまくつくり込めるようになった。そして最新のデバイスと古式ゆかしいBMWのスローガンである“駆けぬける歓び”をうまく両立している。
▲ BMW M235 xDrive グランクーペのボディサイズは、全長4550mm、全幅1800mm、全高1435mm、ホイールベース2670mm。車両本体価格は734万円

BMW M235 xDrive GRAN COUPE

全長×全幅×全高/4550×1800×1435mm
ホイールベース/2670mm
車両重量/1590kg
エンジン/1998cc 直列4気筒ターボ
最高出力/300PS/5750rpm
最大トルク/400Nm/2000-4500rpm
駆動方式/4WD
燃料消費率(WLTCモード)/12.6km/L
乗車定員/5
車両本体価格/734万円

公式サイト
https://www.bmw.co.jp

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藤野太一(自動車ジャーナリスト)

大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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