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2025.10.29

【試乗リポート】レクサス最小で初のMTモデル「LBX MORIZO RR」はGRヤリスよりしなやかで上質!

レクサスの小さな高級車「LBX」に、GRヤリス譲りのハイパワーエンジンを積んで、さらに6速MTを組み合わせたらどんなクルマができるのか。「MORIZO」の名がついているからこそ実現できた、ファントゥドライブで上質な1台に仕上がっていた。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/トヨタ自動車 編集/森本 泉(Web LEON)

MORIZOとは、豊田章男会長の愛称

LBX MORIZO RR
▲ LBX MORIZO RR
レクサスのラインアップにおける最小コンパクトモデルLBX。それをベースに「GRヤリス」由来の1.6ℓ直3ターボエンジンを搭載し、8速ATまたは、3ペダル式の6速MTを組み合わせたスポーツバージョンがLBX MORIZO RR。

車名にあるMORIZO(モリゾウ)とは、トヨタのマスタードライバーである豊田章男会長の愛称であり、RRは豊田会長がオーナーをつとめるルーキーレーシング(ROOKIE Racing)の意。要は会長およびレーシングドライバーが開発に携わったハイパフォーマンスバージョンというわけだ。
LEXUS LBX MORIZO RR 車体後部に備わる専用のバッヂ。MORIZOエディションはGRカローラにも設定がある。
▲ 車体後部に備わる専用のバッヂ。MORIZOエディションはGRカローラにも設定がある。
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エクステリアでは冷却、空力性能を高めた専用のフロントバンパー&グリル、そして専用のリヤバンパーと大口径のデュアルマフラーを採用。カラードフェンダーアーチモールなどを装備することでスポーティさを高めている。
LEXUS LBX MORIZO RR ボディサイズは全長4190mm、全幅1840mm、全高1535mm、ホイールベース2580mm。1.6リッター3気筒ターボエンジンは、最高出力304PS/6500rpm、最大トルク400Nm/3250−4600を発揮。
▲ ボディサイズは全長4190mm、全幅1840mm、全高1535mm、ホイールベース2580mm。1.6ℓ3気筒ターボエンジンは、最高出力304PS/6500rpm、最大トルク400Nm/3250−4600rpmを発揮。
LEXUS LBX MORIZO RR 専用リアバンパーの下部に大口径のデュアルマフラーが配置されている。
▲ 専用リアバンパーの下部に大口径のデュアルマフラーが配置されている。
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インテリアでは専用のスポーツシートを採用。ドライバーとの一体感を高めるためベースモデルに比べてヒップポイントが10mm低くなっている。ステアリングには手にフィットするようにディンプル加工が施された本革を使う。

運転操作へのこだわりはアクセル、ブレーキ、クラッチといったペダル類にもみてとれるもので、ブレーキペダルは低めたヒップポイントにあわせて角度を調整し、アクセルペダルは踏み込みやすくコントロールしやすいオルガン式を採用している。
LEXUS LBX MORIZO RR スポーティさと上質さを兼ね備えた専用のシート。
▲ スポーティさと上質さを兼ね備えた専用のシート。
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LEXUS LBX MORIZO RR 手にフィットするようディンプル加工されたレザーを用いたステアリング。
▲ 手にフィットするようディンプル加工されたレザーを用いたステアリング。
LEXUS LBX MORIZO RR アルミ製のペダル類。アクセルペダルは操作性のいいオルガン式を採用する。
▲ アルミ製のペダル類。アクセルペダルは操作性のいいオルガン式を採用する。
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専用プラットフォームまで開発するこだわり

走ることへのこだわりは、わざわざ専用のプラットフォームを開発することにまで及んでいる。軽量、高剛性なフロントに加えて、リヤには専用のサスペンションやスポーツAWD用ディファレンシャルギアなどの剛性、取付位置を確保するためにひと回り大きなプラットフォームを組み合わせているという。
LEXUS LBX MORIZO RR 溶接箇所と構造用接着剤の大幅な追加によって、ボディ剛性を改善している。
▲ 溶接箇所と構造用接着剤の大幅な追加によって、ボディ剛性を改善している。
またアッパーボディではベースに比べて溶接箇所を車両全体で 469 箇所追加、構造用接着剤も約 12.8m 塗布範囲を延長することで振動低減とともに一体感を生む土台に。加えて、 ロアバックの板厚アップ、 アンダーボディ床裏への操安ブレース、リヤにはヤマハのパフォーマンスダンパーを追加するという徹底ぶりだ。
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GRヤリスよりしなやかで上質

試乗車はレクサス初のMT車である6速MT仕様だった。走りだしてすぐにボディ剛性の高さが伝わってくる。MTもコクコクと気持ちよくシフトチェンジが決まる。

最高出力304PS、最大トルク400NmとGRヤリスと同パワーの1.6ℓターボエンジンは回転数の高まりとともに、うるさすぎない適度なエキゾーストノートを奏でる。

3気筒エンジンならではの鼓動感も心地よい。エンジンのフィールはGRヤリスと同様ものだが、しなやかな乗り味はより上質なもの。
LEXUS LBX MORIZO RR 乗り心地はとてもしなやかで、きれいにコーナリングする。
▲ 乗り心地はとてもしなやかで、きれいにコーナリングする。
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足まわりには19インチの専用ホイールに、タイヤは市街地からサーキットまで、そしてドライでもウェット路面で高いグリップ性能を発揮するコンチネンタル・スポーツコンタクト7を組み合わせていた。コンパクトカーにありがちな微振動やノイズやそういうものがまったく感じられないので、まるで格上のクルマに乗っているような感覚になる。

駆動方式は電子制御フルタイムAWDで、走行状況に応じて前後駆動トルク配分を最適化してくれるもの。前後アクスルにはGRヤリスと同様のトルセンLSDを備えており。コーナリングでも安定して切れ味よく立ち上がる。

センターコンソールにあるAWD MODEスイッチを押すことで、トルク配分を50:50に固定することもできる。滑りやすい路面などで、4輪にバランスよくトラクションをかけたいときなどに使うことが推奨されているが、一般的なドライ路面でもニュートラルなハンドリングが味わえる。

開発チームが目指したのは履き慣れたスニーカーのように週末に乗りたいカジュアルラグジュアリーカーというがまさにそれで、GRヤリスではルックスがいかにもスポーティすぎると敬遠していた人にはうってつけのモデルといえそうだ。

「もっといいクルマをつくろう」。豊田会長が副社長時代から言い続けている言葉として知られるが、それがいま結実していると感じる仕上がりだった。
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LEXUS LBX MORIZO RR ボディカラーは5色の設定。車両本体価格は8速AT、6速MTともに650万円。
▲ ボディカラーは5色の設定。車両本体価格は8速AT、6速MTともに650万円。
藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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