2025.09.10
【試乗リポート】「ボルボEX30クロスカントリー」はアウトドアにも行ける“街の遊撃手”!
ボルボのEVであり、コンパクトSUVの「EX30」をベースに、アウトドアアクティビティ向きのスタイリングに仕立て、悪路走破性を高めたモデルが「EX30クロスカントリー」。外観からは想像できない驚きの加速性能で、意外なほど運転の楽しいモデルだった。
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写真/ボルボ・カー・ジャパン 編集/森本 泉(Web LEON)
国内で人気のEV、EX30がベースのアウトドア仕様

実際のところボルボは着実にBEVのラインアップを拡大しており、日本へは導入されていないが、EX90、ES90、EM90といったラージサイズのBEVも本国や中国などで販売している。

そのEX30をベースに、悪路走破性を高めるために車高を上げてロードクリアランスを確保し、キズの目立ちにくい樹脂パーツを効果的に配置してアウトドアユースにも適したデザインにしたのが「EX30クロスカントリー」だ。

最低地上高は195mmで、悪路走破性を高めるために EX30よりも20mm 高められている。



サステナブルとスタイリッシュを両立
シートにはウールブレンドの素材を、加飾パネルには一年草で成長が早く、栽培中にCO2 を吸収する再生可能な繊維である亜麻を使ったフラックス・デコパネルを採用。微に入り細に入りサステナビリティを追求しつつも、ボルボらしいスタイリッシュな空間をつくりあげている。またインフォテインメントシステムは定評のあるGoogleを採用し、ワイヤレスApple CarPlayが搭載されたことでより使い勝手がましている。

街中ではキビキビと、ロングドライブも快適に
実際にアクセルペダルに力を込めると、想像以上に鋭い加速をみせる。アウトドア向けというクルマのキャラを考慮すると、加速性能は抑えて電費をよくしたほうがいいのではないかと試乗後にボルボの担当者にたずねてみたら、上級モデルとの上位互換で高性能モーターが使用されているという。アクセルを強く踏まなければいいだけのことだが、乗り手の自制心が問われるモデルではある。
街中を流していても、ハンドリングは軽快でキビキビと動くし、ふとした瞬間に意のままに加速できるので運転が楽しくなる。いささか古い話で恐縮だが、“街の遊撃手” というCMのキャッチコピーを思い出した。

そもそもボルボはステーションワゴンをベースに車高をあげ、アウトドア向けのスタイルに仕立てた、いわゆる“クロスオーバー” をいち早く取り入れたブランドであり、そのモデルを四半世紀以上にわたって“クロスカントリー” と呼んできた歴史がある。そして、今度は都市型BEVをベースに、新たなクロスカントリーを生み出したというわけだ。
