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2025.07.30

世界が注目する、レクサスの新型RZは何が進化したのか!?

2025年3月に発表されたレクサスの新型「RZ」。2023年に発売したバッテリー駆動EVが大幅に改良された。クロスオーバースタイルが人気のモデルがプラットフォーム、駆動用バッテリーやインバーターの改良でパワーアップ。その進化の程をジャーナリスト小川フミオがリポートします。

BY :

文/小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/Lexus International 編集/高橋 大(Web LEON)

あらゆる面で進化した注目の新型RZが登場!

新たに設定されるRZ550e F SPORTではスポーティな雰囲気がアップ。
▲ 新たに設定されるRZ550e F SPORTではスポーティな雰囲気がアップ。
レクサスが新型「RZ」を発表したのが2025年3月。日本発売を前に、7月にポルトガルでテストドライブの機会を設けてくれました。画期的な「ステアバイワイヤ」システムなど、話題性の高いモデルです。

RZ(アールズィーと読みます)は、レクサスが2023年に発売したバッテリー駆動EV。クロスオーバースタイルのデザインも魅力で、先取り好きのオヤジさんなら、興味をもっていたのでは?
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さらにRZの商品力を強化したのが、今回の大幅な改良であります。プラットフォームに手を入れて剛性を上げ、駆動用バッテリーやインバーターの改良でパワーアップ。

内外装を含めて質感が高く、いいものを知っているオヤジさんの厳しい選択眼もパスするはず。静粛性の高さをはじめ、広々感のある室内、大きなインフォテイメントシステムのモニター、高品質のオーディオシステムと、デートカーとしての出来も出色です。
RZ550e F SPORTにはこんなステアリングホイールが装備される。
▲ RZ550e F SPORTにはこんなステアリングホイールが装備される。
さらに、「なにこれ?」とあのコが驚くことまちがいなしなのが、ステアリングホイール。パワフルなトップモデル「RZ550e F SPORT」には、おなじみの円形でなく、航空機の操縦桿のようなステアリングホイールが装備されているのです。
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これ、レクサスがずっと温めていた技術で、ユーザーにとっての最大のメリットは、実は運転が楽ってこと。握ったまま持ち替えなしで、Uターンだって出来てしまいます。

システムの概略は、ステアリングホイールの信号を、操舵輪、つまり前輪に角度をつけるモーターが受け取り、歯車を回す仕掛け。レクサスの技術担当者によると「これから採用拡大していきたい技術」だそうです。

感心したのは、ドライバーに違和感がないこと。運転に集中している時は、円形のステアリングホイールのつもりで操舵しています。横に座っているひとから見ると、操舵する角度があまりにも少ないので、未来の乗り物のようです。この落差こそ、ステアバイワイヤシステムの出来のよさの証明ですね。

パワーアップしたバッテリーにより走りが楽しい!

パワーが上がったeAxleを前後に搭載したのがRZのAWD車の特徴。
▲ パワーが上がったeAxleを前後に搭載したのがRZのAWD車の特徴。
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もうひとつ、運転好きのオヤジさんへの朗報があります。先に触れたとおり、モーターを使う「e-Axle」は、パワーアップしたバッテリーや効率のよくなったインバーターのおかげでよりパワフルになりました。

e-Axle(イーアクスル)とは、走行用モーターとインターバーとトランスアクスルを一体化したユニットであります。RZ550e F SPORTは、それを前後に搭載。この4輪駆動システムを制御するのが「DIRECT4」なる技術です。

カーブを曲がる時のライントレース性向上から、高速での急加速、急減速時にも姿勢をフラットに保つ制御まで、「DIRECT4」の働きは広範囲にわたります。

実際にRZ550e F SPORTに乗ると、スムーズな走りが楽しめますよ。前後のe-AXLEともに268.6Nmの駆動トルクがあるので、アクセルペダルを軽く踏み込むだけで、パワフルな加速感です。
2トーンカラーがシャープな印象を強調。
▲ 2トーンカラーがシャープな印象を強調。
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先述の通りドライブバイワイヤは、握っている手の持ち替えなしで走れるという技術。たしかに、ポルトガルのほぼ南端に位置するリゾート、ファロのワインディングロードを走ったときも、小さなカーブだろうと、腕の動きはごく少なくてすんでしまいました。

加えて、RZ550e F SPORTには「インタラクティブマニュアルドライブ」なる技術も搭載。電気自動車には変速機がないのですが、あたかもギアシフトできるような、ちょっとゲーム感覚の楽しい技術です。

ステアリングコラムから”変速”用のレバーが出ています。これの操作で擬似的変速体験ができるのですね。Mモードをボタンで選んでスタンバイ。1速を選んで走り出します(実は1速に入れなくても走れちゃいますが)。

疑似ギアを搭載し、マニュアル気分で走れる!?

インタラクティブマニュアルドライブを使うとマニュアル感覚が楽しめる。
▲ インタラクティブマニュアルドライブを使うとマニュアル感覚が楽しめる。
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加速していくと、快音が響きいい気分。ただし時速50kmぐらいになると、加速感が鈍り、そこからはアクセルペダルを踏み込んでも加速しません。エンジン車だとエンジンのレブリミットに当たった感覚が人工的に作られているのですよ。

そこでレバー操作で2速にシフトアップ、そのあと3速へ、というぐあい。8速まで疑似ギアは設定されています。加速とギア比のフィーリングは、レクサスRCFのマニュアル変速機モデルを参考にしたそうです。マニュアルドライブの楽しさを知っているオヤジさんなら、きっと遊べる技術です。

2025年秋が販売のスタートだといいます。BEV(バッテリー駆動EV)のインフラが整っている市場から始まり、もちろん、日本にも導入されます。
RZ550e F SPORTはブラックアウトしたグリルでスポーティな雰囲気。
▲ RZ550e F SPORTはブラックアウトしたグリルでスポーティな雰囲気。
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ラインナップは3グレード。今回ご紹介したシステム出力300kWの「RZ550e F SPORT」を頂点に、標準的な円形ステアリングホイール装着で280kWの「RZ500e」、それに前輪駆動で165kWの「RZ350e」でラインナップは構成されています。

ちなみに、ファロで乗った時は、3モデルとも好印象。RZ500eは十分パワーがあって、RZ550e F SPORTほど先進的な技術は必要ない、というひとにはいいかもしれません。RZ350eは車重もいちばん軽く、走りは軽快でした。

全国のオヤジさん、日本導入を楽しみに待とうではありませんか。

■ Lexus RZ550e F Sport

全長×全幅×全高/4805×1895×1635mm
ホイールベース/2850mm
車重/2135kg
電気モーター 前後各1基 全輪駆動
システム最高出力/300kW
最大トルク/前後ともに268.6Nm@
一充電走行距離/500km
乗車定員/5名
0-100km/h加速/4.4秒
価格/未定


Lexus International
HP/https://lexus.jp

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小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
クルマ雑誌、グルメ雑誌の編集長を経て、フリーランスのライフスタイルジャーナリストとして活躍中。新車の試乗記などクルマ関連を中心に、グルメ、ファッション(ときどき)、他分野のプロダクト、人物インタビューなどさまざまなジャンルの記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。

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