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2021.04.19

Vol.07

オメガの名作時計「スピードマスター」が約25年ぶりにフルリニューアル!?

数多の時計のなかでも「名作」と呼ばれるモデルを、時計のプロが語ります。第7回目は、“ムーンウォッチ”の通称でも愛される「オメガ」のスピードマスター。伝統を受け継ぎながら、約25年ぶりにフルリニューアルされました。

CREDIT :

写真/鈴木泰之(Studio Log) 文/鈴木裕之

星の数ほどある腕時計のなかで、「名作」と呼ばれるモデルは何が違うのか? 時計のプロがその魅力を語ります。あなたの「時」を豊かにする、理想の1本との出合いを、ぜひ──。

月面着陸のストーリーを、あなたの腕元へ

▲ 「ムーンウォッチ プロフェッショナル コーアクシャル マスター クロノメーター クロノグラフ 42MM」手巻き、SSケース(42mm)×ブレスレット。73万7000円/オメガ(オメガお客様センター)
▲ 「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」手巻き、SSケース(42mm)×ブレスレット。73万7000円/オメガ(オメガお客様センター)
「オメガ」のスピードマスターといえば、手巻きクロノグラフの代名詞であると同時に、通称“スピーディ”と呼ばれる熱心なマニアの多いカルトウォッチとしても知られています。その中でも代表モデルであるムーンウォッチが、約25年ぶりとなるフルリニューアルを受け、超耐磁のマスター クロノメーター仕様に進化を遂げました。

専門家筋から脅威のバリューモデルと騒がれる新しいムーンウォッチは、いったい何がスゴイのでしょうか?

〜ムーンウォッチの3つのバリューポイント〜
(1)初めて月に行ったデザインがそのまま現在まで
(2)基本設計を変えずにムーブメントが超絶進化
(3)オールド回帰の外観と、現代風なディテール

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(1)初めて月に行ったデザインがそのまま現在まで

▲ 初代ムーンウォッチとなった第4世代。
初代スピードマスターが登場するのは1957年のこと。タフな手巻きクロノグラフとして企画された本モデルは、当初はレーサー向けのドライビングクロノグラフとしてイメージ付けされていたようです。そんなスピードマスターに転機が訪れるのは、1964年のこと。

NASAの宇宙開発がマーキュリー計画からアポロ計画へと推移しつつあった当時、NASAは有人飛行計画用の高機能クロノグラフの提出を各社に求めました。

「オメガ」はこれに応えて、第3世代に進化していたスピードマスターをNASAに提出。過酷なテストを受けた3社のクロノグラフの中で、最後まで生き残ったのは第3世代のスピードマスターだけでした。なお、同年に「オメガ」は第4世代を発表。NASAは翌65年に、スピードマスターを公式装備品に認定しています。
▲ 1969年のアポロ11号のミッションにて、バズ・オルドリンも着用していた。
この年、ジェミニ4号のミッションに参加したエド・ホワイトが、第3世代を着用して宇宙遊泳に成功。ちなみに、認定試験に先立つ62年には、ウォルター・シラーが私物の第2世代を着用して、地球周回軌道を飛行しています。「オメガ」がNASAに正式納入した第4世代には“プロフェッショナル”の名が冠され、これが初めて月に降り立つことになる、初代ムーンウォッチとなるのです。
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(2)基本設計を変えずにムーブメントが超絶進化

近年の「オメガ」が積極的に取り組んでいるのが、全ムーブメントのマスター クロノメーター化です。ムーンウォッチが登場した当時と比べて、私たちはさまざまな磁場に囲まれて生活しているため、時計本体でそれに対応する必要が出てきたのです。

「オメガ」は2015年から、スイス連邦計量・認定局(METAS)と共同で、独自の精度基準であるマスター クロノメーターを導入。C.O.S.C.クロノメーター準拠の他、15000ガウスの耐磁性が盛り込まれています。ちなみにこの値は、人体向けMRIが発する磁気と同等だそう。しかし、NASA御用達のムーンウォッチでは、搭載ムーブメントの基本構成を変えずに、これを達成する必要がありました。
▲ 耐磁性を向上させた新型ムーブメントCal.3861を搭載。
新型ムーブメントCal.3861では、シリコンヒゲゼンマイや最新の3層コーアクシャル脱進機の導入、さらに歯車の軸などを非磁性金属のニヴァガウスに置き換えることで、マスター クロノメーター準拠のムーブメントに生まれ変わっています。また、テンワがギリギリまで大きく、厚くされた結果、現行のクロノグラフでは最大級となる慣性モーメントも実現。

簡単に言えば、非常にパワフルなムーブメントとなっており、着用時のさらなる高精度も期待できそうです。メンテナンススパンの長いコーアクシャル脱進機の導入により、保証期間が5年に延長されたのも魅力です。
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(3)オールド回帰の外観と、現代風なディテール

左右非対称ケースを持つスピードマスターの特徴的な外観は、1964年に登場した第4世代で完成を迎えています。この第4世代は、初めて月へと降り立った初代ムーンウォッチですから、以降のスピードマスターは基本的に同デザインと言うことができます。

しかし、詳しく見ると細部は驚くほど変わっており、特に新しいマスター クロノメーター仕様のムーンウォッチでは、“オールド回帰”とでも言うべき魅力的なディテール変更が数多く盛り込まれています。
まず目を引くのが、ダイアルが第4世代と同じ“段付き”となったこと。同時に従来は表面へのプリントだった蓄光インデックスが、彫り込み+流し込みに変わっており、高級感を増しています。
また、完全刷新されたブレスレットで装着感も高まりました。リンクが細かくしなやかになっただけでなく、バックル部分の幅もシェイプされています。これもオールド風のディテールですが、ケースの厚さ自体をほんの少しだけ薄くすることで、装着時のバランスを高めている点がポイントです。

ブレスレットの変更に合わせて、ケースサイドの造形にも変化が見られ、ここもオールド風のプロポーション作りにひと役買っています。実は外観上の変更点だけで、20も30も挙げることができるほど、新型ムーンウォッチは別モノへと生まれ変わっているのですが、それを感じさせないベースデザインの完成度が最大の魅力なのでしょう。
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ

オメガお客様センター 03-5952-4400

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