ディナーは「まさか!」のヴェルサイユ宮殿の離宮にて

▲ ライトアップされたプチトリアノン宮。マリー・アントワネットが愛したプライベート空間です。
昨年250周年を迎えたブレゲ。年末の12月、パリで開催された公式イベントでは、アニバーサリーの締めくくりとなる“大トリ”『エクスペリメンタル 1』を発表。“実験的”という意味を持つ“エクスペリメンタル”をその名に冠し、メゾンの遺産と未来を繋げた一本を世に送り出しました。その模様をお届けした【前編】に続き、今回の後編では、世界各国のウォッチジャーナリスト、エディター、VIPが招かれた250周年記念ディナーの模様をリポートいたします。
アブラアン-ルイ・ブレゲがルイ18世によってフランス王国海軍時計師に任命された歴史を思い起こさせる場所、国立海洋博物館で発表された『エクスペリメンタル 1』。その興奮冷めやらぬ同日夕方、我々は一度ホテルに戻りました。日本からの膨大なメール処理もそこそこに、シャワーを浴び、ドレッシングルームからタキシードを引き出して──250周年記念のガラディナーへと赴くため、です。
黒塗りの車で向かった先は、なんと! ヴェルサイユ宮殿の離宮、プチ トリアノン宮。かの有名な懐中時計『No.160“マリー・アントワネット”』の逸話でも知られるように、ブレゲの時計の熱烈な愛好者であり、上顧客でもあったマリー・アントワネットが愛したこの小さな宮殿は、宮廷の煩わしいしきたりから逃れ、彼女にとって唯一心休まる“楽園”であったとされています。ちなみに新古典主義建築の最高傑作と言われるこの地を再生させるべく、支援したのもブレゲでした。装飾の完全修復、ミュージアムとして見学者を迎えるためのあらゆる整備が行なわれ、現在の姿になったというわけです。

▲ プチトリアノン宮の前で日本から渡ったエディター、ジャーナリストチームと(筆者は右から二番目)。ヨーロッパの歴史と文化を感じさせる美しき場所でした。
プチ トリアノン宮を見学し、ブレゲとマリー・アントワネットの関係に思いを馳せた後、我々はさらに奥に歩を進めました。現れたのはギリシャ風の列柱──ルイ14世の命で建築された離宮、グラン トリアノン宮であります。現在でもフランス首相官邸のひとつとされ、外交に訪れた賓客をもてなす迎賓館として使用される由緒正しきこの場所が、今回のディナー会場とは! 正直、楽しみよりも緊張が走りました……。

▲ 荘厳な佇まいのグラントリアノン宮。まさかここがディナー会場だなんて……。

▲ ルイ14世、ロシア皇帝・ピョートル大帝も居住した場所。庭を臨むペリスタイル。
会場で我々を真っ先に迎えてくれたのはブレゲCEO、グレゴリー・キスリングでした。ユーモアを交えたトーク、ウェルカムの姿勢に一同、緊張がほぐれて。ちなみに氏のシックかつ遊びのあるスタイルと『エクスペリメンタル 1』の組み合わせを目にして、改めてこの時計のデザイン性、ファッション性の高さを感じ取った次第。
ブレゲのホスピタリティとシャンパーニュでリラックスした後、美味しいお食事とモダンクラシックな音楽に身を委ねながら、グラントリアノン宮の天井を仰ぎ見て、思いました。ヨーロッパの文化・歴史とともに歩み、その遺産を継承するウォッチメゾン、ブレゲが描く未来地図にこそ、正当な時計の未来があることを。
それにしても、本当に貴重な経験、でありました……感謝。
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