2025.09.20
世界が注目する「クレドール」の薄型トゥールビヨン。美と技術を凝縮させた腕に載せるアートです
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回は時計ジャーナリストの高木教雄さんが、日本が世界に誇る時計ブランド「クレドール」の『ゴールドフェザー トゥールビヨン限定モデル』(GBCF999)を選びました!
BY :
- 文/高木教雄
- CREDIT :
編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:時計ジャーナリスト 高木教雄
工芸的な美を称える薄型トゥールビヨン


トゥールビヨンを太陽に見立て、そこから12時位置のクレストマークに向かって飛翔する鳥の群を表したダイヤルを手掛けたのは、加賀蒔絵師の漆芸家、田村一舟氏。
トゥールビヨン近くの赤い鳥は、24金の薄板をカットして漆の上に置く切金(きりがね)の技法で、それら以外は白蝶貝と夜光貝を貼り付ける螺鈿の技法を駆使し、躍動感あふれる飛翔の様子が表現されました。
さらにケースバックに姿を見せるムーブメントも、螺鈿と高蒔絵、彫金によって優美なフェザーモチーフを表しています。
「現代の名工だからこその、高度な組み立て技術に敬服」(高木)

▲ ケースの厚さはわずか8.6mm。圧倒的な存在感で所有欲を楽しませながらも、ドレスシャツに難なく収まります。
▲ ケースバック側のムーブメント地板には「ゴールデンフェザー」コレクションのアイコンである羽を繊細に彫刻。さらに、夜光貝の螺鈿と高蒔絵で、猛禽類が羽ばたく際に上昇力を生みだす「風切り羽」も表現。ため息の出る美しさです。
▲ ケースの厚さはわずか8.6mm。圧倒的な存在感で所有欲を楽しませながらも、ドレスシャツに難なく収まります。
▲ ケースバック側のムーブメント地板には「ゴールデンフェザー」コレクションのアイコンである羽を繊細に彫刻。さらに、夜光貝の螺鈿と高蒔絵で、猛禽類が羽ばたく際に上昇力を生みだす「風切り羽」も表現。ため息の出る美しさです。
だから組み立て時には歯車の噛合具合や精度などに一切不備がないよう念入りに調整しています。工芸的な技巧だけでなく、組み立て技術も世界に誇れる一本です。


● 高木教雄(たかぎ・のりお)
時計ジャーナリスト。1962年生まれ。大学では機械工学を学ぶ。1990年代後半から時計を取材対象とし、時計専門誌やライフスタイルマガジンなどで執筆。スイスで開催される新作時計発表会に加え、工房取材を積極的に行う。著書に『世界一わかりやすい腕時計のしくみ』(世界文化社)など。
■ お問い合わせ
セイコーウオッチお客様相談室 0120-302-617