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2022.04.30

ゼンマイ紳士の愛用時計ストーリー【ソリマチアキラ編】

洒落者イラストレーターがタンク ルイ カルティエに魅せられた理由

お洒落な男性なら誰もがステキな時計を持っているものです。そこでこだわり男子に、こっそり愛用時計にまつわるエピソードをインタビュー。実に興味深いお話がアレコレと飛び出します。

CREDIT :

写真/小澤達也(Studio Mug) 文/T.Kawata 構成/長谷川 剛(TRS)

クラシックの王道を行く名品、タンク ルイ カルティエ

スマートかつすらりとした長身に、丁寧な整髪、クラシックな装い、落ち着いた語り口。どこをとっても、文句のつけようのない洒落者が今回のゲスト、ソリマチアキラさんです。まさに、こういう男性を紳士と呼ぶのでしょう。

ソリマチさんは、ファッションイラストレーターとして、雑誌、広告で多彩に活躍するだけでなく、洗練された着こなしにも注目が集まる人物です。そんな洒落者が愛用するのはカルティエのタンク。そのなかでも、最もベーシックな「タンク ルイ カルティエ」でした。
▲ ソリマチさんのタンク ルイ カルティエ。昨今、あまり見かけなくなったデイデイト付きという点も クラシックで通好み。こちらはクオーツモデルで、特に機械式であることには、こだわらなかったそうです。
「高校生のころから、憧れていた時計です。当時、トレンドの装いの教本には、必ず紹介されていましたし、アラン・ドロンやアンディ・ウォーホルといった著名人も着用。クラシックファッションを愛好する人たちが身に付けていたのも知っていました。購入時、私は34、35歳くらい。それまで、壊れやすいアンティークウォッチしか持っていなかったので、正統派の上質な時計が欲しいという気持ちが強かったんです」とソリマチさん。

お気に入りのポイントを聞いてみると、上品な装いと共通するセンスが感じられました。

「オーセンティックなアールデコスタイルで、全面に時計が主張しないのが気に入っているんです。さらにスクエア型も欲しい形でした
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ブラウンの革ベルトをコロニアル風に着こなす

カジュアルに使えるよう、あえてブラウンのアリゲーターストラップを選んでいて、フォーマルな装いにはコーディネートしないのがソリマチさん流です。「麻やコットン、ツイードといった少しラフな印象の素材を使った、ジャケットやスーツに合わせます。色でいえば、ベージュやブラウン系の洋服と好相性です」

取材時の装いはリネンのジャケットを生かしたスタイルでした。時計のブラウンのレザーベルト、ゴールドのケースにより、「コロニアル風のムードが醸し出せます」と聞いて納得。
▲ 国産リネンを使ったジャケット、襟のターンが長めのシャツはともにビスポーク。パンツは、既製品でしたが、購入後、シルエットをやや細身にお直ししたというこだわり振りです。ちなみにブランドは以下のとおり。ジャケット/バタク、シャツ/ブライスランズ、タイ/アスコット、パンツ/ブッチャープロダクツ、シューズ/ジェイエムウエストン。チーフ/ロダ、眼鏡/サバージュ。すべて本人私物。
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フリーランスになった10周年記念で購入

ソリマチさんがタンクを入手したのは2001年。ちょうど、イラストレーターとして独立し、10年目の記念にと購入したものでした。銀座並木通りのカルティエのブティックを訪れると、店頭には当時人気絶頂だったタンク アメリカンや、タンク フランセーズばかりが並んでいて、タンク ルイ カルティエは見当たりません。

スタッフに尋ねると「昔のタンクですね」とストックルームから、現れたソレに、ソリマチさんは胸をなでおろしつつ、「昔の、と言われちゃった……」なんて心の声も、いまでは愉快な思い出に。
「クラシックなスタイルが好きなので、時計には現代的なデザイン性を求めません。変わらないスタイルもチョイスの条件です。私は古き良き時代から変わらず、現代まで通用する完成度の高いデザインに魅力を感じます。タンクが登場した時代(誕生は1917年)、アールデコを用いたデザインは最先端で、さぞ新鮮だったでしょう。そして、いまなお通用する力強さがあります」

ジャガー・ルクルト、オメガのアンティークが登場

時計と装いの説明で、ソリマチさんの好みがわかってきたところで、ほかにも愛用の時計を拝見することに。

まずはジャガー・ルクルトのアンティーク。1940年代のもので、タンク ルイ カルティエ購入から1年ほどして、東京・青山のアンティークショップで見つけたものです。「好きな時代の品であり、ブラックフェイスや、アンティークに多くみられるスモールセコンドに愛着を感じます。ダークスーツなどフォーマル度の高い装いに合わせるのが常です」
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▲ こちらは手巻き式。昔ながらのスタイルを愛好するソリマチさんにとって、時刻合わせや、ゼンマイを巻く作業は日常であって、まったく手間だと感じないそう。
次はオメガのブリティッシュミリタリーウォッチ。こちらも1940年代のもので、ジャガー・ルクルトと同時期に購入。購入の数年前から探していて、ようやく巡り合えた待望の一品でした。
▲ 「先の二つよりもさらにカジュアルなので、ジーンズやチノパンとのコーディネートが多いですね。夏場は半袖の開襟シャツやスニーカーにも好相性なんです」
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仕事のスタイルもクラシックが基本

時計や装いだけでなく、イラスト制作の裏側について尋ねると、そこにも一貫したポリシーがありました。「手描きが好きです」とソリマチさん。手描きの線画をスキャンしてデジタルで着色する作業も、たまにあるものの、基本は線画、彩色ともに昔ながらの手仕事。

「すべてがデータで制作されたものではなく、描いたものが実物として残るほうが好みだし、実際に額装できる手描きのものが私にとっては作品です」との言葉から、ファッションに共通する美意識が伝わります。
▲ イラスト用のお仕事道具を拝見。画用紙は凹凸がなく、紙面に影が出にくいザ・ラングトン、絵具はイギリスの老舗画材メーカー、ウィンザー&ニュートンを愛用。
▲ ソリマチさんの手描きの作品。ディフォルメされていても、洋服のシルエットや靴のディテールが、しっかりと表現されているのには脱帽です。
余談ながらアトリエで拝見した彼の私物をもうひとつご紹介しましょう。これを見れば、ソリマチさんの趣味の良さが、よりご理解いただけるはずです。
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▲ 時計が収まっていたのは、こんな上品なボックスでした。北欧のロバート・ダルガス・ラーセンによる逸品で、ローズウッドと思しき木材にシルバーを張り合わせた工芸作品です。また、ラストのスターリングシルバー製ブレスレットとバングルが、時計と一緒に収納されていました。
ついついアピール力が絶大な一点豪華主義の時計に、心奪われてしまうのは洒落者の性かもしれません。しかし、紳士たるもの、控えめかつクラシックな時計を使いこなせてこそ、一人前。今回のインタビューは、そんな大人のエレガンスをさりげなく教えられた気がいたします。

● ソリマチアキラ(イラストレーター)

1966年東京生まれ。幼少期、新潟に移り住み、18歳までを過ごす。子どもの頃から絵を描くのが好きで、中学生の時、アイビーやプレッピーをきっかけにファッションにのめり込む。アパレルをはじめ幅広い仕事を経て、1991年、プロのイラストレーターになる。現在は雑誌、企業広告など幅広い分野で作品を発表。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。
 HP/https://tis-home.com/akira-sorimachi/

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