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2023.12.31

世界第3位の観光大国トルコ。まだ日本人の多くが知らないこの国の魅力を知るなら今⁉

世界第3位の観光国なのに、なぜか日本人があまり訪れていない国、トルコ。異国情緒に溢れ、気候は温暖、物価は安く親日的ということナシ。コロナ禍を抜けた新たな海外旅行の目的地としてぜひオススメなんです。

CREDIT :

文・写真/木村千鶴 写真/トルコ政府観光局

トルコ LEON.JP

伝統と革新、異国文化の融合で独自のスタイルを築き上げたイスタンブル

2023年10月に日本を訪れたインバウンド(訪日外国人数)は251万6500人となり、新型コロナの感染が拡大する前の水準を初めて上回ったと発表されました。対するアウトバウンド(日本人出国者数)は約93万7700人と、2019年同月比で43.6%減と未だ伸び悩んでいます。とはいえ元気な読者の皆様は、そろそろ海外への旅行もお考えになっている頃かと思います。
3年にわたって続いたコロナ禍の閉塞感を追い払うに相応しい目的地はどこか? ヨーロッパにも行きたいけど物価の高騰は気になるし、アジアは行き尽くしたし。となると……おやおや、その2つを繋ぐちょうどいい場所がありましたよ。街並みはヨーロッパスタイル、食べ物は美味しく物価は日本以下、親日国家で厚いホスピタリティを持つ“遠くてなんだか近い国”。それは今年建国100周年を迎えたトルコ共和国!
トルコ LEON.JP
▲ イスタンブルは歴史的建造物が多く残り、世界遺産となっている旧市街と、ヨーロッパ風の街並みの新市街の2つの区域に分かれている。こちらは旧市街。
グローバル規模で観れば2023年には約5200万人の観光客が訪れ、世界第3位の観光市場となったトルコですが、まだまだ日本人が訪れることは少ない“知られざる国”。コロナ禍前の2019年の国別外国人旅行者数データを見ても人気ランク外、わずか0.5%に留まっています。ということは、今が先取りのチャンス! と確信して、今回はトルコ共和国観光局が主催するプレスツアーに参加して、その魅力を探ってまいりました。
行き先はトルコの玄関口、イスタンブルから、ほぼ日本人は訪れていないだろう、南東アナトリア地方にある世界遺産、ネムルート山やギョべクリテぺ、シャンルウルファの街などです。

第1弾ではイスタンブルを、第2弾では南東アナトリア地方の魅力を2回に分けてご紹介していきます。
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トルコ LEON.JP
▲ 新市街はヨーロッパスタイルのお洒落な街並みが続く。

モスクからは礼拝を知らせるエザンの美しい歌声が響き渡る

イスタンブルはボスポラス海峡を挟み、ヨーロッパ大陸とアジア大陸をつなぐ海辺の街です。古くはローマ帝国・ビザンチン帝国・オスマン帝国時代より、東西の文化交流の中心の場として繁栄してきました。
現在は人口1600万人と東京より大きな都市であり、2022年には、世界有数の巨大空港イスタンブル空港もオープン。ヨーロッパとアジア、さらに中東をもつなぐハブ空港として、世界での存在感もより増しているのです。
トルコ LEON.JP
▲ 旧市街と新市街をつなぐカラキョイの船着場周辺はシーフードレストランが軒を連ねる。人々のファッションはこの通り自由なスタイル。
イスタンブルの地に立ってまず感じたのは、なぜか親近感が湧くということ。街並みは異国そのものですから不思議です。おそらく、気候が似ていて、東京とほとんど気温が変わらないことや街全体に清潔感があること(毎朝自治体が清掃しているそうです)、そして島国の私たちにとっては海辺の独特な活気には親しみを持てるということなのかもしれません。
トルコ人の信仰する主な宗教はイスラム教ですが、1923年の建国から政教分離されたため、服装についても各々の考えが尊重されています。女性はモスクに入る時にはスカーフが必要ですが、それ以外は街行く人々も自由にお洒落を楽しんでいるようです。
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トルコ LEON.JP
旧市街のモスクの前。信者も観光客も同じく、モスクの中に入る時には静かな気持ちで。
街には至る所にモスクがあります。そこから1日5回、礼拝を知らせるためのエザンの美しい歌声が響き渡ります。礼拝は太陽暦を基に行うため日々時間がずれるので、呼びかける必要があるとのこと。慣れないうちは早朝のエザンに叩き起こされましたが(笑)、3日も経てば子守唄みたいなものでした。
イスタンブルの街は多様な文化を受け入れて繁栄してきたためか、エリアごとに違う顔がありました。ヨーロッパサイドは金角湾を挟んで新市街と旧市街に分かれており、旧市街は歴史地域として地区全体が世界遺産となっています。その歴史地域の代表的な建造物が旧市街の丘の上に並ぶように建つ、トプカプ宮殿とスルタンアフメト・モスク、アヤソフィアです。
トルコ LEON.JP
▲ トプカプ宮殿のスルタン謁見の間の王座。横にはお気に入りの女性も座らせたとか。
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トプカプ宮殿はオスマン帝国のスルタン(皇帝)、メフメトⅡ世によって建造された宮殿です。オスマン帝国の支配は1299年〜1922年まで続き、その大半のスルタンがトプカプ宮殿で暮らしていたとのこと。70万㎡という広大な敷地の中で、歴代のスルタンによって増築が繰り返されたため、様々な目的の建物が混在しています。
その中のひとつがハレムです。ハレムには600人〜1000人の女性(妃やその候補)が暮らし、スルタンの母后、幼少の王子や王女、世話役などの宦官も住まいを共にします。となると、もちろん仲良しこよしとはいきませんね。嫉妬や陰謀が渦巻くハレム内では権力争いが絶えず、妃となっても安寧を得ることはなかったとか。そのハレムの怨念を鑑賞中に感じることはありませんが(笑)、内装を彩るタイルが見事で、宝石のようでした。
イスタンブルで最も有名なモスクは、「ブルーモスク」の通称で知られる、スルタンアフメト・モスク。1616年、オスマン帝国第14代スルタン・アフメト1世が、建築家ミマール・シナンの弟子であるメフメット・アーに指示して建築されました。世界で一番美しいモスクを目指して造られたというブルーモスクは、まさにオスマン建築の最高傑作。内部の壁に貼られた2万1043枚もの青を基調とした美しいイズニックタイルによってブルーモスクと呼ばれるようになったとか。見事なステンドグラス、相互に織りなすように中央ドームと副ドームでひとつのドームを作り出しているような内部の様式も圧巻です。
トルコ LEON.JP アヤソフィア
▲ アヤソフィアは元が教会のため、外観も少し他のモスクとは違うようです。
ブルーモスクと隣り合わせにあるのがアヤソフィアです。かつてはキリスト教の大聖堂だったものがオスマン帝国時代にイスラムのモスクへと姿を変えた建造物。イスラム教は偶像崇拝が禁じられていますが、モスクへと変化した際にも聖母子像や大天使を描いたモザイクは破壊されることなく覆い隠されたため、保存状態がとても良いとのこと。トルコ共和国となってから初代大統領アタテュルクの許可により修復が始まり、現在では誰もが貴重なモザイク画を鑑賞することができます。
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トルコ LEON.JP バザール
▲ 新しいもの古いもの、高級なものとチープなもの、なんでも揃うのがグランド・バザール。
同じく旧市街にあるのが世界最古で最大の屋根付きバザール(市場)、グランド・バザールです。総面積3万700㎡の敷地内に軒を連ねる数千の店舗は、路地ごとにアンティークの店、絨毯の店など扱うものが分かれています。

コツを掴めば効率よくお買い物ができるかもしれませんが、出入り口の門は24カ所もあり、内部はまるで迷路のように入り組んでいます。お連れさまが迷子にならないよう、ぜひ手繋ぎデートでお買い物を楽しんでくださいませ(笑)。

新市街はお洒落でモダンな街並みに加え美味しいグルメも豊富

トルコ LEON.JP
▲ 新市街の裏通り。そぞろ歩きも楽しい飲屋街があった。
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旧市街から橋を渡った先にある新市街はヨーロッパ色が強く、お洒落でモダンな街並みが印象的。カラキョイのベイエリアには近代的なショップが連なり、裏通りは飲み屋横丁でしょうか、オープンカフェスタイルの店が多く、歩くだけでも楽しい! 路地には炭焼きのいい匂いが漂っています。
そう、トルコ料理の代表選手、ケバブです。ケバブは肉焼きのことだと思っていましたが、焼き料理全体を指すんですね。羊や牛の肉と共に野菜も焼きます。かなりの確率でナスでしたが(笑)、このナスがとろりとして美味しかった。肉や野菜に刻んだ野菜のソースをかけて食べるのが最高! トルコの野菜は美味しいのです。
トルコ LEON.JP ケバブ
▲ 炭焼きの香りが香ばしいケバブ。このナスが美味しかった。
ひとつ注意ですが、トルコ人はもてなしの心が厚いのか、食べ切ると「足りてないのでは?」とさらにたくさん提供しようとしてくれます(笑)。残しても大丈夫。そして食べ過ぎにはご注意を!
新市街と旧市街をつなぐ橋のひとつ、ガラタ橋の上には小アジ釣りを楽しむ人たちがずらりと並び釣り糸を垂らしています。海辺の街ですから、魚も好んで食べられているようです。サバサンド(バルック・エキメッキ)が名物で、バゲットに焼きたてのサバ・レタス・生のたまねぎを挟んだだけのシンプルな味付けですが何とも美味しく、現地の人にも人気が高いようでした。
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トルコ LEON.JP サバサンド
▲ ガラタポートで食べたサバサンドは上品でした。
街歩きの食べ物も美味しいですが、本格的にガストロノミーを意識して食べるならカラキョイ地区のレストラン「Muver(ミュルヴェル)」がオススメ。ミシュランエントリーの若手シェフが、自身の地元アナトリア地方や地中海で採れたオーガニック食材を使って、伝統を意識しつつも斬新な手法を用いた新しいトルコ料理を提供してくれます。
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最新のグローバルスタンダードと伝統の重厚感。選ぶならどっち?

快適な旅に外せないのはホテル選びですよね。イスタンブルで宿泊と視察を含めて訪れたホテルは6カ所。そのすべてに共通するのは厳重なセキュリティ管理(入館時に荷物はX線を通しゲートを通る)と、働く人たちの温かさ、そしてロビーに漂ういい香りです。
トルコには香りで客人をもてなす習慣があるとのことで、どこのホテルも香りが良いのがうれしい。お客様を招く時や手洗いの後にも「コロンヤ」という消毒液を兼ねたコロンを使用するくらい、トルコの皆さんは香りに敏感なんです。
トルコ LEON.JP ペニンシュラ
▲ 「ザ・ペニンシュライスタンブル」は歴史的建造物をブラッシュアップして再利用。目指すはイスタンブルのナンバーワン。
さて、数あるホテルの中からどこをご紹介するか、本物の宮殿をホテルに改装したチュランパレスの重厚感と美しさは目を見張るものがありますし、コンラッドホテルの快適さと朝食の美味しさは今でも心に残っていますが、なかでも旅慣れたオヤジさまたちにオススメするとしたら、ザ・ペニンシュライスタンブルとペラ・パレスでしょうか。
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ザ・ペニンシュラはガラタポートのウォーターフロント再生プロジェクトの一環として2023年に誕生したばかり。立地は最高、設備は富裕層向けにトレンドを取り入れていて、ランドリーはお部屋からポストできるし、ネイルドライヤーも完備。なんとトイレはTOTOのウォシュレットなんです!(久しぶりに温かい便座に座れて感激しました)
すべてにおいて一番を目指すペニンシュラならストレスフリー。お出かけの際にはカートでガラタポートまで連れて行ってくれます。ボスポラス海峡を眺めながらアフターヌーンティーを楽しむも良し、カノジョとのんびりお部屋でお篭りも良し、いいことづくめのラグジュアリーホテルが、ザ・ペニンシュラです。
トルコ LEON.JP ペニンシュラ
▲ 「ザ・ペニンシュライスタンブル」の部屋から見えるのはボスポラス海峡。何も考えずに1日を過ごしたい。
歴史の中にどっぷり浸かってトルコの物語を感じたければ、ペラ・パレスがオススメ。創業は1892年、パリ〜イスタンブルを結ぶオリエント急行で訪れる著名人や貴族をもてなすために建てられたホテルです。
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トルコ LEON.JP ペラ・パレス
▲ 「ペラ・パレス」の美しく重厚なロビー。ここにはトルコ最古の木造エレベーターもあるんです。
2008年に大規模なリノベーションを行っているため、クラシカルな佇まいはそのままに、快適さがプラスされています。アガサ・クリスティが『オリエント急行殺人事件』を書いたのはペラ・パレスの411号室とのこと。こちらの部屋も運が良ければ宿泊可能です。
トルコ LEON.JP ペラ・パレス
▲ アガサクリスティ411号室。実際に使用されていたタイプライターもあります。
トルコはここから2030年までを3段階に分けて、観光に力を入れていくとのこと。よってイスタンブルもどんどん進化していくでしょう。新しいイスタンブルをエンジョイするも良し、歴史を辿り知識欲を刺激するも良し。イスタンブルの魅力はまだまだ伝えきれていませんが、この続きはぜひ、現地まで“飛んでイスタンブ〜ル♫”して、物語を紡いでくださいませ。

それでは皆さま、テシュキュレール!(ありがとうございました)

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