2025.10.26
第10回 菊川 怜 【vol.03】
美しい人、菊川 怜。「未来のことなんてわからない。だからこそ“今”という瞬間を大事にしたい」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。今回ご登場いただいたのは菊川 怜さんです。東京大学工学部出身と高学歴女優のはしりとして大活躍。出産・育児での休業を経て復帰し、現在久しぶりの主演映画が公開中です。菊川さんの変わらぬ美しさをお伝えする企画のvol.03です。
- CREDIT :
写真/野口貴司 文/渡邉朋子 スタイリング/金子美恵子 ヘアメイク/山田典良 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

今回ご登場いただいたのは菊川 怜さんです。東京大学工学部在学中にスカウトされ芸能界デビュー。高学歴女優のはしりとしてドラマや情報番組のキャスターとしても大活躍。その後は出産・育児などのため休業していましたが、復帰して現在久しぶりの主演映画も公開中です。母となっても抜群のスタイルを維持し変わらず魅力的な菊川さん。その美しさの秘密に迫るvol.03です(vol.01はこちら、vol.02はこちら)。






【interview 03】
美しい人とは純粋さの上に苦労や失敗を経て培った知性や経験を持っている人
菊川 怜さん(以下、菊川) そうですね。久しぶりですごく楽しかったです。水に濡れる撮影も、あれだけ水を浴びると目が開かなくなるんだ!と初めて知りました(笑)。
── 菊川さんを拝見していると、とても美しくてスタイルもキープされていて、小さなお子さん3人を育ててバタバタな毎日ということが想像できません。
菊川 いや、バッタバタですよ! 私の家の中をビデオで撮って定点観察してほしいぐらい(笑)。両手どころか体すべてを使って、目もあっちもこっちも全部に向いていて、もうすごいですよ(笑)。でも忙しすぎるぐらいのほうが余計なことを考えなくていいのかもしれないですよね(笑)。

菊川 体重はまったく気にしていませんでした。変な話、母乳を出すためにむしろ食べなきゃ、食べなきゃと思っていたので。
── 今は美容に使う時間はなかなかないですか?
菊川 使いたいですけど全然時間がないので、取り返しがつかなくなっちゃったらどうしようと思って(笑)。確実に若い頃とは違ってきているけど、忙しすぎて考える間もなく日々が過ぎていっちゃいますね。今は最低限できる美容で、日焼け止めは唯一できていますけど、もう少し自分の時間を持てるようになったら、ちゃんと運動をして筋肉もつけて、パックとか肌のお手入れもちゃんとしたいです。

菊川 やっぱり芯の部分がどこか純粋で、かといってあどけないということではなく、その上にいろんな苦労や失敗を経て培った知性や経験、生き方みたいなものを持っている人ですかね。そして、どんなことでもいいんですけど、本人が生きているなということを実感しながら与えられた限りある時間を大事にしているというか。……日本語って難しいですね(笑)。的確な表現がうまくできないですけど。
── 菊川さんの言う純粋さとはどういうものですか?
菊川 それこそ“美しい心”というところに戻っちゃうんですけど(笑)。やっぱり子どもを見ていると、すごくピュアだなと思うところがあって、そういう心の純粋さをいくつになっても持ち続けながら、大人として積み重ねてきた経験を経て磨き上げられたものというか。そういう部分を持った人は美しいなと思います。

菊川 それはあると思います。 理想としてはいくつになってもチャレンジ精神とか、新しいことに取り組む気持ちを持ち続けていたいなと思うし、そうすることで生活にハリが出ていきいきと楽しめますよね。
── 最近では、PRコンサルティング事業を手がける「Enjin」という企業の社外取締役に就任されるなど、芸能のお仕事以外にも幅を広げられていますね。
菊川 単なる素人なのに、そういう機会をいただけたので、今まで自分が培ってきたものでお役に立てるようなことを模索しながら取り組みたいなと思っています。まだ具体的なことは始まっていないんですけど、いろいろ教えていただきながら、とりあえずやってみようという気持ちです。まったく違う世界なので、自分も学びになればいいなと思いますけど、自分がどういう価値を提供できるか、そこが一番ですよね。

菊川 今は目の前のことを全力投球でやっていたら、日々、時間が過ぎているという感じなので、まだ先のことはわからないですね。だから明確なプランや目標設定があるわけではないんですけど、その先に何があるかわからないからワクワクしている部分もあります。そういう意味では、人間万事塞翁が馬で。……って使い方が合っているかわからないですけど(笑)。本当何が何につながっていくかわからないので、いろんなこと貪欲にチャレンジして、時代の変化にも取り残されないようにと思っています(笑)。
── ずばり今、幸せですか?
菊川 幸せだと思います。
──どういうときに一番幸せを感じますか?
菊川 子どもたちとキャッキャ、キャッキャと他愛もないことで笑い合っている時。くだらないことで、ワッハッハ! とやっている時はすべてを忘れられるというか。

菊川 ここを過ぎたら楽になるかなとか、これを乗り切ったら楽しいかなと言っていると、一生それで終わっちゃうと思うんです。だから、「今」を楽しむというか、「今」を大事にしたいなとすごく思うんですよね。もちろん人生って大変なこともいっぱいあって、全部が楽しめる時間ではないけど、未来のことなんてわからないし、やっぱり一番大事なのは「今」だと思うので、その瞬間、瞬間を大事にしながら過ごしたいなと思っています。

● 菊川 怜(きくかわ・れい)
1978年2月28日、埼玉県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。1997年、大学在学中にスカウトされ、モデルデビュー。その後、「東レキャンペーンガール」に選ばれ、1999年にドラマ『危険な関係』で女優デビュー。2002年と2003年にタレントCM起用社数ランキングで年間首位を獲得。2003年には『OL銭道』で連続ドラマ初主演を果たし、第27回エランドール賞新人賞、第40回ゴールデン・アロー賞放送賞を受賞。俳優業にとどまらず、2002年から7年間『真相報道 バンキシャ!』でキャスターを、2012年から5年間『情報プレゼンター とくダネ!』でサブ司会を務めるなどマルチに活躍。

『種まく旅人~醪のささやき~』
農業や漁業など日本の第一次産業を応援する映画「種まく旅人」シリーズの第5作。伝統的な手法を続ける兵庫県淡路島の老舗酒蔵に、農林水産省官僚の神崎理恵(菊川怜)がやってきた。日本酒産業のいまを知るべく、「日本酒オタク」の異名を取る彼女に視察の白羽の矢が立ったのだった。理恵が訪れた千年一酒造では、伝統的な手法を貫こうとする蔵元の松元恒雄(升毅)と、新しい方法を取り入れていこうとする息子の孝之(金子隼也)がぶつかり合っていた。蔵人の中には、女性蔵人の夏美(清水くるみ)を含め若手の姿もあるが、後継者を育てることに杜氏の草野(たかお鷹)は焦り、ほかの蔵人たちとの間にちょっとした誤解が生じていた。直面する様々な問題を垣間見た理恵は愛する日本酒を守るため解決策を模索していくが、そんななか、千年一酒造に海外からの事業買収の話まで持ち上がり……。監督/篠原哲雄
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
HP/『種まく旅人 〜醪のささやき~』公式サイト
■ お問い合わせ
LE PHIL NEWoMan新宿店 03-6380-1960















