2025.10.11
第10回 菊川怜 【vol.02】
美しい人、菊川 怜。「現場に立てたことがうれしかったです。あぁ、この感じ、この空気感が懐かしくて」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。今回ご登場いただいたのは菊川 怜さんです。東京大学工学部出身と高学歴女優のはしりとして大活躍。出産・育児での休業を経て、10月には久しぶりの主演映画が公開されます。菊川さんの変わらぬ美しさをお伝えする企画のvol.02です。
- CREDIT :
写真/野口貴司 文/渡邉朋子 スタイリング/金子美恵子 ヘアメイク/山田典良 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

今回ご登場いただいたのは菊川 怜さんです。東京大学工学部在学中にスカウトされ芸能界デビュー。高学歴女優のはしりとしてドラマや情報番組のキャスターとしても大活躍。その後は出産・育児などのため休業していましたが、今年10月には久しぶりの主演映画も公開されます。母となっても抜群のスタイルを維持し変わらず魅力的な菊川さん。その美しさの秘密に迫るvol.02です(vol.01はこちら)。





【interview 02】
一番下の3歳の女の子は結構気が強くて、私も気が強かったので似ているなと
菊川怜さん(以下、菊川) もともとは何も考えていなかったタイプだと思うんです(笑)。割と仕事に邁進していたので、気づいたらというか。
── 女性は出産によってどうしてもキャリアが一旦途切れてしまうということがありますが、それに対する不安や迷いはなかったですか?
菊川 実際に自分が子どもを持って仕事をするという段になった時に、子育てと仕事の両立は本当に手探りで、やっぱり難しいなとは思いました。子どもがもっと小さかった頃は本当に手が離せなくて必死だったので、逆に仕事をどうしようという思いすらなかったんです。でも、ちょっと落ち着いてくると、社会から遠ざかっていることをすごく感じましたね。そこから復帰といっても以前のようになかなかすぐには軌道に乗らないというブランクも感じましたけど、仕事は続けていきたいという気持ちはずっとありました。

菊川 子どもを育てる上で、その後の人格形成とかも含めて親の与える影響ってすごく大きいと思うので、注意の仕方ひとつにしても、もっといい言い方があるんだろうなと思ったり、とても難しいなと思います。まだ上の子が6歳なので、これから先のほうが直面する課題はいっぱいあるんだろうなと想像していて。精神的な部分だったり、子どもとの関わり方みたいなところも、本当に毎日、修行しているような感じです(笑)。
── お子さんたちを見ていて、ご自身と似ているなと感じるところはありますか?
菊川 3人とも全然性格が違うんですけど、例えば一番下が女の子で、結構気が強くて、私も小さい頃、すごく気が強かったので、そこは似ているなと思って(笑)。上のお兄ちゃんたちともケンカしています(笑)。

菊川 もともとそんなに上手に子育てができるとは全然思っていないので、想定の範囲内かなと思っています(笑)。
── あまり完璧を求めるタイプではないですか?
菊川 もう全然無理ですね(笑)。だからできる範囲のことを一生懸命頑張るという感じです。まずは健康であってほしいと思うので、バランスよく食べて、ちゃんと寝て、そういう生活の一番基本の部分を大事にしようとは思っています。
── 保育園などを通じてママ友とのおつき合いなどもあると思いますが、芸能の世界にいることで難しさを感じることなどはないですか?
菊川 お茶を飲んだり普通におつき合いさせていただいてますね(笑)。一緒に遊びに行ったりできると、私も子どもたちも世界が広がるのでありがたいなと思います。

菊川 いただいたお仕事をどうやりくりできるかというところだけを考えていて、 バランスは考えてないです。でも、今日1日のプランとか時間割とか、今日はこれがあるから、この30分で何をして、3人の子どもも1番と2番、3番はこれをやってというやりくりはすごく考えます。それでも、この準備できてない!とか、これ見落としてた!みたいなこともあって、結構時間を取られます(笑)。
── そんな中、10月10日には主演映画『種まく旅人〜醪のささやき〜』も公開されますが、15年ぶりとなる映画の撮影現場はいかがでしたか?
菊川 やっぱり現場に立てたことがうれしかったです。あぁ、この感じ、この空気感だよなというのが懐かしくもあり緊張もありましたけど、楽しかった。そっち方面で脳みそを使っていなかったのでセリフ覚えるのは、大変でしたけど(笑)。

菊川 今は子どもがいるのでなかなか飲む機会がないですね。ちょっと弱くなってきたのもありますけど。
── もともとお酒は強いほうなんですか?
菊川 はい、若い頃はすごく好きでした(笑)。
── 今回の撮影で一番苦労したのはどういう部分ですか?
菊川 暑さですかね。冬に夏のシーンを撮っていたというのもありますけど、蔵で米を発酵させるシーンなどは温度の高い部屋に大人数で入って撮影していたので、ワンカット撮るごとに氷のうを当てて水を飲んで、終わるとみんな、はー! という感じでした(笑)。

菊川 ちょっとドキドキしながら観たんですけど(笑)。終わった後に篠原(哲雄)監督からご連絡をいただいて。「役者さんというのは、初めて観るタイミングでは自分の演技とかに目がいってしまって、ストーリーに入り込んで見られないんだよ。だから2回目に観たらまた見え方も違うと思うよ」と言われて。私、まだ何にも言ってないのに(笑)。
でもまさに、自分のお芝居はどうだったかなとか、そっちに目がいっちゃって、ストーリーに没入して見られないというのは確かにあったので、ズバリのことを言われました(笑)。まだ1回しか観られていないので、2回目はストーリーを楽しめたらいいなと思っています。
菊川 今はまだ育児があるので、目の前のことに1個ずつ向き合って頑張っているという感じで先のことまでは考えきれないですけど、そこは自然の流れで、ですかね。でも歳も重ねたてきたので、悪役とか癖のある役とか変わった役とか、振り切ったコメディとか今まで演じたことのないような役もいろいろやってみたいなという思いはあります。
※vol.03に続きます。

● 菊川 怜(きくかわ・れい)
1978年2月28日、埼玉県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。1997年、大学在学中にスカウトされ、モデルデビュー。その後、「東レキャンペーンガール」に選ばれ、1999年にドラマ『危険な関係』で女優デビュー。2002年と2003年にタレントCM起用社数ランキングで年間首位を獲得。2003年には『OL銭道』で連続ドラマ初主演を果たし、第27回エランドール賞新人賞、第40回ゴールデン・アロー賞放送賞を受賞。俳優業にとどまらず、2002年から7年間『真相報道 バンキシャ!』でキャスターを、2012年から5年間『情報プレゼンター とくダネ!』でサブ司会を務めるなどマルチに活躍。

『種まく旅人~醪のささやき~』
農業や漁業など日本の第一次産業を応援する映画「種まく旅人」シリーズの第5作。伝統的な手法を続ける兵庫県淡路島の老舗酒蔵に、農林水産省官僚の神崎理恵(菊川怜)がやってきた。日本酒産業のいまを知るべく、「日本酒オタク」の異名を取る彼女に視察の白羽の矢が立ったのだった。理恵が訪れた千年一酒造では、伝統的な手法を貫こうとする蔵元の松元恒雄(升毅)と、新しい方法を取り入れていこうとする息子の孝之(金子隼也)がぶつかり合っていた。蔵人の中には、女性蔵人の夏美(清水くるみ)を含め若手の姿もあるが、後継者を育てることに杜氏の草野(たかお鷹)は焦り、ほかの蔵人たちとの間にちょっとした誤解が生じていた。直面する様々な問題を垣間見た理恵は愛する日本酒を守るため解決策を模索していくが、そんななか、千年一酒造に海外からの事業買収の話まで持ち上がり……。監督/篠原哲雄
10月10日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
HP/『種まく旅人 〜醪のささやき~』公式サイト
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