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2025.12.26

【第37回】

イタリア人もビックリ! キミは宮古島名物「幸せのバナナぱん」を知っているか⁉

イタリア生まれのフード&ライフスタイルライター、マッシさん。世界が急速に繋がって、広い視野が求められるこの時代に、日本人とはちょっと違う視点で日本と世界の食に関する文化や習慣、メニューなどについて考える連載です。

CREDIT :

写真/スガイ マッシミリアーノ 編集/森本 泉(Web LEON)

僕が愛してやまない宮古島と、そこで出会った日本らしくないけど最高に美味しい宝物たち

「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」(note)でおなじみのマッシさんが、今回は何度も通っている大好きな沖縄・宮古島の大好きな食べ物についてお話しします。

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僕が住む石川県の冬は、美しいけど残酷なときもある。冬の間は太陽の光が僕たちに届くことはめずらしい。曇りと言ってもその空は鉛色で、まるで分厚いコンクリートが空を覆っているようだ。そして、その鉛色の空から冷たい雨が落ち始めると、そのうち真っ白な雪へと変わる。夜には、「鰤起こし」といって、まるで何かが近くで爆ぜたかのような鋭い雷が鳴り響く。


香箱ガニやおでん、熱燗といった冬の味覚は、北陸に住む者の心を温めてくれる最高のギフトだ。だけど、イタリア人の僕のDNAは、たまに鮮やかな色の世界を求めて、「太陽が足りない!」と叫び声を上げるんだ。

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▲ 「島の駅みやこ」の店内にはカラフルな果物や野菜が並んでいる。

そんな時、僕の魂が飛んでいく場所がある。沖縄本島からさらに南西へ約300キロ。世界屈指の「宮古ブルー」の海に囲まれた楽園、宮古島だ。日本に住んで約20年。北は北海道から南は沖縄まで、仕事でもプライベートでも旅をしてきた。その中でも宮古島は、僕にとってお気に入りの場所だ。東京の洗練された街並みとも、大阪の賑やかな路地とも、そして僕の住む金沢の情緒ある風景とも、まったく違う時間が流れている。そして、僕が宮古島のエネルギーを最も感じられる場所こそが、空港から車でわずか10分ほどの場所にある「島の駅みやこ」だ。



今回は、僕が愛してやまないこの場所と、そこで出会った日本らしくないけど最高に美味しい宝物たちについて、イタリア人の視点から語らせてほしい。特に、僕を虜にした「あの料理」についても、愛を込めて伝えようと思う。

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▲ メロンも名物。宮古島では冬と春、2回の収穫期があるそう。

僕が「島の駅みやこ」に通う最大の理由がコレ、「幸せのバナナぱん」だ!

宮古空港に降り立って、レンタカーを借りて真っ先に向かうのがここだ。「島の駅みやこ」に足を踏み入れた瞬間、僕は故郷であるイタリアの朝市を思い出す。日本の多くの道の駅やスーパーは整然としていて、静かで、どこか控えめだ。でも、ここは違う。まず目に飛び込んでくるのは、世界のカラフルを大集合させたかのような色彩だ!


店内に並ぶ黄色や緑、赤、紫、青。目が痛くなるほどのカラフルさは、決して看板や装飾品などではない。全部、野菜やフルーツのなどの色なのだ! 原色をそのまま食材にしたかのような煌びやかな野菜たちは、まるで「さっき採れたんですよ」と言わんばかりに生き生きとしている。食材を見てこんなにワクワクしたのはいつぶりだろう。つい先日、イタリアの里帰りで地元のトリュフ祭りに行ったときでさえ、こんなに心躍ることはなかった。

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▲ 島バナナは小さくて甘く濃厚な香りがする。

さて、ここからが本題だ。僕が「島の駅みやこ」に通う最大の理由。それは、ある一つのパンに出会うためだ。市場の一角、焼きたてのパンの香りが漂うエリアがある。「食パンのニシザト」だ。そこで売られている「幸せのバナナぱん」。実は僕は、パンにはうるさい。イタリアのパニーニやフォカッチャで育ってきたからね。初めて見た時は、「バナナ味の食パン? 子ども向けのお菓子かな?」と少し侮っていた。


でも、あの雪塩と並ぶ宮古島の名物だと聞いて、試してみることにしたんだ。袋を開けた瞬間、甘く濃厚な香りが鼻腔をくすぐる。それは、スーパーで売っている普通のバナナの香りとは明らかに違う。もっと華やかで、蜜のような香り。実は、このパンには「島バナナ」が使われているんだ。

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▲ こちらが「食パンのニシザト」の「幸せのバナナぱん」。

おすすめは、買ってすぐに島の駅内のフードコートエリアで食べること

宮古島産の島バナナを知っている? 一般的なバナナより小ぶりだけれど、味が驚くほど濃厚で、独特の酸味と強い甘みがあるのが特徴。栽培が難しく台風の影響も受けやすいから、市場に出回る期間も限られる貴重なバナナだ。そんな幻のバナナを、惜しげもなく生地に練り込んでいるなんて!


ひと口食べて、僕は言葉を失った。「フワッフワ」なんて言葉じゃ足りない。まるで雲を食べているようだ。見た目は食パンっぽいけど実は、ブリオッシュ生地で作られているらしい。あの絹のようなしっとりとした食感! そこに、島バナナのねっとりとした甘みが完璧にマッチしている。噛めば噛むほど、バナナの自然な甘みが口いっぱいに広がる。砂糖の甘さじゃない。南国の太陽の甘さだ。時々感じるバナナの果肉の食感が、また良いアクセントになっている。

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▲ まるで雲を食べているような異次元の柔らかさ。

「これだ! 僕が求めていた南の島の味はこれなんだ」イタリア人の僕が、日本の南の島で、バナナパンを食べて感動して泣きそうになっている。自分でもおかしいけれど、本当に「幸せ」という名前がぴったりの味なんだ。


おすすめの食べ方は、買ってすぐに、島の駅内にあるフードコートエリアで食べること。宮古島の人々に混じって現地人のような気持ちになって、このバナナパンを頬張る。喉が渇いたら、フードコート内の「フルーツクイチャー」というお店で売っている島バナナシェイクか、フレッシュなメロンジュースを飲むか。これが僕にとっての、宮古島で過ごす最高のおやつタイムだ。家に持ち帰ってトーストしても美味しいらしいけれど、僕はもちろん、いつもその場で半分以上食べてしまう。

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▲ 「ちょうじ屋」の「宮古そば」。

島の駅みやこには、もう一つ忘れてはいけない楽しみ方がある。それは「朝食」だ。イタリア人の朝食といえば、カプチーノと甘いコルネットが定番だけれど、宮古島にいる間の僕は完全に「島人」になりきる。島の駅みやこのフードコートでは朝7時半から「ちょうじ屋」が開いていて、朝から本格的な「宮古そば」が食べられるんだ。


朝からラーメンのような麺料理? と思うかもしれないけれど、これが意外と身体に優しい。カツオ出汁がしっかりと効いた透き通ったスープは、あっさりしているのに深いコクがある。飲み干したくなるほどだ。というか、気がついたら飲み干してしまっていた。

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▲ 朝から幸せになれる!

高級なリゾートホテルでのディナーも素敵だけれど、僕にとっては、ここで宮古そばとバナナぱんを買い込み、海を感じながら食べる時間こそが、何よりも贅沢なフルコースだ。もし読者のみなさんが宮古島に行くなら、美しいビーチに行く前に、まずここへ立ち寄ってほしい。そして、あの「幸せのバナナぱん」を手に取ってみてほしい。ひと口食べれば、きっと自分でも分かるはずだ。なぜ、イタリア人の僕が、遠く離れたこの島にこんなにも恋焦がれているのかを。


さあ、次の休みは宮古島へ行こう! 僕も行ったばかりなのに書いていたら我慢できなくなったのよ。金沢の雪景色も好きだけど、今すぐあの太陽の味が恋しい。フライトの予約を入れない理由がない!

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● マッシ  

本名はスガイ マッシミリアーノ。1983年、イタリア・ピエモンテ州生まれ。トリノ大学院文学部日本語学科を卒業し2007年から日本在住。日伊通訳者の経験を経てからフードとライフスタイルライターとして活動。書籍『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)の他 、ヤマザキマリ著『貧乏ピッツァ』の書評など、雑誌の執筆・連載も多数。 日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で執筆中。ロングセラー「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」(note)は145万PV達成。
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