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2024.01.07

【Vol.02】山之内淡さん/建築家

巨大なキャットタワーに暮らす!? 猫と人のより良い暮らしを夢みた家

建築家の山之内淡さんが自邸兼アトリエとして建てたのは、鎌倉の瀟洒な一軒家。30代の夫婦がふたりで暮らす家ですが、人間より大切な“施主”がいたもようです。

CREDIT :

写真/平郡政宏 文・編集/秋山 都

「2匹の猫を施主として見たて、彼らの住みやすいかたちを模索しました」

山之内淡 
▲ 2匹の猫を“施主”と見立て、猫と人間の共生する空間を創った建築家・山之内淡さん。
「いつかは自分の思い通りの家を建てたい」とは誰しもが夢みることですが、職業が建築家なら? その想いはなおさら強いかもしれません。 “Architecture of Ghost”=人・モノ・動植物などあらゆる ”Ghost” に具体的な建築のかたちを与えるというユニークな建築思想をもつ建築家、山之内淡さんが昨年、自邸兼アトリエとして建てたのは、ふたりの人間と2匹の猫が共生できる家。いえ、というより猫がメインの家⁉

「ぼくら夫婦は外出もしますが、猫たちにとっては家が世界そのものですよね。長年家族として暮らしている2匹の猫を“施主”として考え、ぼくらの言葉と猫たちの言葉が混ざり合うような建築を目指しました」
山之内淡
▲ 鎌倉の山々からインスピレーションを受けたというフォルムの「A Cat Tree House」。
緑深い、鎌倉の小高い丘に建つ一軒家は外から見れば普通にスタイリッシュな邸宅ですが、猫のための家とはどんな空間が広がっているのでしょうか。世界的なデザインメディア「design milk」による"Top 10 Architecture Posts of 2023(2023年の建築記事トップ10)"の世界ベスト4位に選出されたという、その名も「A Cat Tree House」にお邪魔します!
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23の階層から成る巨大なキャットタワーハウス

山之内淡
▲ “施主”のひとりである山之内さんの愛猫アアルト。
室内に一歩入り、まず驚くのは高さ6mもの吹き抜け。キッチンを1階としてその周囲にダイニングやアトリエ、バスルームなどの水回り、そしてベッドルームが多層で展開されています。この感じ、どこかで見たことあるような?
山之内淡
▲ 延べ床面積94㎡、4LDKの山之内さん宅だが、その階層は23にも分かれている。
「今回は、2匹の愛猫を“施主”として見立てたため、まずは彼らが過ごしやすいようにキャットタワー(ツリー)のような構造にしています。階層の数は全部で23。ステップの幅や高さも猫たちの身体のサイズに合わせました」
山之内淡
▲ 階段の踊り場にも椅子が置かれ、一息つけるようになっている。天窓からの光を受けて読書したい。
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山之内淡
▲ 蔵書の中から、これは奥さまのコーナー。猫に関する本が目立つ。
「そしてもうひとつ意識したのは、つかずはなれずという距離感です。猫は自分ひとりの時間も大切にする動物ですよね。そこで、『いるな』という存在は感じるけれど、べったりはしないという適度な距離感を保てるような空間になっています」
山之内淡
▲ 寝室から夫婦ふたりのクローゼットを望む。モノトーン中心でシンプルなワードローブだ。
たしかに階層で分かれていながら、扉をあければ巨大なワンルームのようにも思える空間は、姿が見えなくても、どこかに存在感を感じられるよう。猫たちは季節や温度によって部屋部屋を移動しながら暮らしているそうです。
山之内淡
▲ 簡単な食事はここで摂るというカウンターキッチン。スツールは深沢直人とノーマン・フォスターによるデザイン。
ヘリンボーン柄になっている床材など、ベースは木目調ですが、階段の手すりやキッチンのスツールなどところどころにアルミニウムが使われているのもモダンなアクセントに。ちなみにこの手すり、アルゴン溶接という高度な溶接技術が使われているのだそうですよ。
山之内淡
▲ ダイニングチェアはイタリアから直輸入した。ジャスパー・モリソンとエメコのコラボレーションによる再生プラスティック製。
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山之内淡
▲ 水栓を偏愛している山之内さん。
自邸のさまざまなパートを説明してくれた山之内さんですが、なかでも熱を込めて話してくれたのは水栓(蛇口、ボウル、シャワーヘッドなど)への愛。キッチンの蛇口はデンマークのインテリアブランド「VOLA」*によるもので、「ブロンズのものがあるのは今日本でここだけです」と。水栓が好きという人、なかなか珍しいのじゃないかしら。
註:創設者であるアルネ・ヤコブセンはデンマークの建築家・デザイナー。
山之内淡
▲ この日はリモート勤務のため、自宅アトリエで仕事をしていた奥さま。お邪魔しました~。
都内から鎌倉へ引っ越してまもなく半年。「猫たちは以前の家よりのびのびと暮らしています」とのことですが、ここに暮らす山之内さんご夫妻も幸せそう。猫にも人にもやさしい、楽しい「A Cat Tree House」です。
山之内淡
▲ 2匹の猫の名前はアアルトとミース。建築好きな方ならニヤリとするでしょ。
山之内淡

● 山之内淡(やまのうち・たん)

「Tan Yamanouchi & AWGL ( 株式会社AWGL一級建築士事務所 )」代表建築家, 設立者。北海道札幌市出身。幼少期より建築家である父の事務所と現場で, 建築設計の実務を学ぶ。建築家である, 故・小嶋一浩に師事.その後, 慶應義塾大学大学院修士課程修了。株式会社博報堂に Market Design(MD)職として入社。広告クリエイティブに従事したのち、2018年より建築家として活動を開始。主な受賞歴として, 日本建築設計学会より「Architects of the Year 2017」、2022年には, World Architecture Communityの主宰する国際建築賞「WA Awards (43cycle) 」において, 日本人建築家として最年少受賞を果たしている。

ステキなお宅、もっと見たいでしょ?

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