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2023.03.27

シンガー由美子

「大人ふたりにはキッチンとベッドだけあればいい」潔いリノベのビフォー&アフター

ファッショニスタ、フーディーとしても知られる、フラワーデザイナーのシンガー由美子さん宅を拝見。

CREDIT :

文・編集/秋山 都 写真/平郡政宏 

こどもたちの独立を機に、暮らしをぐっとサイズダウン

シンガー由美子
▲ 大きくリノベしたヴィンテージ・マンションの一室、その中央には存在感のある「ゼロ動線キッチン」を配置。愛犬のリンちゃんと。
乗馬帽を思わせるハットとサングラスがトレードマーク。ハイブランドのパーティーや東京のナイトシーンでもおなじみのソーシャライトであるシンガー由美子さんですが、本業はフラワーデザイナー。北海道洞爺湖サミット(2008年)の晩さん会を始め、映画やホテルなどで数々のフラワーデザインを手掛けてきました。

その住まいは白金の大きな一軒家と山中湖の別荘を行き来するデュアルライフ……だったはずですが、「最近引っ越して、暮らしをぐっとサイズダウンしたのよ」と由美子さん。どんな風に? と尋ねたら「キッチンとベッドを主役にした家」とのこと。美食家としても知られる由美子さんらしいリノベーション、そのビフォー&アフターを拝見します。

キッチン&リビングのビフォー&アフター

シンガー由美子 キッチン ビフォー
▲ キッチンとリビングが壁で仕切られていたリフォーム前。
「白金の自邸は400㎡弱だったのですが、このマンションは155㎡。大きくサイズダウンしました。こどもも独立し、週末は山中湖の別荘で過ごしているので、東京の家はもう少しコンパクトにしたいなと思って。洋服も、家具も大部分を断捨離しました」と由美子さん。
シンガー由美子
▲ 同じ方向から見たリノベーション後。壁を取り払い、キッチンとリビングを一体化させた。腰窓にはウッドシャッターを配し、白が効いている。
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「もう私も主人もいい年齢になってきましたので、人生の後半で重要なことは何かと考えたら、まずは食べること、そして眠ることかなと。そこでこのリノベーションではキッチンとベッドルームを中心に、自らアイデアを出してリノベーションを進めました。もともとインテリアが好きで、以前の家はクラシックで重厚な雰囲気だったのですが、今回はガラリとモダンにしたくて」
シンガー由美子 キッチン ビフォー
▲ リノベ前、リビングからキッチンを眺める。
そのリノベーションはまずキッチンを囲んでいた2面の壁を取り払うことから。さらに玄関からのアプローチをガラスのパーテンションに変更し、扉を無くすことで、広々と一体化したリビングダイニングキッチンを完成させました。
シンガー由美子
▲ 同じ方向からリノベーション後。グレーの壁色とトム・ディクソンのコッパー色のペンダントライトが部屋をモダンに引き締めている。
広いLDKの中でひと際目を引くのはトーヨーキッチンスタイルの「ゼロ動線キッチン」。扇形になったカウンターはシンクとコンロの距離が近いから、ほぼ動かずに調理できるスグレモノ。モダンなステンレスの表情が、クールなアクセントともなっています。
シンガー由美子 キッチン トーヨーキッチン
▲ 以前の家では地下のワインカーブに数千本のワインを収蔵していたが、現在はワインセラーに「169本しか入らないの」。普通は169本入れば充分だと思います(笑)。
「我が家ではホームパーティーをすることも多いので、カウンターキッチンもおもてなしの主役。料理しながらお客様とお話できるし、ゲストもグラス片手にお鍋の中をのぞいたりして、あたたかな雰囲気が生まれます」
シンガー由美子
▲ 「簡単にエクステンションできる」とお気に入りのダイニングテーブル。ホームパーティーの際に重宝している。
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楽園をテーマにしたベッドルームのビフォー&アフター

シンガー由美子 寝室 
▲ リノベーション前のベッドルーム。
もうひとつの主役であるベッドルーム。まず目を引くのは幅5メートルもの南国調のウォールペーパーです。

「この寝室は楽園をテーマにしているのですが、インテリアの考え方はフラワーデザインと同じでまず主役を据えるのが大切だと思います。この部屋の場合にはこの壁紙をメインとし、そこから脇役として他のアイテムを決めていきました」
シンガー由美子 寝室
▲ リノベーション後のベッドルーム。
モノトーンで描かれたジャングルに集うさまざまな動物が描かれたウォールペーパー、エスニックなプリントのファブリックにシノワズリのチェスト、そして船箪笥……古今東西のアイテムがミックスされた空間は不思議に居心地が良く、ぐっすり眠れそう。この楽園で眠る夜はどんな夢を見せてくれるのでしょう? 
シンガー由美子 寝室
▲ 眠る前にこのソファでくつろぎ、Netflixを見るのがナイトルーティン。
「私はハイファッションばかりではなく、ファストブランドや古着なども取り入れるミックスマッチな世界が好き。インテリアも同じで、年代や国を超えていろいろミックスするのが楽しいんです」
シンガー由美子 壁紙
▲ 「F.O.B COOP」で見つけたシャンデリア。
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限られた空間をドラマティックに彩るウォールペーパー

シンガー由美子
▲ 階段上のスペースは、これまで収集したアートを飾る小さなギャラリーとして活用。
そのミックスマッチな世界をさらに印象的に彩っているのがウォールペーパー。実に6種類ものウォールペーパーを随所に配し、フラットに見えてしまいがちな空間にリズムとコントラストを生み出しています。
このリノベーションをSNSに投稿したところ、さっそくインテリアデコレーションの依頼が舞い込んだとか。フラワーデザイナーでソーシャライト、そしてインテリアデコレーター? さらに肩書を増やしそうなシンガー由美子さんです。
シンガー由美子
▲ ジオメトリックプリントのウォールペーパー。由美子さんを模したドールが置かれていた。
シンガー由美子

●シンガー由美子

1996年渡仏。パリにてフラワーデザインを学ぶ。帰国後、フラワーデザイナー「花千代」としてCMや映画のスタイリング、イベントや店舗ディスプレイ、ホテルなどのアドバイザーとして活躍。また洞爺湖G8サミットの公式晩餐会の会場装花も手がけた。現在は花と家具のコラボレーションなど常に新しいジャンルに挑戦し続けている。

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