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2019.11.11

【第16回】

なぜ、お金持ちは「海外」に住むのか? 【part2】

年収1億円! 普通のサラリーマンには夢のような金額を、アナタにとってリアルな目標に変えていくのがこの連載です。まず大事なのは思考法。考え方が変われば仕事に対するスタンスが変わり、見えてくる世界が変わります。マーケティングコンサルタント船ケ山哲氏がアナタを年収1億円に導きます。

CREDIT :

文/船ケ山 哲 編集協力/遠藤励子 写真/内田裕介(maettico)  スタイリスト/稲田一生 ヘア&メイク/鈴木竜也(S-14)   撮影協力/ホテル&レジデンス六本木 協力/エストネーション

前回のテーマでは、なぜ、お金持ちは海外に住むのか?というテーマで2つの視点をお伝えしましたが、本日は、その続きを別の角度からお話していきます(これまでの記事はこちらから)。

他人に振り回されない環境を敢えてつくる

お金持ちにとって、一番大切なものは、「プライベートな時間」です。言い換えれば、『自分の内面と向き合う時間』といってもいいかもしれません。

しかし今の日本にいると、数分であっても自分と向き合う時間を設けることは、なかなか難しいものです。これは、あなた自身の生活を振り返れば理解できると思います。帰宅後、自宅に帰っても仕事の電話が鳴り続け、晩酌しながらメールを確認。たまの休みは接待ゴルフに駆り出され、休日出勤など日常茶飯事……。
これでは、プライベートな時間どころか、自分ひとりになる時間をもつことすらできません。今の日本は、便利と引き換えに、プライベートの時間を自ら奪ってしまったことに気づいていない人が、あまりにも多いのです。

たとえば、携帯電話がこれだけ普及するまでは、余程の事情がない限り、自宅に電話をかけてくるということはなかったはずです。しかし、今やスマホや携帯電話を最低1人1台持つ時代になってしまったことで、ダイレクトに連絡が取れてしまいます。こんな状態では、集中することもできませんし、いいアイデアが閃くこともありません。
だからお金持ちは自分の時間を保護するために、他人に振り回されない環境を敢えて作っているのです。人によっては、スマホを持たず、一日中ホテルに引きこもりアイデアを練ります。またある人は、スマホの電波の届かない別荘に行き、自分と向き合う時間を設けます。
そのために、お金持ちは自宅とは別に別荘を所有したり、プライベートの空間にこだわるのです。しかし、最近の日本は便利になりすぎて、人里離れた山奥でも携帯電話が通じてしまいます。今の日本では、自分の時間を持つことも何かに集中して取り組むということもできなくなっているというのが実情ではないでしょうか?
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スマホを持たない生活が不便でない理由とは?

ただ、このデジタル化は見方を変えれば、非常に強力なツールでもあるということをお金持ちも知っています。それは、インターネットが世界に繋がったことで、場所を選ばず仕事ができるようになったことです。

ひと昔前は、数分話すだけでも高額だった国際電話ですが、今はアプリを使って無料で通話できるようになりました。また、インターネットを通じて世界各国にいる人たちと簡単に会議することもできるようになりました。このようにインターネットは、時間的制限や場所的制限をなくすことに成功したわけですが、この状況を見てお金持ちは考えました。

日本にいる限り、何かあればすぐに飛んでいくこともできるし、相手もそれを期待します。しかし、海外に出てしまえば、すぐに戻ることもできなければ、気軽に連絡してくることもないと……。
だから私も海外に移り住むことを考えましたし、スマホや携帯電話も持ちません。このように言うと、「スマホがなくて困ることありませんか?」とよく聞かれますが、元々持ったことがないので、不便さを感じることはありません。

どうせ持ったところで、自分のゴールとは無縁で雑多な情報に振り回されるだけです。それよりは自分の時間を所有し、次なるアイデアに時間を使った方がより効率的ですし、ストレスを感じることもありません。だから私は、他人に振り回される煩わしさより、スマホを持たない生活を選んだのです。
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友達を増やさなければ妙な話もやってこない

次に、お金持ちの人が海外に住む理由が、もう1つあります。
それは、「友達を作る必要がない」ということです。

これは、意外にも聞こえるかもしれませんが、お金持ちは不用意に友達を増やすことはしません。なぜなら大半の詐欺話は「友達経由」で来ることを知っているからです。これは、あなたの身の回りを振り返れば分かると思いますが、妙な投資話やネットワークビジネスなど、必ずといっていいほど友達経由でやってきているはずです。
・月利10%で儲かる海外投資案件
・ノーベル賞を受賞した学者が開発した日本発上陸のサプリメント
このような話は、あなたのところにも1回や2回は来たことがあるかもしれませんが、そんな上手い話が凡人のところにやってくることなどあるはずがないのです。ところが、その話が友達経由となると、怪しげな話が真実の話のように感じられてしまうわけです。それはその人とこれまで培ってきた信頼(らしきもの)を礎にしたカモフラージュ戦法だということを忘れてはいけません。

それらを知るためにも、ここで少し時間を取って、振り返ってみてください。
・最近、あなたの元にやってきた儲け話は、誰からきたものでしょうか?
・その話は、最近、出会ったばかりの友人(らしき人)からではないでしょうか?
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大抵の儲け話というのは、あなた自身が儲かる話などではなく、持ってきた本人が儲かる話をしているということに早く気付かなければいけません。

この観点なく、儲け話を聞けば、丸裸にされるのも時間の問題です。なぜなら、一度、騙された人は、また騙されるという悪いサイクルに陥ってしまうからです。これは心理学の世界では「コンコルド効果」(経済学では、サンクコスト効果)と呼ばれ、「負けた分を次こそは取り戻したい」という心理が働き、結果、損を重ねるという悪循環に陥ってしまうのです。
これを逆の観点から見れば、友達を増やさなければ、妙な話もやってこなくなるということでもあります。このことをお金持ちは知っているからこそ、無駄に友達を増やさず、海外に飛び出し、自分と向き合う時間を大切にしているのです。

最後に、誤解のないように補足しておくと、お金持ちは決して、ひとりぼっちかつ孤立しているわけではありません。大切な人とは繋がり続け、厳選された人からの情報は大切にしています。その上で、自分と向き合う時間を設けているからこそ、次なるいいアイデアに出会うことができているということです。

● 船ケ山 哲(ふながやま・てつ)

1976年、神奈川県出身。心理を活用 したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1000社以上のクライアントを獲得。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられ、現在ではテレビ番組(テレビ神奈川)のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組(FM横浜)でもメインパーソナリティーとして活躍中の起業家。 またプライベートでは子どもの教育を最優先に考え、カナダのバーナビーに在住。
主な著書に『武器としてのビジネススキル』(PHP研究所)、『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』(徳間書店)、『洞察のススメ』『超・起業思考』(きずな出版)他。最新刊は『会社を辞めずに収入を月50万円増やす! 小さく始めて成功させる「自分ビジネス」』(集英社)本体1400円+税。

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