2025.12.31

【40・50代Q&Aその3】 老眼って治るの?

レストランでデート中、メニューが読めずに焦ったり、夕方になるとスマホの画面が霞み、彼女に送ったSNSが誤字だらけ……。いつのまにか忍び寄る「老眼」の影に怯えるLEON世代も多いかと。そこで、気になる「老眼」にまつわる疑問を掲げ、「だんのうえ眼科 亀有院」佐藤 香院長を訪ねました。

CREDIT :

イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)

少しずつ距離ができ、気づかないふりをしていたら、いつのまにかずいぶん遠い存在に……。それは、壊れゆく男女の関係にも似た、静かに訪れる「老眼」の始まり。LEON世代にとっては、今まさに直面している切実な問題かと。


そこで今回は、眼科医として年間3000件の手術を手がけるかたわら、TVや雑誌、YouTubeなどを通じて目の健康に関する情報発信も行う「だんのうえ眼科 亀有院」佐藤 香院長に、「老眼」の基礎知識から最新治療までうかがいました。

A.「老眼」は加齢性変化なので、残念ながら完全に治ることはありません。60代くらいまではどんどん悪化します

── 「老眼」は治りますか?


佐藤 香先生(以下、先生) 「老眼」は加齢性変化なので、残念ながら完全に治ることはありません。60代くらいまではどんどん悪化します。

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── 60代になると進行が止まるんですね。


先生 「老眼」を自覚し始めた頃は、ある程度できていたピントの調節が、50代、60代になるとさらに難しくなり、70代以降はまったくできなくなってしまう、というイメージです。


── 「老眼」を放っておくとどうなりますか?


先生 老眼鏡などで矯正せずに見えにくいまま過ごしていると、眼精疲労から頭痛や肩こり、吐き気などの体調不良を引き起こすこともあります。メガネをかけると、頑張らなくても楽にピントが合うので疲労が軽減されます。


── 「老眼」を自覚したら、眼科を受診したほうがいいのですか?


先生 近くが見えにくい「老眼」の症状だけであれば、基本的にはメガネ店で大丈夫です。近くだけでなく遠くも見えにくいなど、心配な症状がある場合には、眼科の受診をおすすめします。メガネ店でも調整が難しいと判断された場合は、眼科を受診するように言われるはずです。


眼科に行くメリットとして、目薬を処方してもらえることもあります。ピントの調節力を補助して、目の疲労を回復させるビタミンB12が配合された「老眼」向けの目薬は、ドラッグストアでも手に入りますが、眼科の処方薬と市販薬では成分の濃度が違います。症状をより改善させたいなら、眼科で処方してもらうのがいいでしょう。

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── 先生がYouTubeで取り上げていた「エクソソーム点眼」も気になります。


先生 「エクソソーム」は細胞から分泌された直径50〜150ナノメートルの小さな顆粒状の物質で、体の炎症を抑えたり、組織の修復を助けるなど、細胞の増殖や創傷治癒の促進作用があります。


── 配合の化粧品が次々に発売されるなど、美容業界でも注目されていますよね。


先生 そうですね。安全性の高い「エクソソーム」を目薬に調合して点眼することで、筋肉の疲労回復を促し、壊れた筋肉を修復してピントの調節を回復させるのが「エクソソーム点眼」です。保険適用外ですが、「老眼」治療の1つの選択肢だと思います。


── 最近は「レーシック」ではなく、目の中にレンズを入れる視力矯正手術が主流と聞きました。「老眼」にも効果があるのですか?


先生 角膜をレーザーで削る「レーシック」のデメリットを解消したのが、「ICL(眼内コンタクトレンズ)」になります。「ICL」には遠近両用レンズもあるので、「老眼」の症状が強く、さらに近視や乱視がある方でも手術は有効です。

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ただ40代、50代になると、水晶体に濁りが出る「白内障」の症状がある方も多いので、「白内障」の治療として濁った水晶体を取り除いてから、「老眼」対策として遠近両用レンズを水晶体のうに挿入する手術をする方もいらっしゃいます。


手術後は近くから遠くまで楽に見える状態が一生続き、近視も「老眼」もそれ以上進行しないので、最近は特に50代くらいの男性が、軽度の「白内障」でも“早めに”と手術をするケースが増えてきました。


── 「白内障」はどんな病気なんですか?


先生 加齢によって水晶体が白っぽく濁るのが「白内障」です。症状としては、視界が霞んだり視力が低下したり、光が眩しく感じられます。40代を過ぎると水晶体は少しずつ濁り始め、程度の差はありますが、80代ではほぼ100%の人が「白内障」を発症します。白髪と同じような感覚ですね。


20代、30代で近視を解消したいなら「ICL」を受ければ、70代くらいまで不自由せずに生活できます。将来「白内障」の症状が進んできたら一度近視用のレンズを抜いて、「白内障」の手術をして遠近両用のレンズを入れればいい。一方、今50代なら「白内障」の症状が出てくる可能性があるので、「ICL」より「白内障」手術で遠近両用の眼内レンズを入れるほうがベターかと。

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白内障手術時に遠近両用の多焦点眼内レンズを使用する場合は、自由診療となります。ただし、レンズの種類によって、選定療養(手術費用は保険適用、レンズ代のみ自費)と、自由診療(手術費用・レンズ代ともに自費)の2種類から選択いただきます。費用は、選定療養の場合は両眼で約60〜70万円、自由診療の場合は両眼で約90〜130万円となります。選定療養で使用できるレンズは日本で承認されているものに限られますが、自由診療では未承認レンズも使用できるため、選択肢の幅が広がります。


── ちなみに「白内障」と名前が似ている「緑内障」はどんな病気ですか?


先生 「緑内障」は眼圧によって視神経が傷つき、視野が欠けてしまう病気です。40代で20人に1人、70歳以上になると10人に1人はかかると言われています。片方の目の周辺視野が欠けても、もう片方の目で補完するので初期段階では自覚症状がありません。眼科検診を受けないと見つからない病気なので、気づいた時にはほぼ末期ということもあります。


── やっぱり検診は大切ですね。

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先生 年に一度は眼科検診を受けてほしいです。うちのクリニックでは目に特化した細かい検査を行う「眼ドック」も実施しています。定期的に眼科を受診する習慣をもつことを、ぜひ検討してみてください。

だんのうえ眼科 亀有院 佐藤 香(さとう・かおり)

● 佐藤 香(さとう・かおり)

眼科外科医・フェムトセカンドレーザーLenSx認定医。集中力を要する緻密な作業を得意として、年間3000件以上の手術を行う。2020年には日本で最も緑内障ドレーン手術を施行した医師に認定。2023年3月にはClareon Vivityの世界初手術を執刀した。瞼の手術やボトックス注射、白目のシミ取りなど、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。自身のYouTubeチャンネルでも、老眼や緑内障、目のケアなど目に関するさまざまな情報を発信中。

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だんのうえ眼科 亀有院 佐藤 香(さとう・かおり)

■ だんのうえ眼科 亀有院

住所/東京都葛飾区亀有3-26-1リリオ館6F

TEL/03-5629-1055

診療時間/9:45〜13:00・14:30〜18:00

休診/日曜・祝日

HP/https://d-eyeclinic-kameari.jp

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