2025.12.30
【40・50代Q&Aその2】 近視の人は老眼にならないってホント?
レストランでデート中、メニューが読めずに焦ったり、夕方になるとスマホの画面が霞み、彼女に送ったSNSが誤字だらけ……。いつのまにか忍び寄る「老眼」の影に怯えるLEON世代も多いかと。そこで、気になる「老眼」にまつわる疑問を掲げ、「だんのうえ眼科 亀有院」佐藤 香院長を訪ねました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
少しずつ距離ができ、気づかないふりをしていたら、いつのまにかずいぶん遠い存在に……。それは、壊れゆく男女の関係にも似た、静かに訪れる「老眼」の始まり。LEON世代にとっては、今まさに直面している切実な問題かと。
そこで今回は、眼科医として年間3000件の手術を手がけるかたわら、TVや雑誌、YouTubeなどを通じて目の健康に関する情報発信も行う「だんのうえ眼科 亀有院」佐藤 香院長に、「老眼」の基礎知識から最新治療までうかがいました。
A.近視の人は手元に焦点が合っているので「老眼」を自覚しづらいだけ。すべての人が「老眼」になります

── 近視の人は「老眼」になりにくいのですか?
佐藤 香先生(以下、先生) 視力に問題がない、いわゆる目が良い人の焦点は5mほど先に合っています。遠くを見ている時が一番毛様体筋がリラックスした状態で、近くを見る時には筋肉が緊張します。
対して近視の場合、「−3.00」のコンタクトレンズを使っている方は、裸眼では30㎝くらい先に焦点が合っているので、近くを見ているほうが楽。メガネやコンタクトを外せば手元に焦点が合うので、「老眼」を自覚しにくいんです。自覚しにくいだけで、「老眼」にならないわけでもなりにくいわけでもありません。
── 私(ライター・大塚)は視力が良かったので、「老眼」を自覚した時にはとても焦りました。
── 私(編集・菊地)は近視なので、「ああ、始まったな」とわりと冷静でした。
先生 そうですね。近視の方が感じる「見えづらさ」と、目のいい方が感じる「見えづらさ」は全然違います。これまで視力が良く、どの距離もきれいに見えていた方は「老眼」を自覚しやすいんですよね。見えない状況に慣れていないので、生活のしづらさを強く感じるようです。
近視の方は、そもそも見えにくい環境に慣れているし、メガネやコンタクトを外せば近くが見えるので、「老眼」による不便さを自覚しづらいんです。
── なるほど、視力に関係なく「老眼」にはなるんですね。ちなみに昔に比べて近視人口が増えていると聞きますが、どれくらいなのですか?
先生 年代によっても異なるので一概には言えませんが、昨今のライフスタイルの変化で、世界的に近視人口が急激に増えていることが話題になっています。WHOでは「2050年には世界の人口の半数が近視になる」と警鐘を鳴らしています。特に子供の近視が深刻です。幼い頃からスマホやタブレット端末に触れ、屋外での活動が減っているのが一因と言われていますね。

● 佐藤 香(さとう・かおり)
眼科外科医・フェムトセカンドレーザーLenSx認定医。集中力を要する緻密な作業を得意として、年間3000件以上の手術を行う。2020年には日本で最も緑内障ドレーン手術を施行した医師に認定。2023年3月にはClareon Vivityの世界初手術を執刀した。瞼の手術やボトックス注射、白目のシミ取りなど、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。自身のYouTubeチャンネルでも、老眼や緑内障、目のケアなど目に関するさまざまな情報を発信中。

■ だんのうえ眼科 亀有院














