若い頃より毛穴が目立つのはなぜ？【40・50代男性の肌悩み5選】

鼻や頬の黒ずんだポツポツ、額や鼻筋のテカテカ……。見て見ぬふりをしがちな男の肌の不協和音は、毛穴のトラブルが原因かも。清潔感のあるモテ肌を目指すなら、毛穴のケア＝スキンケアは大前提。そこで、気になる毛穴とスキンケアの疑問を掲げ、美容皮膚科・皮膚科「アオハルクリニック」小柳衣吏子院長を訪ねました。

── お風呂のついでにシャワーで済ますなど簡易な洗顔法のオヤジさんも少なくないのですが、洗顔料は使ったほうがいいですか？

先生　それで肌のコンディションがいいなら問題はないと思います。ただ寝ている間にも皮脂は分泌されますし、肌に汚れがつくと細菌が繁殖しやすくなるので、洗顔料を使ったほうがいいし、朝晩2回洗ったほうがいいですね。

── よく泡でやさしく洗えと言いますが、洗顔で気をつけるべきことは？

先生　やはり摩擦を避けることです。洗顔料をしっかりと泡立てて界面活性剤をちゃんと活かして洗うと、老廃物も落ちやすいので効率がいいんです。男性は特に力を入れがちだと思いますが、指の腹を使って、泡を顔にすべらせるようにして洗いましょう。

── 毛穴の開きや黒ずみが気になっても、もう治らないだろうと諦めているオヤジさんも多い印象です。

先生　適切なケアや施術をすれば、十分に改善できますよ。産毛が詰まって毛穴が黒くポツポツと見えるなら、まずはレーザー脱毛。角栓の詰まりが原因で黒ずんでいる場合は、ケミカルピーリングで一度角栓を溶かすとキレイになります。レーザーや高周波を照射することで肌のコラーゲン生成を促して弾力をアップし、毛穴を目立ちにくくする施術もあります。

他にも、ごく細い針で有効成分を少量ずつ肌に注射し、あえて傷つけることで肌自体の自己再生力を高める水光注射など、毛穴の引き締めに効果のあるクリニックのメニューは豊富ですが、ご自分の状態に合った施術を見極めるのは難しいので、専門医に相談するのがオススメです。

── もともと脂っぽいし、乳液のベタつきがイヤだからと化粧水しか使っていないオヤジさんも多いのですが、それはOKですか？

先生　多いですよね（笑）。理屈では、化粧水で保湿したあとに乳液などの油分でフタをしてスキンケア完了となりますが、皮脂の分泌が盛んで自然に肌に油分がある人には必要ない場合もあります。

また、「ベタベタするから乳液がイヤ」と言う人に無理矢理勧めてもストレスになってしまい、続かないと思うので、クリニックでは「とりあえず化粧水だけは続けましょう」とお伝えしています。化粧水だけでも地道に続けていくと肌は必ず変わるので、それが成功体験になるんです。

── 肌のテカリの原因は、揚げ物など脂っこい食事が多いからですか？

先生　乱れた食生活が続き、栄養バランスが偏っていると、肌トラブルに繋がりますが、食事で摂取した油分＝皮脂にはなりません。

ご自身の肌質を知ったうえで正しいスキンケアをしているかいないかが関わっていると思います。体質による個人差が大きいので、同じ食事やケアをしていても、洗顔後1時間で肌がギトギトになってしまう人もいれば、乾燥する人もいるんですよね。

── 40歳を過ぎて、若い頃より毛穴が目立ってきたと感じるのはなぜですか？

先生　顔の毛穴には脂腺性毛包という大きな皮脂腺が集まっています。毛穴から出る皮脂は肌の保湿と保護に必要なものですが、第二次性徴期を迎えると男性ホルモンの分泌が増加する影響で、この皮脂腺が発達して皮脂分泌が活発になり、それに伴って毛穴の開口部も大きくなります。

さらに年齢を重ねてオヤジさんの世代になると、長年浴びてきた紫外線の影響で、皮膚のコラーゲンが減少するので、毛穴周辺を支えている真皮の層がゆるみ、肌がたるみます。

皮膚とともに毛穴も下に引っ張られて縦に開く、いわゆる毛穴がしずく型になる「たるみ毛穴」が進行していく。内的な要因である皮脂分泌、環境的な要因の紫外線、加齢による経年劣化も加わって、毛穴は徐々に開き目立つようになります。