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2025.08.16

寝ても疲れがとれない時の解決法【40・50代オヤジの睡眠悩みBEST5】

寝ても疲れがとれない、起きたい時間よりも早く目が覚める。年齢を重ねて、睡眠にまつわるお悩みが増えたのでは? そこで、オヤジさんも多く訪れるという『眠りと咳のクリニック虎ノ門』の柳原万里子院長に、さまざまな疑問に答えていただきました。

CREDIT :

イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)

近頃ぐっすり眠れていますか? 日々のパフォーマンスと若さを保つために欠かせない睡眠ですが、毎日の睡眠に不満を覚えるオヤジさんも多いかと。そこで、ビジネスパーソンが抱える睡眠の悩みと日々向き合っている『眠りと咳のクリニック虎ノ門』院長の柳原万里子先生にお話をうかがいました。

【5位】 海外出張や旅行での時差ボケ対策を教えて

海外出張での時差ボケ対策を教えて
── オヤジ世代は海外出張も多いのですが、時差ボケ症状を抑える秘訣は?

柳原 どのくらいの期間滞在するかによって対策が変わりますが、数日~1週間ほどの出張であれば、体内時計のリズムを滞在先の現地の時計に無理に合わせようとすることは避け、当日のパフォーマンスを確保できるようその場その場で対処するほうがよいと思われます。

というのも私たちの体内時計は時差が大きければ大きいほど、それに合わせるのに日数が必要です。時差の大きい地域への短期の出張で無理に現地の昼夜に合わせようとすると、滞在中には間に合わず、帰国してまた日本の時計に合わせようと苦しむことになりかねません。

どうしても眠れない時には睡眠薬を使って寝てしまうも1つの手です。ただしこの場合の睡眠薬の処方は保険診療では難しいかもしれません。市販の睡眠改善薬やメラトニンのサプリメントを利用されている方もいます。
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【4位】 「寝溜め」はできますか?

「寝溜め」はできますか?
── 実際に睡眠に悩みを抱えるオヤジ世代は増えているんですか?

柳原 睡眠も体と同じように歳をとります。子どもの頃や若い頃と同じようにぐっすりとは眠れません。年齢によるガタは現れ始めます。しかし近年になり、睡眠障害が増加している原因は加齢以外にあると私は考えています。

日本は社会の近代化により昼夜を問わず明るくなりました。特に都市部では深夜まで営業している店や交通機関が増え、通信環境も整っており、何時まででも仕事や趣味に活動ができてしまいます。コンビニやネットで簡単にものが手に入るため運動量も減ってしまう。昼夜のメリハリが失われて睡眠のリズムが崩れるうえに、睡眠時間と運動量も減るとさすがに問題が出てしまいます。

近年になり睡眠にまつわる乳製品やサプリメント、アプリやガジェットが注目されている理由はおそらくこうした環境の近代化に対して人間が動物として合わせられる限界を迎え、その弊害が睡眠障害の症状として出てきているからではないかと思っています。質のいい睡眠を手に入れたいなら、人間は野生に帰るのが一番なのかもしれません。
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【3位】 オヤジ世代がぐっすり眠れる「入眠習慣」とは?

オヤジ世代がぐっすり眠れる「入眠習慣」とは?
── よく眠るための、オヤジ世代におすすめの入眠習慣を教えてください。

柳原 まず規則正しく寝起きする、日中は頭と同じくらい体も使って頭と体をバランスよく疲れさせる、というのが上手く寝るための土台になります。夜になってからのポイントは、大きく3つあります。

1つは食事やアルコールのタイミング。胃腸や肝臓といった内臓にとって食事を消化する作業、アルコールを分解する作業は重労働です。睡眠中は内臓も休ませたいもの。食事は就寝の遅くとも2時間前まで、アルコールは就寝3〜4時間前まで、カフェインは就寝4時間前まで、タバコは就寝2時間前までに済ませましょう。

2つめは、上手に体に夜を伝えること。照明がカギとなります。夜の照明は自然界の夕焼けから日没後の時間をイメージして工夫するのがよいと思います。寝る1時間前からは部屋の照明を落とし間接照明などにしてみてください。文字が読めないくらいの明るさが目安です。

3つめは……
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【2位】 睡眠時間が短いと寿命が縮まるってホント?

睡眠時間が短いと寿命が縮まるってホント?
── 日本人は世界一平均睡眠時間が短いと言われていますよね。

柳原 そうですね。たとえば2021年のOECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟国33カ国の中で最も平均睡眠時間が短かったのが日本の7時間22分。33カ国の平均8時間28分より1時間以上も短かい結果です。さまざまな調査があり韓国が最下位のケースもありますが、多くの調査で日本はワースト1位に輝いています。さらに、日本人の中でも40〜50代の睡眠時間が最も短く、2020年のNHK国民生活時間調査では日本人全体の平均が7時間12分であるのに対して、40~50代は男女ともに7時間を切っています。

とはいえ日本人が睡眠不足に耐えられる特殊な遺伝子をもっているわけでもないし、昔から短い睡眠時間で生活していたわけでもない。社会が近代化し昼夜を問わず活動できる環境になるにつれて日本人の平均睡眠時間は1時間以上も短縮しているんです。他の先進国にはこの傾向は少なく、おそらく「寝食を削ってでも頑張るのが美徳」とされてきた日本人の国民性が原因なのではないでしょうか。
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【1位】 最近、寝ても疲れがとれません……

最近、寝ても疲れがとれません……
── 「寝ても疲れがとれない」という声もよく聞きます。

柳原 これはとても多いお悩みですね。シンプルに睡眠時間の不足なのか、それともなんらかの原因で睡眠の質が悪いのか。内科的な問題やメンタルの不調はないのか。同じ「寝ても疲れがとれない」という症状でもその原因は多岐に及びます。たとえば睡眠障害だけでも70種類近くあるので端的に断定することができないんですよね。

このため私は初診では30分くらい時間をかけてお困りの状態が「いつから始まったのか」「どのように変化したのか」などのお悩みの歴史や経過をお尋ねし、「心当たりはあるのか」「周囲から指摘されている症状はないのか」といった質問や生活習慣の確認を重ねて、患者さんの話をじっくり聞きながら、原因を探す作業を行います。寝ても疲れがとれない原因はさまざまなので、続いているようなら睡眠外来を受診してみてください。
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