梅雨の季節こそ狙い目！ の清々しいガーデンカフェ

本誌LEONでYULI*YULIとして16年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

今年もいよいよ梅雨の季節。今回は、雨が降っても大丈夫なルーフ付きテラスがある、とっておきのカフェ、その名も「ニシアンカフェ」をご紹介します。

場所は世田谷区・岡本。と言っても住んでいる人以外はなかなかピンと来ないですよね。東急田園都市線の用賀駅と二子玉川駅の中間あたりに位置する、とても閑静で素敵な住宅街にあります。ちょうど、聖ドミニコ学園の正門の前なので、タクシー利用のときは運転手さんにはそう伝えると良さそう(駐車場もあるけれど、１〜2台しか停められないので先着順ね）。

コチラ、オープンしたのは、なんと17年前。オーナー・西田武寛氏が定年を前に自宅を使って何か新しいことを始めたいと、2001年に一念発起されました。西田氏のご趣味はそば打ち、奥さまはガーデニング、お嬢さんはケーキ作り……ということで、カフェをスタートさせるのにぴったりだったのです。そして、150坪の自宅の一部の改装を、ガーデンデザイナー正木學氏に依頼。こうして、店内とテラス、庭が一体化した心地良い空間ができました。

ご主人やお嬢さんが腕を振るうカフェメニューは、ヘルシーで栄養満点のものが揃います。

特に人気なのが、ご主人・西田氏担当の「西庵手打ち蕎麦」。コシのあるお蕎麦と冷たいつけ汁が、蒸し蒸しする夏の季節にぴったりです。つけ汁には茄子、シメジ、半熟卵などが入っているので栄養バランスもグッド！　

お嬢さん担当の「野菜たっぷり チキンカレー」も美味。ルーを使わず、10種類以上の野菜のピューレにコラーゲンたっぷりのチキン・ブイヨンで作るオリジナル。十六穀米のライスでいただくので、とってもヘルシーです。夏は冷えたビールと一緒にどうぞ。

そして、お庭を眺めながらほっこり気分でいただきたくなるケーキ類は、約100種類のレシピをもっているお嬢さん担当。「バニラ シフォン」は、フワフワの生地を口に含むたび、香り豊かなバニラ・ビーンズの風味が口の中に広がります。「杏のタルト」は、まったりとしたアーモンドクリームと焼き込んだ杏の酸味が絶妙なバランス。「フランボワーズとホワイトチョコのチーズケーキ」は、焼き込んだホワイトチョコがチーズに程よい甘さをプラス。どれも、手作りケーキならではのやさしいお味が特徴的です。

どこに座っても緑と風が心地良い「ニシアンカフェ」。店内からもお庭が間近に見られるし、テラスはもちろん、庭先の小さなテーブルも素敵よ。

「こんな静かな住宅街にカフェがあるの？」と、来るまでは不安に思うかもしれないけれど、見つけた時は、緑溢れる外観に心弾むはず。エントランス脇ではしだれ桜、アーチにモッコウバラが、春に花を咲かせ、いまなら、みずみずしい新緑と紫陽花が見ごろの西田さん一家の素敵なお家カフェに、癒されない女性はいません。
 
現在は、土日のみの営業なので気をつけてね。混んでいる日も多いようなので、案外、雨の日がいいかもしれません。

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2017年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が10周年を迎えた。

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