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2020.10.07

「傳」と「フロリレージュ」がコラボした奇跡のクシ料理店「デンクシフロリ」がオープン!

日本を代表する料理人「傳」長谷川在佑さんと「フロリレージュ」川手寛康さん。ふたりがコラボした新店「デンクシフロリ」が、9月30日ついにオープン。和食とフレンチが融合した、かつてないクシ料理の世界とは?

CREDIT :

文・写真/江藤詩文

共にミシュラン2つ星、「アジアのベストレストラン50」には日本のツートップでランクインする日本最高峰のふたりのスターシェフ、「傳」の長谷川在佑さんと「フロリレージュ」の川手寛康さんがコラボして新しいレストラン「デンクシフロリ」をオープンするらしい。そんなニュースが日本中、いえ世界中を駆け巡ってから早3カ月。9月30日、いよいよグランドオープンとなり、その全貌が明らかになりました。
▲左から「フロリレージュ」川手寛康さん、「デンクシフロリ」女将・橋本恭子さん、シェフ・森田祐二さん、「傳」長谷川在佑さん
「傳」+「クシ」+「フロリ(レージュは省略)」を合わせた店名からも想像できるように、ふたりがコンセプトとしたのは串料理。「レストランの持つ意味や価値が変化したこの時代、誰もが楽しく食べられて、元気になれるお店を造りたいねと、長谷川さんと話し合いました」(川手さん)。

「ウキウキした気分になるといえばお祭り。子どもの頃、お祭りの屋台で串刺しのホットドッグを買い、歩きながら食べたのが串料理の最初の記憶です。気取りのない串料理っていいな。そんな記憶が「クシ」というコンセプトに繋がりました。そのうえ串料理は、世界中さまざまな地域で親しまれています。だから文化の違いを問わず、誰にでもリラックスして楽しんでもらえるね、と川手さんと盛り上がったんです」(長谷川さん)。
奇しくも時を同じくして、これまでフードシーンの最先端を疾走していた各国のトップシェフたちが、次々と「コンフォートフード」と言われる食べ慣れたシンプルなおいしさに回帰しています。子どもからお年寄りまで気軽に手に取れる串料理は、日本人にとってのコンフォートフードのひとつ。

常に世界のムーブメントを肌感覚として感じ取り、時代の先を行くコンセプトを創造できるのも、これまで世界を駆け巡り、世界の名だたるシェフたちと深く交流してきたふたりだからかもしれません。
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そんなふたりの思いを乗せてオープンした「デンクシフロリ」の客席は、シズル感溢れるコの字型のカウンター席のみ。お祭りのような熱気に満ちた調理場の中央には、生命の躍動を感じるデザインフラワーが飾られたおくどさん(かまど)がで~んっと鎮座。炭火で焼かれる香ばしさ、スープのあったかい香り、鍋からほこほこと立ち上る湯気などに、いやが上にも食欲を掻き立てられます。
中央の焼き台の前には、この店のシェフとして北海道から招かれた森田祐二さんが、食材が最もおいしくなる瞬間を捕まえようと、真剣な眼差しで火を見つめています。対照的に、明るく元気な笑顔でゲストとおしゃべりをしながら、ドリンクをサービスするのは、「フロリレージュ」から移籍して女将になった橋本恭子さん。橋本さんが考案するドリンクペアリングは、珍しい蒸留酒を使ったり、温度をアレンジしたりと意表を突く組み合わせがあり、お酒好きには強くおすすめしたい。
▲「ブーダンノワール りんご」
メニューはクシ料理6品と、締めの季節の土鍋ごはん(実はこれもクシ料理)、2種類から選べる甘味で構成された8品のおまかせコースのみ。そのクシ料理が、どこか親しみのある味をベースにしながらも、これまで食べたことのない新しさなのです。
▲「いわし レバームース」
ガストロノミーの世界がグローバルになったいま、和のエッセンスを取り入れたフレンチや、フレンチの要素を生かしたモダンジャパニーズ料理は、世界中いたるところで見つけることができます。また、有名シェフのコラボレーションといえば、それぞれがシグネチャーメニューを持ち寄り、交互に出すことが一般的。ところが「デンクシフロリ」の料理は、ふたりの知識と経験を合わせて、まったく新しい料理をゼロから構築しています。
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▲「ビスク 海老芋」
そこで生み出される新しい感覚の「クシ料理」は、お洒落さの程よいさじ加減と、誰が食べても「うまっ」と反射的に言ってしまうストレートなおいしさのバランスが抜群。そのため食べ手の感性や経験によって、その人らしい受け止め方ができるからおもしろいのです。

例えば大切な女性をデートに誘ったとして。ふたりの前に美しいひと皿が登場します。「お献立」に書かれているのは「なす 茄子ピューレ」の文字。
▲「なす 茄子ピューレ」
彼女がグルメなレストランラバーであれば、イノベーティブなフレンチの角度から「ナスのブレゼとなめらかなピューレ 折り紙のように仕上げたナスの皮のアート スパイスの香りを移したオイルと和のエッセンスを加えたリキッドの2色のソースを添えて」と見えるかもしれません。また、このひと皿からだけでも、「ここは傳っぽい、ここはフロリレージュっぽい」と、両店らしさを発見することができるでしょう。
▲「ピジョン えび」
けれどももし彼女が、カジュアルな居酒屋が好きなタイプだったら。スタッフさんいわく「なすの煮びたしにペーストを乗せた田楽のようなもの。飾りはなすの皮なので食べられます。四杯酢(三杯酢に出汁を加えたもの)とカレー味のソースを付けて食べてください」。ね、ぐっと身近で肩の凝らない感じがしませんか?
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▲イタリアン出身の森田シェフらしい自家製生パスタ。「ピジョン えび」で余ったねぎソースをトッピングしたらいきなりラーメン風に。
普段はファインダイニングとご縁がない彼女も、ここなら緊張せずにリラックスしてガストロノミーの世界を体験することができると断言します。なぜって。レストラン初心者にも、誰も気づかないくらいさり気なく、かつ盤石の気配りをする女将・橋本恭子さんのおもてなし手腕は、フロリレージュ時代にすでに実証済みですから。
▲「タンコンフィ 茸ご飯」は舞茸とセップ茸を使って牛タンと合わせた炊き込みご飯。

■デンクシフロリ

住所/東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山CROSS 地下1階A
電話/03-6427-2788(予約受付 12:00〜16:00)
営業時間/17:00〜19:30、20:00〜の入れ替え2部制(23:00クローズ)
定休/月曜・不定休
HP/https://denkushiflori.com
*おまかせコースは9800円(税サ別)

●江藤詩文(えとう・しふみ)

世界を旅するフードライター。ガストロノミーツーリズムをテーマに、ファインダイニングからストリートフード、郷土料理、家庭料理、ワイナリーや酒蔵などを取材して各種メディアで執筆。訪れた国は60カ国以上。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)シリーズ3巻。Instagram(@travel_foodie_tokyo)でもおいしい旅情報を発信中。

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