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2023.11.25

ひとり10万円のディナーって!? 松本城で行われたおもてなしも国宝級「美食の祭典」

日本の伝統的な「発酵」をテーマに、内外の一流シェフ9名が集結。国宝「松本城」で2晩限りのディナーイベントが開催されました。ひとり10万円というプラチナチケットを手に美食家たちが集まった一夜、さてどんなお料理が供された?

CREDIT :

  文・編集/秋山 都 (LEON.JP)、撮影/ナタリー・カンタクシーノ

国宝「松本城」で味わう美食の祭典

国宝、それは読んで字のごとく国の宝。文化的・学術的価値が極めて高いものとして法令に基づき指定された有形文化財を指し、日本に国宝指定された建造物は約230軒あります。代表的なところで、法隆寺や正倉院……と言えば、それがどれほどの価値を持つのかおわかりいただけます、よね?

その国宝の内、城郭はたったの9軒。なかでも五大国宝城*のひとつとして知られる「松本城」でガラディナーイベントが開催されると聞き、筆者の中の美食アンテナがピンと立ちました。国宝といえば、もちろん火気厳禁ですが、調理はどこで? ディナー会場は、まさかの天守閣⁉ 気になることばかりで脳内をハテナでいっぱいにしながら松本へ出かけてまいりました。
松本城 ルレ・エ・シャトー
▲ 国宝「松本城」に国内外の一流シェフ9人が集結!
実際に出かけてみますと、ディナー会場は松本城を間近に望む本丸庭園に特設されていました。白を基調として清々しく美しいテーブルコーディネイトです。晩秋とは言え、夜は冷え込む松本に備えて椅子には使い捨てカイロが仕込まれており、まるでクルマのシートヒーター! おもてなしも国宝レベルです。
松本城 ルレ・エ・シャトー
▲ 凛とした佇まいの「松本城」。本イベントの売り上げの一部は「松本城」維持のために寄付された。
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「Delicious・Journeys in Matsumoto Relais & Châteaux in collaboration with DINING OUT」

気になるお料理をご紹介します前に、当ガラディナーのホストをご紹介しておきましょう。それは、長野の有名温泉旅館として知られる「扉温泉明神館」ならびに、レストラン「ヒカリヤ ニシ」のオーナーである扉ホールディングス。ここにホテルやレストランの会員組織である「ルレ・エ・シャトー」が協力し、この夢のような一夜が実現しました。

この「ルレ・エ・シャトー」についてはご存じの方も多いと思いますが、 1954年にフランスで発足し、厳格な審査(通過はなんと5%以下!)をクリアしたホテル・レストランだけが加盟を許される国際的な非営利会員組織です。2023年9月現在、世界65カ国の580のホテルとレストランが加盟しており、日本からは、13の宿と7つのレストランが会員に名を連ねています。

2016年より「ルレ・エ・シャトー」は、「その土地の伝統や環境を守りつづける」というヴィジョンのもとに、地域の生物多様性を保護しながら、持続可能な食品消費を促進することを目的にしたキャンペーン「Food for Change」を毎年実施しています。今回は、土地の文化と歴史が感じられる体験からインスピレーションを得て、美味しく、サステナブルな「食」の楽しみ方を提案する機会として、「松本城 」に「ルレ・エ・ シャトー」に加盟するシェフたち9名が派遣されたのでした。
ルレ・エ・シャトー 松本城
▲ アルプスの山々をバックに、夕闇に沈まんとする松本城。五重の天守と外壁の黒漆がなんともシックでかっこいい!
そのメンバーは……海外からは、フランスより「L‘Auberge Basque」のセドリック・ベシャドシェフが来日。日本からは、金沢「日本料理銭屋」の髙木慎一朗シェフ、宇都宮「オトワレストラン」の音羽和紀シェフ、大阪「柏屋」の松尾英明シェフ、松本「扉温泉明神館 ヒカリヤ ニシ」の田邉真宏シェフ、大阪「ラ・ベカス」の渋谷圭紀シェフ、京都「要庵 西富家」の美坂昌希シェフ、神戸「神戸北野ホテル」の伊井野昌洋シェフ、沖縄「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納正智シェフ……と錚々たるトップシェフたちが腕を振るいました。
ルレ・エ・シャトー
▲ 屋外でのガラディナーにもかかわらず、ドレスアップした美食家たちが集う。
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さて、いよいよ当夜のお料理をご披露しましょう。「ルレ・エ・シャトー」が大切にする料理とおもてなしを松本ならではのスタイルへと昇華させ、信州の歴史や文化、自然環境がふんだんに取り入れられた内容。カクテルタイムに立食でサービスされたアミューズから、食後のお茶とともに供されたミニャルディーズに至るまで、計9皿のコースがアルコール/ノンアルコールのペアリングととも供されました。

テーマである「発酵」という観点からは、長野らしく信州味噌、伝統的発酵食品の「すんき」などが使われていたほか、ご当地発として松茸やくるみ、りんご、栗、佐久の鯉やシナノユキマスなど長野県産の食材が多く使用されていたのが印象的。ゲストには長野県内から来た方も多かったようですが、「こんな使い方があるのね」という驚きの声もちらほら。
ディナー後にゲストからは、「長野の食材がこんなに豊富だったとは意外でうれしい驚き」「これほどスターシェフが集まって1回のディナーで味わえるとは豪華ですね」などのコメントが寄せられ、主催者の齊藤忠政氏(「扉ホールディングス」代表取締役)は、「信州の豊かな食材や発酵文化、高品質な日本酒とワイン、そして素晴らしい工芸品などを、その生産者の方々とともに一緒に価値あるものとして世界に発信してくことができました。今回は収益の一部を寄付することで、松本城の文化財としての価値を保存・維持していくことも目的のひとつでした。観光のニーズが量から質へとシフトしている今、地域の貴重な資源を高付加価値に変えていくことが重要ですから」と語ってくれました。

まさに、食は世界を変える=Food for Changeです。ビジョンと想いを共有する「ルレ・エ・シャトー」の同志たちだから実現できる、サステナブルな地域づくりによって、「料理とおもてなしによってより良い世界を構築する」マニフェストをゲストひとりひとりが噛みしめることができる好機となったようです。
松本城

■ Delicious・Journeys in Matsumoto Relais & Châteaux in collaboration with DINING OUT

日時/2023年10月16日(月)・17日(火)
場所/松本城 
チケット料金/1人10万円(税込)
*チケット収益の一部は松本城保全のために寄付されました
主催/扉ホールディングス株式会社
協力/ルレ・エ・シャトー、スローフード協会
HP/https://advertise-works.com/deliciousJourneys/jp/index.html

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