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2022.09.28

ベールを脱いだ覆面焼肉店「SGN(ヱスジ苑)」の正体

あの後閑信吾さん率いるSGグループ7店舗めはなんと焼肉店! 住所非公開だった隠れ家がついにベールを脱ぎました。未来から来た(⁉)という焼肉店の正体はさて……。

CREDIT :

写真/菅野祐二 文/秋山 都

「隠れ家のような」、「看板のない」というフレーズはレストランやバーの紹介記事でよく目にします。一見、飲食店に見えないけれど、実は……というのが私たちは大好き。ドラマや映画でも、最初は良い人かと思っていた登場人物がガラリとキャラを変えて実は……というメタモルフォーゼにドキドキしたりするでしょう?
SGN
▲ 青山の雑居ビルの地下1F。まだ工事中のようなドアだ。
でも、実は「隠れ家のような」というキャッチコピーの飲食店はほとんどのケースにおいて余り“隠れて”ないことがほとんど。ちょっと店のロケーションが入り組んでいて「わかりにくい」、とか、住宅を店舗にしているから「店っぽくない」時に、我々が好んで使うフレーズが「隠れ家のような」というわけ。その安直な語彙と用法を反省しながらも、今回ご紹介するお店「SGN(ヱスジ苑)」は正真正銘の「隠れ家」。ここを隠れ家と言わずして、どこを隠れ家というのだ、と胸を張れます、エッヘン。
SGN
▲ トビラを恐る恐る開けたら肉の貯蔵庫が見えた。焼肉店なのか?
いえ、隠れ家というより「覆面」という表現が正しいかも。ここはあの後閑信吾さん率いるSGグループが国内7店舗目として22年7月にオープンさせたお店。しかもバーではなく、初の焼肉店となる「ヱスジ苑(SGN) 」なのです。オープン当初は住所や電話などすべてのデータを非公開とし、知っている一部の人しか行けない状態が続いていましたが、この9月にデータを公開。オンラインで予約も可能となりました。
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2050年からやってきた⁉ 未来の焼肉店

◆「SGN((ヱスジ苑)」(東京・表参道)

SGN
▲ 中央にバーを据えた「SGN」の店内。カジュアルでスタイリッシュ。
焼肉店と言えど、SGグループの店ですもの。フツーの焼肉ではありません。アメコミ調の大きな壁画がかかるダイニングには中央にカクテルなどドリンクを供するバーが設えられ、テーブルには無煙ロースター。どこか未来的な雰囲気? と思ったアナタ、いい勘してらっしゃる。
OYOGE 渡辺真一
▲ 中央に後閑信吾氏、右にソムリエの大越基裕氏、左に米澤文雄シェフ。この3人のコラボレーションで「SGN」をつくりあげた。
ここ「SGN」は2050年の未来からやってきた焼肉店がコンセプト。人口増加と地球温暖化により牛肉の生産や消費に規制がかけられ、「禁牛法」が制定されたら? という仮定のもと、禁酒法下におけるアメリカでスピークイージー*が生まれたように、隠れて牛肉を提供する「スピークイージーヤキニク」がテーマとなっているのです。
*スピークイージーとは、1920年から1930年代の禁酒法下にあった米国で、お酒を密造・密売していた場所のこと。いまは隠れ家バーのような意味で使われている。あ、また隠れ家って言っちゃった(汗)。
OYOGE
▲ 10皿に11種のドリンクがつくペアリングコース1万1000円が人気だ。
未来の日本では黒毛和牛の価格が高騰する「Hyper Beeflation(ビーフのインフレ化)」が起こっているため、注目を集めている黒毛和種の経産牛と、ますます稀少な存在となっている(という想定の)「土佐あかうし」の2種を提供。タンからロース、ホルモンまでさまざまな部位を少量ポーションで食べられます。
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SGN
▲ カクテルをつくってくれたのは猪狩明広さん。
それぞれの肉や料理はカクテルやワインがペアリングされるのもSGグループならではの強みです。たとえば、タン元からタン中までをタテにカットした「シガータン」には、台湾のスパイスであるマーガオを効かせたウォッカベースの「牛舌用レモンサワー」を。
SGN 
▲ 「シガータン」1800円(写真は2人前)。
SGN シガータン
▲ シガーサイズで食べやすい。表面をカリっと焼き上げるのが美味!
形と大きさもちょうどハバナ産シガーのような「シガータン」の表面をカリっと焼き上げたら、仕上げはシガーカッターでカットするのも楽しい。2050年にはシガーカッターで肉をカットしているんでしょうか(笑)。
SGN シガータン
▲ シガーカッターカットした「シガータン」は3種(レモンこうじ、ネギ塩ごまだれ、チュミチュリ)のコンディメントで召し上がれ。
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SGN
▲ 「土佐あかうし二種」1500円(写真は2人前)。
「土佐あかうし二種」にはランブルスコ(イタリア産の発砲赤ワイン)をペアリング。このランブルスコが一般的には甘いものが多いのですが、すっきりドライで美味しい! あかうしの脂をほどよく切り、旨味を口の中で膨らませてくれるようです。
SGN
▲ コースの〆にも登場する「ガスパチョ冷麺」1300円に、ペアリングは「キムチマルガリータ」。
さて、最後にちょっと裏話を。
この「SGN」は後閑信吾さん、ソムリエの大越基裕さん、シェフの米澤文雄さんが某焼肉店で食事をしていたことから誕生しました。ドリンク持ち込みOKの某貸し切り焼肉で、大越さんが持ってきたランブルスコに「ん、これ合うね」と後閑さん。「俺ならもっと美味い料理作れるな」と米澤さん。「じゃ、3人で焼肉屋やっちゃおうか」となったのが2021年の11月でした(筆者は実際にそのやりとりを聞いていました)。翌年の7月には実際に店舗「SGN」をオープンさせた3人のノリと行動力は本当にすごい! 

この「SGN」は23年7月までの期間限定オープンですので、時代の寵児たちが描いた未来の焼肉店で、彼らのパワーを実感してみてください。
SGN
▲ 「SGN」構想が生まれたまさにその日、左から後閑信吾さん、大越基裕さん、米澤文雄さん(筆者撮影)。
SGN

SGN(ヱスジ苑)

住所/東京都港区南青山5-8-5 Gビル南青山02 B1F
お問い合わせ先/03₋6427-2981
営業時間/17:00〜23:00
定休日/なし

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