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2022.09.26

「立ち飲み屋でデート」はアリか、ナシか?

スタンディングで飲む、いわゆる立ち飲みはデートコースとしては敬遠されがち。だけれどサプライズで演出を仕込めることで、最強のデート立ち飲みといえる蒲田の人気ワインバー「JUURI」をご紹介。

CREDIT :

写真/橋本真美 文/秋山 都

JUURI

「今日は久々のデート。送られてきたアドレスに出かけてみたら……椅子の無い立ち飲み屋だった! そうと聞いていればヒールなんて履いてこなかったのに。せっかくのデートに立ち飲み屋だなんて、私、軽く見られてるのかな」

のっけから聞こえてきた某女の独白。これが、一般的な立ち飲み屋のイメージなんですよね。伝統的な立ち飲みと言える“角打ち”*¹は無類の酒好きが通うイメージだし、縄のれんがかかる立ち飲み屋はいつもオヤジでむんむん。

「ここのカウンターは“ダーク”で並んでねって言われても……ダークダックス*²なんて聴いたことないし」

とまどう某女の様子に、「あれ、店選び間違えちゃったかな。ここ出て次に行ける店は……」とスマホを手にするアナタ。今日のデートはのっけから暗雲が垂れ込めてしまったかもしれません。
*1 角打ちとは酒屋の店内、もしくは店先で、その酒屋で買った酒を飲むこと。専用にカウンターを設けている店や簡単なつまみを出す店もある。

*2 ダークダックスとは1951年から2016年まで活躍していた4人組の男性コーラスグループ。4人がやや斜に構えて歌うポーズが印象的だったため、混んだカウンターを省スペースで使うために斜めに並ぶことを「ダーク」もしくは「ダーク飲み」と称するようになった。
JUURI
▲ 京急蒲田駅から至近。ショッピングアーケードの中にあるので、うっかり見過ごしそうになる。
……とまあ、これが無防備に出かけた立ち飲み屋デートの顛末。ではやはり立ち飲み屋でのデートはナシなのか? と思いきや、決してそんなことはありません。立ち飲み屋でのデートは、むしろ着席してのデートよりクイックで、楽しくて、その後の展開に発展しやすい、さらにお財布への負担も軽い、と良いことづくめなのです。もちろん、それにふさわしいお店選びができていれば、の話です。
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花束をサプライズに仕込めるワインバー

◆「JUURI」(東京・蒲田)

JUURI
▲ 入ってすぐがワインバーのカウンター。向かって左がオーナーの上田光嗣さん。
そこで「JUURI(ユーリ)」。
京急蒲田駅から続く庶民的なショッピングアーケードの一角というロケーションも「え、本当にここ?」という意外な興趣をそそります。たくさん観葉植物が並んでいるから一見、花屋にも思える、いえ、花屋にしか見えない店先から数歩進むと…‥カウンターと黒板にかかれたメニュー。ここ、もしかしてバーですか?

「ハイ、ここはスペインのタパスとスペイン産のナチュールワインのワインバーなんです」とはオーナーの上田光嗣さん。かつて広尾の有名割烹を共同経営し、現在はやはり蒲田で超のつく人気スペインバルのオーナーシェフ。

「もっと気軽に1杯飲みにきてもらえるような場所を商店街の中につくりたくて。夕飯の買物ついでに1杯、仕事帰りにワインを買いにきてもらって1杯……カフェ利用だけでもいいし、町の人たちが集まる場所が出来たらいいなと思って始めました」


JUURI
▲ 黒板に書かれたメニューは日替わりで常時20種ほど。多くが1000円以下という気軽なプライスゾーンがありがたい。
▲ ワインはスペイン産のナチュール(自然派)のみ250種ほどをストック。ワインショップとしても利用できる。
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料理はどれもふたりで数口ずつ食べられるようなスモールポーション。ここでゼロからおなかを満たすというより、上田さんのスペインバル「ソンリサ」*³に移動したり、アペロとして利用するのがよいみたい。スタイリッシュなスタンディングだから女性でも大丈夫、と思い込まずに滞在を1時間程度にしてあげると女性の疲労(と不機嫌)を防止することができるでしょう。
*3 「ソンリサ」東京都大田区蒲田3-17-12 束田ビル1F
▲ 「シャインマスカットとトマト、パクチーのサラダ」900円。
▲ 香ばしく揚げた秋の味覚にスモークソルトを添えた「栗とぎんなん」800円。
▲ 山えのき、丹波しめじ、マッシュルーム、エリンギ、しいたけなどキノコたっぷり! 「キノコのソテーポルチーニクリーム」(バゲットつき)1500円
さて、「蒲田の住民が町のオアシスとして使えるように……」と思った上田さんですが、22年3月のオープン後に驚いたのは、他のエリアからわざわざ来るお客が意外に多かったこと。しかもカップルでデートの利用が多かったのだとか。

なぜわざわざ蒲田へ? (蒲田のみなさん、ゴメンナサイ)

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JUURI
▲ こんなバーに毎日通える蒲田住民がうらやましい! 
遠方からカップルがデート利用でこの「JUURI」にやってくるのは、美味しいお料理と、ワイン、さらにはもうひとつ理由があったのでした。
JUURI 上田絹子
それがこちらのお花。実はこの「JUURI」はワインバー兼フラワーショップ。上田さんの奥さまである絹子さんが選ぶ花やアレンジが女性たちに大人気だから、みんなわざわざやってくるんですね。

男性が女性のためにお花を選ぶのはなかなか難しいものですが、「JUURI」なら贈るお相手の姿が見えているため、そのファッションや雰囲気からナチュラル系が好きなのか、かっこいい系が好きなのか判断できるのだそう。
さて、ふたりで軽く1杯飲んでいるうちに花束が出来上がったもよう。「やだ、いつの間に(オーダーしたの)?」なんて粋なサプライズにまさに花が咲いたような笑顔の彼女。好みにピタリはまったお花をもらった時の女性はたいていのことを許せるほど寛大になるものです。そのお花を持ってお次はどちらへ? 秋の夜長をゆっくりとお楽しみください。
JUURI
▲ 花束は予算に応じて作ってもらえる。が、相場はだいたい3000円~といったところ。
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JUURI(ユーリ)

住所/東京都大田区蒲田4-19-1 蒲田マロニエビル 1F
お問い合わせ先/03-3737-1243
営業時間/Flowers12:00~19:00、Wine bar & cafe14:00~翌1:00、Wine shop12:00~翌1:00
定休日/不定休
*ワインショップで購入したボトルの抜栓料2750円。

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