2019.03.19

東京のナポリピッツアに新展開!

ピザが日本に伝来して60年……東京にいながら本格的なイタリアのピッツァが味わえるようになりましたが、ここにきて新展開! 上質な小麦と石窯にこだわったナポリピッツァはひと味もふた味も違います。

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文/秋山 都 写真/吉澤健太

毎回、旬のレストランや話題の新店をご紹介していく連載「美食のネタ帖」。「なんか面白い店ないかなぁ」「最近どこか行った?」と聞かれることが多いLEON.JP食いしん坊担当がガチでおすすめなお店を紹介いたします。

その第12回は昨年末にオープンした「オステリア・アニマ」。表参道の路地に佇む4階建てのこぢんまりとした建物ですが、1階はテイクアウトと立ち飲みのカウンター、2階はカジュアルなオステリア、3階はテーブルクロスを敷いたダイニング、4階はイタリアンワインの試飲と販売のためのショップ…と、まさにイタリアのアニマ(魂)みなぎるスポットとなっております。
表参道の路地を少し入ったところに佇む「オステリア・アニマ」。
ここでピザ、いえ、ピッツアを口にした私、以前半年ほど暮らしたイタリアへと時空間を飛び越えたように思え、隣のテーブルでやはりピッツァを食べていたイタリアのお方と目くばせしあったのでした。

「Buonoだよね?」「うんうん、すごいウマいよ、これ!」と、無言でうなづきあった私たち。もう少し若ければその後の展開もあり得たのかもしれませんが、色気より食い気先行な自分、アラフィフ。すかさず「ピッツァもう一枚!」と追加オーダーをかけたのでした。
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東京のピッツァもここまで進化した

さて、本題に入りますまえに東京のピッツァ(いえ、ここではピザと呼びましょう)事情を振り返りましょう。
東京にピザがやってきたのは1954年、六本木に「ニコラス」がオープンしたときだと、私の母が教えてくれました。当時学生だった母は、直径30センチはあろうかというピザを初めて食べ、世の中にこんなおいしいものがあったのかと驚いたのだそう。この話、何度も聞いたから、よっぽど感激したのでしょうね。

そこから時代が下りまして、1970年代。昭和の小学生の間では「ピザって10回言ってみ」などという“10回クイズ”が流行るほどピザは身近な存在でした。といっても、こどもにとってのピザは町のちょっとおしゃれなパスタ屋さんで食べるか、トースターで焼く即席の冷凍ピザ。いずれにせよサラミやピーマン、マッシュルームが乗っている程度のかなり素朴なピザだったように思います。

そんなピザに転換期が訪れたのは1985年。この年、ドミノピザが日本に参入し、ピザは豊富なトッピングを選べるようになったし、電話1本かければ30分以内に届けてもらえるものになりました。

この同じころ、「シェーキーズ」の存在も忘れられません。なにしろ「シェーキーズ」はたしか800円でピザの食べ放題を行っていました。高校生だった私はお茶の水駅そばの「シェーキーズ」でスライス(かなり大きい)を27枚食べた記録をもっています。

と、ここまではピザと言っても、ナポリのそれではなく、アメリカナイズされたピザのお話。私の記憶では、東京で本格的なイタリアの、それもナポリ式のピッツアが食べられるようになったのは1990年代になってから。中目黒の「サヴォイ(現・聖林館)」や、「サルヴァトーレ」が早かったでしょうか。 局地的ではあったものの爆発的な人気を呼び、広告代理店に勤めていた知人が脱サラしてナポリへピッツァ修業へ出かけた、なんて事件も起こりました。
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長くなりましたが、この「オステリア・アニマ」を深く味わうには、東京におけるイタリア料理店の潮流を把握している必要があるのです。というのも、オーナーの中村雅彦さんが、まさに東京にイタリアの食文化を紹介した貢献者のひとりだから。
中村雅彦さん。日本に本格的なウインターリゾートを造らんと、イタリアへスキー留学していたという腕(いや、足?)前。
中村雅彦さんはイタリア留学を経て、1995年に「サルヴァトーレ」、翌年に「リヴァ・デリ・エトゥルスキ」、そしてピッツアで知られた「ナプレ」をオープン。この25年間、イタリアの食文化を日本へさまざまな店舗を通じて紹介してきました。
「オステリア・アニマ」では、自社輸入のイタリアンワインを4Fのショップで求めれば1本800円(税別)の抜栓料で持ち込める。アンティパストミスト2800円
その中村さんが、もう一度「まっとうな料理店を造りたい」という思いを込めてオープンしたのが「オステリア・アニマ」。この「まっとうな」とは、「まっとうな(オーガニックで安心・安全な)食材」「まっとうな(正当な)価格」の意味。
イタリア産オーガニック小麦は用途に応じて使い分ける。手前から、パスタなどに使うセモリナ粉、硬質小麦を2度挽きしたグラナ・ドゥーロ、軟質小麦のグラナ・テネロ。
なかでも中村さんがこだわりを見せるのは、イタリア料理の魂ともいえる小麦。小麦の名産地として知られるプーリア州アルタムーラ産の有機栽培小麦を自社輸入し、そのタイプ別にもっともあった料理に使用しています。
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そして、もうひとつ非常にこだわったのはピザ窯。もちろんナポリ式に薪で焼く石窯スタイルですが、この石窯を造るためにナポリから伝統ある石窯職人の親子ふたりを招聘。3週間にわたって、レンガと石を組み上げたのだとか。
こうして短時間に強い火力で焼きあがったピッツァは外パリ、中モチの心地よい食べ応え。普段、ダイエットを気にして耳を残すのですが、このピッツァは香ばしい小麦の香りに誘われ、久々に全部食べちゃった。
「ピッツァ マルゲリータ」(31センチ)1800円
東京にいながら、イタリアの魂(アニマ)を存分に楽しめる場所の誕生です。まずはピッツァ、召し上がってみてください。

■ AnimA la tua osteria(オステリア・アニマ)

住所/東京都港区南青山3-12-1
予約・問い合わせ/050-3461-5292
営業時間/11:30〜15:00(LO 14:30)、17:30〜23:00(LO 23:00)
定休/水曜・隔週火曜

● 1Fではランチのテイクアウトあり。4Fはワインショップ&試飲スペース。

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