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2022.03.28

技アリ! プロの着こなしテクを拝見【アントス・ラファウ編】

毎シーズン現われるニューアイテム。ですが、どのように取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、トレンドを踏まえたコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/大森 直(TABLE ROCK) 文・構成/長谷川 剛(TRS)

敏腕デザイナーが魅せる洒脱なセットアップ・スタイル

ヨーロッパの高級メゾンブランドを中心に、デザイナーとして2001年よりキャリアをスタートさせたアントス ラファウさん。イタリアやスイス、それにロンドン、中国等の国々をベースに経験を積み、2018年に日本への移住を決意。活動の拠点を東京に移し自身の名を冠したコレクションを打ち出しています。

世界中のラグジュアリーやストリート等のシーンを知り尽くしたアントスさんは、まさにファッションの達人。今回はそんなエキスパートに、モダンな軽快セットアップの小粋な着こなし方を披露していただきました。

日本製ウールを使った渾身のセットアップ

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▲ アントスさんが尾州のファクトリーにて厳選した、こだわりのウール素材を用いたセットアップスーツ。味わいと光沢を放ちつつ、モダンな寛ぎ感は味わえるボックスシルエットがポイント。ジャケット10万7800円、パンツ8万5000円/ともにアントストーキョー(アントリム)
取材時にピックアップしてもらったセットアップは、アントスさんが手掛けるブランド、アントストーキョーのもの。現代風らしく軽快なアンコンタイプのセットアップです。

すでに本邦でも市民権を得つつあるセットアップスーツの装い。ただ、ビジネススーツに馴れている人のなかには、オフのシーンもスーツを着ることに戸惑いを感じる人がいるもの。ですが、セットアップは完全に別モノ。気軽に美しく大人っぽく過ごしたい時こそ、セットアップスーツが最良の手段になるとアントスさんは語ります。

シンプルな装いでも成立するところが魅力

▲ 非常にベーシックなセットアップの着こなし。ですが、適度にシックでありスタイリッシュ。ジャケットとパンツは上掲のものと一緒。その他のアイテムは私物
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「セットアップの良いところはコーディネートにいろいろ悩まなくて良いところ。インナーにシンプルなTシャツ、足下は定番のスニーカーで、十分大人っぽい着こなしが完成してしまいます。

ですが、いくつか注意が必要。それには優れた素材使いと適切な仕立てがセットであること。僕が作るセットアップは日本の尾州、しかも吟味したウール素材を使っています」
「約百年ほど前の旧式織機でゆっくり丁寧に織り上げた生地は、合理化された欧米の素材にはないしっとりとした味わいと光沢があります。

また、ゆったり寛いで着こなせるよう、計算されたボックスシルエットにて仕立ててあるので、リラックスしつつもエレガントに着こなせるところが大きなポイント。セットアップ自体に完成度を持たせてあるので、コーディネートはシンプルでも良いのです」
▲ 日本は尾州のファクトリーにて、多数のアーカイブの中からアントスさんが選び抜いたウール地を使用。しっとりと優雅なドレープ感があるからこそ、シンプルな着こなしでも品良く見えるのです。
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もちろん、カジュアルなオケージョンでもちょっと気取りたいときがあるものです。そういったシーンでは巻き物を軽く結ぶのがアントス流。

「日本にはシルクアイテムもヨーロッパのトップブランドに負けないクオリティのものがあります。アントストーキョーではそういった高品質の日本製シルクアイテムに目を付け製品にしています。

基本的には自分自身の着こなしはシンプルに徹するのが定番です。しかしちょっと気分を変えたい時など、小さくシルクアイテムを首に巻いても楽しくなると感じています」
▲ 小さく結ばれたシルクスカーフが実に洒落ています。また、そういう時にはジャケットの衿を立てるのもアントスさん的こなし方のひとつ。スカーフ2万3800円/アントストーキョー(アントリム)
寛ぎつつもちょっと品良く見せたい時のセットアップスタイル。そしてアントスさんは、セットアップのパンツだけを使った着こなしも同時に紹介してくれました。パンツとしてチョイスしたのは、上で着こなしたモデルのブラウン生地タイプ。より落ち着きを感じさせる一本です。
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パンツの単品使いも洒脱にキマる

▲ パンツ8万5000円/アントストーキョー(アントリム) そのほかのアイテムは私物
「僕のこのセットアップパンツは適度にリラックスしたユルいシルエットがポイント。タイトめのブルゾンなどを羽織ることでメリハリあるスタイルが作り出せます。アメリカンなジージャンは非常に僕好みのアイテム。

シックな表情を持つウール素材のパンツと合わせたなら、カジュアル感と大人っぽさのバランスも良くなります。また、このパンツはウエスト全周をゴムウエストにしているところもポイント。

ストリート風に履く場合はウエスト位置を下げて。逆にドレッシーに履きたい時は、ウエスト位置を上げるとイイ感じになります。この着こなしではジージャンスタイルをキレイめに見せたかったので、ウエスト位置はやや高めにしてみました」

さすがデザイナーだけあって、細かい着こなし配慮がなされています。その他、アクセサリー使いや足下までもキチンと計算されたコーディネートをアントスさんはさり気なく実践しています。
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▲ 腕時計はスポーツタイプのロレックス。軽妙な装いに本格時計がほど良い“重み”を加えます。
▲ 足下はスエードのプレーントゥシューズ。カジュアルなジージャンスタイルを崩しすぎないための配慮です。
「腕元はシルバートーンで揃えてみました。シンプルなシルバーブレスレットに反対の手にはロレックスのGMTマスターIIを選んでいます。日本に移住を決めた時に購入したもので、思い出深いアイテムです。

スポーティモデルを選んだのは、単純に重いモノが好きだし何となく落ち着くから(笑)。足下はブラウンのパンツに合わせて同色スエードのプレーントゥ。革靴を選んで子供っぽく見えないようにしてみました。

日本だと縦結びについてよく指摘を受けるのですが、欧州だとこういった結び方もひとつのスタンダード。これに関してはヨーロピアンスタイルを貫いています(笑)」

● アントス・ラファウ (アントストーキョー デザイナー)

欧州の著名メゾンブランドをベースに、2001年よりデザイナーとしての活動をスタート。イタリアやロンドン、それにアジア等でキャリアを積むなか、訪れた日本にて着物文化や日本の伝統に感銘を受け移住を決意。2019年に自身ブランドであるアントストーキョーを東京にて設立し、世界に向けてコレクションを発信する。

■ お問い合わせ
アントリム 03-5466-1662

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