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2021.11.14

VOL.05「電動車ってなんだ?」

アウディの電動化が止まらない!

ドイツで開催されたモーターショー「IAAモビリティ2021」に先駆け、アウディは「Audi Media Days」を開催。新戦略「Vorsprung 2030」そして、新たなEVコンセプトカー「Audi grandsphere concept」を発表した。E-tronで知られる同ブランドの電動化から目が離せない!

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文/藤野太一 構成/近藤高史(LEON)

アウディ
これまで長きにわたりフランクフルトで隔年開催されてきたモーターショー、IAA。今回から会場をミュンヘンへと変更し、内容も一新して開催された。自動車ブランド各社にとって最大のテーマは、カーボンニュートラルなモビリティへの転換であり、新たに発表されるコンセプトカーのほぼすべてが電気自動車(EV)という状況になっている。
 
今年2月にはジャガーが、2025年からラインナップのすべてを電気自動車とし、2030年までに電気自動車専用のプレミアムブランドとなることを発表。続いて3月にはボルボが、2030年までにハイブリッド車を含む内燃エンジンを搭載したモデルの販売を段階的に終了し、完全な電気自動車メーカーになると宣言した。
 
そして、7月にはメルセデス・ベンツが2030年までに、100%EV化を目指す方針を発表と、世界がカーボンニュートラルに向けて大きく舵を切り、テスラの2020年の年間販売台数がすでに約50万台にまで急伸している現状において、約43万台のジャガー・ランドローバーや、約66万台のボルボ・カー・グループは、もはやフル電動化は待ったなしと判断したというわけだ。
アウディ
▲ 現行のAudi電気自動車e-tronシリーズは全世界でセールス好調だ。
これまで過去50年にわたって「Vorsprung durch Technik」(技術による先進)をスローガンに掲げてきたアウディが打ち出した新戦略「Vorsprung 2030」は、この電動化への流れが一過性のものではないと示す驚きの内容だった。2026年以降に投入する新型車はすべて電気自動車となり、2033年を最終期限とし、内燃エンジンの生産は段階的に中止していくという。おそらく今後、新規の内燃エンジンの開発は行われず、これから約10年でアウディから内燃エンジン車が消滅することを意味する。
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「IAAモビリティ2021」でお披露目されたアウディの新たなコンセプトカー『Audi grandsphere concept』は、全長×全幅×全高が5035×2000×1390㎜というラージサイズのEVセダン。ホイールベースは3190㎜と現行のフラッグシップセダンであるA8のロングホイールベースバージョンも上回るもの。Bピラーはなく観音開きのドアを採用。ドライバーを認識し、自動でドアを開いて車内へと迎え入れる機能も付いている。
 
アウディはこれからのデザインの中心的な要素としてインテリアを据えており、乗員を取り巻く空間を「sphere」(スフィア=球)と呼ぶという。この“sphere”コンセプトカーは3部作が予定されており、今年8月にはEVロードスターの『Audi skysphere concept』を先行して発表していた。このgrandsphereが第2弾となり、2022年には第3弾となる『Audi urbansphere』の公開を予定している。
「Audi grandsphere concept」は、レベル4の自動運転を備えており、オーナーの現在地情報を取得して迎えにきたり駐車や充電を自動で行ったりするという。自動運転モードでは、ステアリングホイールとペダル類が格納され、ディスプレイも消えて、インテリアが広々とした空間へと変化する。
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ウッドやウールといった素材を用いたナチュラルカラーのインテリアには、メーターパネルなどいわゆる黒いスクリーンはなく、自動運転モードでは“デジタルデトックス”な空間を実現している。
 
パワートレインは、EV専用に開発されたプラットフォーム、PPE(プレミアムプラットフォームエレクトリック)に容量120kWhのバッテリーを搭載。前後アクスルにモーターを配置するクワトロ4輪駆動システムだ。システム総合出力は530kW、最大トルクは960Nmを発揮する。
 
現在、VWグループとしてソフトウェア開発を担う小会社『CARIAD(カリアッド)』を設立。VWグループの全ブランドを横断する標準化されたOSを活用し、クラウド接続を前提とした大規模なソフトウェアプラットフォームを2025年までに開発。2020年代後半にはレベル4の自動運転をはじめとするデジタルイノベーションを実現していくという。
アウディ
▲ アウディのチーフデザイナー、マーク・リヒテ氏(手前)。
今回の“sphere”コンセプトカーに採用されているデザインは、数年後のアウディモデルに再現されていくことになる。電動化が進めば進むほど、パワートレインでの差別化が難しくなる一方で、エンジン冷却のためのグリルが不要になるなど自由度が増すだけに、デザインがもつ役割は一層大きくなっていくだろう。

アウディのチーフデザイナー、マーク・リヒテ氏は「アウディのデザインはタイムレスでなければならない」と述べている。デザインのアウディとも言われる同社。その発言が、どのようなカタチで具現化されていくのか、とても楽しみだ。

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