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2026.03.04

【試乗リポート】BEVの日本代表、進化した3代目「リーフ」は、日産反撃の狼煙となるか⁉

日産の電気自動車(BEV)「リーフ」が3代目にフルモデルチェンジ。BEV専用プラットフォームや新たな電動パワートレインを採用するなど、およそ15年間、3世代を重ねて大きく進化した日本代表BEVの実力やいかに。

BY :

文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/日産自動車 編集/森本 泉(Web LEON)

BEV専用プラットフォームにより最新技術と使い勝手の両方を手中に

初代が登場したのは、2010年のこと。それから約15年をかけて3代目へとモデルチェンジしたリーフ。日産によるとリーフは過去15年間で、世界で約70万台が販売されており、そこから得た膨大な走行データをもとに日本・欧州・米国の約3500名の開発チームが、気候や道路、充電環境が異なる地域でさまざまなテストを行い、あらゆる環境に適応して走り続けられるよう新たに設計したのがこの新型という。

リアにかけてなだらかに傾斜していくファストバックシルエット。SUVとクーペを掛けあわせたスタイリングをクロスオーバーと呼ぶ。

▲ リアにかけてなだらかに傾斜していくファストバックシルエット。SUVとクーペを掛けあわせたスタイリングをクロスオーバーと呼ぶ。

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現在、日産のBEVのラインアップは、ミッドサイズSUVの「アリア」と軽自動車の「サクラ」があるが、リーフはその中間に位置するモデルだ。ボディサイズは全長4360mm、全幅1810mmと日本の道にもちょうどいいサイズ、そして全高は1550mmと一般的な立体駐車場にも収まるもの(ただし後述するプロパイロット2.0装着車は1565mm)。

テールをスパッと切り落としたコーダトロンカデザインを採用。リアランプは二Ⅲ(ニッサン)をモチーフとしたものに。

▲ テールをスパッと切り落としたコーダトロンカデザインを採用。リアランプは二Ⅲ(ニッサン)をモチーフとしたものに。

スタイリングとしては、ファストバックシルエットのいわゆるクロスオーバー。アルファロメオをほうふつとさせるコーダトロンカ(テールを切り落としたデザイン)は、空力に寄与するもので、電動格納式ドアハンドルなどもあわせて空気抵抗係数(Cd値)は0.26を実現。リヤのLEDリヤコンビネーションランプには二Ⅲ(ニッサン)パターンをあしらうなど遊び心も取り入れられている。リーフといえば従来型はフロントマスクに充電口があるのが特徴だったが、新型では左右のフロントフェンダーの運転席側に普通充電、助手席に急速充電用の充電口が配置されている。

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レザーとファブリック素材なども用いた明るいインテリア。

▲ レザーとファブリック素材なども用いた明るいインテリア。

アリアとも共通のBEV専用「CMF-EV」プラットフォームの採用により、フロアをフラットにすることができるため開放感のある足元空間と使い勝手のよいラゲッジルームとなっている。またインストルメントパネルには12.3インチの大型デュアルディスプレイを採用。システムにはGoogleを搭載しており、ナビゲーションが「Google マップ」になり、AI音声アシスタントの「Googleアシスタント」などにも対応している。

▲ 日産として初となる調光パノラミックガラスルーフを搭載。電子調光技術によりボタンひとつでガラスの透明度を変更することが可能。遮熱機能を備えており、年間を通じて快適な室内空間を実現する。

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電動パワートレインは主にモーター・インバーター・減速機の3つの部品で構成されているが、それらの3部品を一体化して小型・高剛性化することで振動を抑え静粛性を向上。モーターとインバーターを高出力・高効率化し、加速性能と電費向上を実現している。

上位モデル「B7」の一充電航続距離は最大702kmに

新型リーフはフロントアクスルに1基のモーターを搭載した前輪駆動方式で、グレード展開は、最高出力218PS、最大トルク355Nmで78kWhのバッテリーを搭載し最大702kmの航続距離を実現する「B7」と、最高出力177PS、最大トルク345Nmで55kWhのバッテリーを搭載し最大521kmの航続距離の「B5」の2種類。今回の試乗車は高出力で航続距離の長い「B7」の最上位グレード「B7 G」だった。

クッション性の高められた座り心地のよいシート。フロントシートのヘッドレストにはスピーカーを内蔵しており、より没入感を高めてくれる。

▲ クッション性の高められた座り心地のよいシート。フロントシートのヘッドレストにはスピーカーを内蔵しており、より没入感を高めてくれる。

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クッション性の高められた座り心地のよいシート。フロントシートのヘッドレストにはスピーカーを内蔵しており、より没入感を高めてくれる。

キーをもって車両に近づくとドアハンドルが自動でせり出してくる。ドアハンドルはつかみやすい形状で、乗り込んだあとスタートすると自動で格納する。また駐車後にクルマから離れると自動で格納する仕組みになっている。

シフトの切り替えやドライブモード、e-Pedalの操作はインパネ中央に配置されたボタンで行う。

▲ シフトの切り替えやドライブモード、e-Pedalの操作はインパネ中央に配置されたボタンで行う。

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シートに腰掛けシステムを起動するためにスタートボタンを押す。シフト操作はインストルメントパネルのエアコンの吹き出し口の下に並んでいるP/R/N/Dのボタンで行う。Dレンジを選んで動き出す。アクセル操作に対して急激にトルクが立ち上がるようなことはなく自然なふるまいで、このあたりのセッティングはさすがに一日の長がある。


回生ブレーキのセッティングも違和感のないもの。Gグレードではステアリングパドルが備わっており、それをつかって4段階での調整が可能。シフトセレクトボタンの横にある「e-Pedal」をオンにすればより強い回生ブレーキが得られる。(従来モデルのような完全停止はしなくなった)。


また先行車との車間距離に応じて回生ブレーキの強さを調整してくれる「インテリジェントディスタンスコントロール」が全車に標準装備されているのだが、先行車が止まれば続いて停止してくれるし、先行車がいなくても前方のカーブの大きさに応じて減速してくれるすぐれもので、試乗中はほとんどこの機能を使った走行した。

ベースグレード「B7 X」では18インチで215/55サイズのタイヤを装着。画像の上級グレード「B7 G」は、19インチでタイヤサイズは235/45と1サイズアップする。

▲ ベースグレード「B7 X」では18インチで215/55サイズのタイヤを装着。画像の上級グレード「B7 G」は、19インチでタイヤサイズは235/45と1サイズアップする。

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足回りでは、先代ではトーションビーム式だったリアサスペンションがマルチリンク式に変更されている。その効果もありハンドリングはステアリング操作に対して忠実なもので、高速走行時の直進性やコーナリング時にもとても安定していた。


剛性アップも図られており、その気になればかなりスポーティな走りも可能だ。ただしGグレードは標準モデルに比べて1サイズアップの235/45R19のタイヤを装着していることもあってか、市街地で大きめの段差を越える際にときおり、もう少ししなやかならいいのにと感じる場面もあった。標準の18インチか、スポーティな19インチかは好みのわかれるところかもしれない。

走行性能、バッテリー性能、使い勝手、安全性能など全方位での進化

高速道路では「プロパイロット2.0」を試す。高速道路や自動車専用道路において同一車線内で手放しのハンズオフドライブを可能とするものだが、システムが周囲の状況をすばやく検知し、スイッチひとつで起動する。設定可能速度は、検知速度(速度標識を認識)プラス10km/hとなっており、渋滞時や新東名高速などの制限速度120km/h区間などでとても使い勝手がよかった。ちなみに前方の遅いクルマがいれば、ハンドルに手をそえてスイッチをおせば自動で車線変更も行ってくれる。

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充電性能も強化されており、出力150kWの急速充電にも対応。バッテリー残量10%の状態から、約35分で80%までチャージできる。また電費性能も改善されており、今回の試乗では高速、一般道、ワインディング路なども、電費をまったく意識することなくまんべんなく走行して6.2km/kWhだった。もう少し電費に配慮した走行をすればもっといい数値もでそうだった。


総じて走行性能やバッテリー性能や使い勝手、安全性能など、全方位での進化が感じられる仕上がりだった。世界で初めて専用の車体を用いた量産BEVとして誕生したリーフが3世代15年間で培ってきた技術は伊達じゃないようだ。


BEVというとテスラやBYDに注目が集まるが、それらに勝るとも劣らない。やはりリーフは日本代表BEVなのである。日産反撃の狼煙として期待したい。

3代目 日産リーフ

■ NISSAN LEAF B7 G

全長×全幅×全高/4360×1810×1565mm

ホイールベース/2690mm

車両重量/1920kg

モーター/交流同期電動機

バッテリー容量/78kWh

最高出力/218PS/4400-11700rpm

最大トルク/355Nm/0-4300rpm

駆動方式/前輪駆動

一充電走行距離(WLTCモード)/670km

乗車定員/5

車両本体価格/599万9400円


■ 公式サイト

HP/https://www.nissan.co.jp

藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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