2026.01.04
コンパクトボディに100年変わらぬシトロエンらしさを満載する「C3」に乗ってみたら
シトロエンのエントリーモデル「C3」が第4世代へとフルモデルチェンジ。エクステリア&インテリアデザイン、そしてハイブリッドのパワートレインとすべてが刷新された。フランスきっての個性派ブランド、シトロエンらしさは健在なのか確かめてみた。
- CREDIT :
写真/ステランティス 編集/森本 泉(Web LEON)
シトロエンの新世代デザインを体現するモデル

C3はシトロエンのBセグメントのコンパクトカーである。欧州でのライバルは、プジョー208やVWポロ、ルノールーテシアなどといった顔ぶれだ。

▲ C3のデザインのルーツであるコンセプトカー「Oli」。2022年のパリモーターショーで発表された電気自動車。
C3といえば歴代のモデルは丸くて愛らしいスタイリングを特徴としていたが、新型となった4代目では一転、新しいデザイン言語を取り入れたボクシーなデザインとなった。これはシトロエンが2022年のパリモーターショーで発表した電気自動車のコンセプトカー「Oli」の流れを汲むものという。軽量コンパクトで無駄を省いたミニマルな機能をアフォーダブルな価格で提供する狙いがあるといい、それはまさにC3のコンセプトとも合致するものだ。
全高は従来比+95mmとなり、室内空間を大幅に拡大。またアイポイントを高めたことで取り回しがしやすくなっている。従来のハッチバックからいわゆるSUVスタイルになったが、シトロエンではあくまでハッチバックの延長にあるものとしてSUVとは呼んでいないようだ。
フロントグリルには新しくなった二重の山型ラインのロゴ「ダブルシェブロン」を配置する。これは1919年の創業時に採用していたオリジナルのロゴを現代に再解釈したもの。正対したときにこのロゴを歪みなくきれいに見えるようフロントフェイスは垂直にデザインされたという。

▲ 水平基調でデザインされたインテリア。遊びココロにあふれておりシンプルで機能的なもの。
インテリアも、水平基調のデザインで特徴的な楕円形ステアリングホイールを採用。メーターパネルはステアリングの上からのぞきこむかたちでフロントウインドウ近くに配置されている。これは前方との視線移動を少なくするためのデザインで、慣れるととても見やすいものだ。ダッシュボード中央にある10インチの高精細タッチスクリーンは、Apple CarPlayやAndroid Autoなどとシームレスにつながる。

▲ アドバンストコンフォートシートの表皮はファブリックとTEPレザーを組み合わせたもの。座面下のウレタン層を約10mm厚くすることでソフトな座り心地を実現。
特にシトロエンらしさを感じるのがシート。表皮はグレーのファブリックとTEPレザーを組み合わせたカジュアルな印象のもので、往年の名車CXのデザインを取り入れているという。
シート中央部は高密度フォームを採用しクッションの厚みを増した構造で、あたりは柔らかいけれどもしっかりと身体をホールドしてくれる。ちなみにこのモデルのCMF(カラー マテリアルフィニッシュ)を担当したのは、シトロエン本社に在籍する日本人デザイナーの柳沢知恵氏で、そういった意味でも親近感がわく。
乗り心地“命”のブランドとしての矜持

▲ マイルドハイブリッドながら低速時は電動走行も可能。燃費は22.3km/L(WLTCモード)を実現する。
パワートレインには、1.2ℓ直3ガソリンターボエンジンと電動モーター、6速デュアルクラッチトランスミッションを主とする48Vのマイルドハイブリッドシステムを採用。エンジンは最高出力101PS、最大トルク205Nmを、モーターは同20PS、同51Nmを発揮。低速時には一定距離の電動走行が可能となっている。
車内に乗り込む際に、ドアのアームレストに目をやると赤いタグがついている。運転席には「have Fun」とあり、ドアごとに異なるメッセージが込められている。またグローブボックス内には「11CV」や「Hトラック」「2CV」「メアリ」といったシトロエンの歴史的なモデルがデザインされており、リアウインドウにはパリの街並みが描かれていたりと遊び心満載である。

▲ キーをシリンダーにさしてひねるという今となっては珍しい所作でエンジンを始動する。
いまどきは珍しくなったキーシリンダーに鍵を差し込んでひねって始動する。コストを抑えるためキーレスやシフトパドル、ACC(アダプティブクルーズコントロール)などの装備が削られているというが、ベーシックなコンパクトカーなのだと思えばそれほど気にはならない。
車両重量1270kgという軽さもあって、この1.2ℓエンジンベースのハイブリッドユニットで力強く走る。回生ブレーキが少し強めのセッティングになっており、シフトパドルの必要性を感じるシーンはほとんどなく市街地などは走りやすい。

▲ セカンダリーダンパーを内蔵することでショックの吸収性を高めた独自のサスペンション「プログレッシブハイドローリッククッション」を採用する。
シトロエンらしさを感じるもうひとつの特徴が足回りのしなやかさ。「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」と呼ばれるシトロエン独自のサスペンションで、路面からの大きな入力を吸収してショックを抑制してくれる。シトロエンはハイドロニューマティックをはじめ伝統的に乗り心地“命”のブランドである。たとえコンパクトカーであってもそこは妥協しないのだ。
価格はベーシックグレードのPLUSが339万円、上級グレードのMAXが364万円となっている。あらゆるモノの値段が高騰するなかでとても魅力的な設定であり、セカンドカーとしてもうってつけだ。シートの出来と乗り心地のよさだけでもこのシトロエンを選ぶ価値はあると思う。

▲ ボディカラーは4色。淡いブルーは2CVの色を再現したもの。グレードMAXではルーフが2トーンに、PLUSではボディ同色ルーフとなる。
■ CITROEN C3 MAX HYBRID
全長×全幅×全高/4015×1755×1590mm
ホイールベース/2540mm
車両重量/1270kg
エンジン/1199cc 直列3気筒
エンジン最高出力/101PS/5500rpm
エンジン最大トルク/205Nm/1750rpm
モーター最高出力/20PS/4264rpm
モーター最大トルク/51Nm/750−2499rpm
駆動方式/FF
燃料消費率(WLTCモード)/22.3km/L
乗車定員/5
車両本体価格/364万円
■ 公式サイト















