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2025.12.17

【試乗記】話題のEV、最新型BMW iX3に乗った! その実力とは?

BMWが2025年9月に発表されたEV、iX3(アイエックス・スリー)。モデル名は引き継がれているものの、完全なる新世代マシンとして生まれたことで話題をさらった。久しぶりに復活したノイエクラッセの名称も注目を集めました。その実車にジャーナリスト小川フミオが試乗! その乗り味は如何に!?

BY :

文/小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/BMWジャパン 編集/高橋 大(Web LEON)

乗れば分かる、驚きの気持ちよさ!?

ノイエクラッセを現代的に解釈した斬新なフォルム。

▲ ノイエクラッセを現代的に解釈した斬新なフォルム。

クルマには刺激がほしい、というオヤジさん。たしかにスポーツカーに乗っていても飽きがくることって、ありますよね。


そこで勧めたいと思ったのが、BMWの新型「iX3」(アイエックス・スリー)。スポーツカーではありません。完全にバッテリー駆動の電動SAV(SUV)なんです。


「いままででもっともBMWらしいクルマ」と、BMWグループの会長自身が言っているほど。2025年9月に発表されたこのiX3を、11月にスペインでテストドライブしてきました。


どんな刺激があるかっていうと、最新のEVってこんなに気持ちよく走って、しかもこんなに快適なのかって、オヤジさんが驚くこと請け合いなのですよ。


しかも、あのコを乗せるのに、こんなにふさわしいクルマはないんじゃないだろうかって。もてなし上手ぶりに驚かされました。

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知るひとぞ知る2002などを思わせるキドニーグリルに注目。

▲ 知るひとぞ知る2002などを思わせるキドニーグリルに注目。

ボディはSUVの良さをちゃんともっていて、機能的です。荷物はたくさん積めるし、室内はバッテリー駆動なのでエンジン車よりスペースに余裕ありです。


一方で、新しさはしっかり感じていただけるはず。なによりクルマで大事なフロントマスクです。


空力がいかにもよさそうな、凹凸の少ないフラッシュサーフェス化がはかられていますが、そこに縦長の大きなキドニーグリル。LEDで輪郭が輝くのが目を惹きます。


このグリルの形状は、ノイエクラッセ(あたらしいクラス)と呼ばれて大ヒットした、1960年代の1500から2002にいたるセダンのグリルをイメージしたとデザイナーは説明してくれました。


クルマに詳しいオヤジさんなら、1930年代にレースで大活躍した「328」や50年代の8気筒搭載の高級車「501」も連想するかもしれないですね。

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▲横長のリアコンビネーションランプが新型の特徴。

▲ 横長のリアコンビネーションランプが新型の特徴。

で、走らせてものすごく印象的なのは、乗り心地の快適さであります。


クルマって、往々にして、アクセルペダルの力の入れぐあい、あるいは力の抜きぐあいで、前が持ち上がって、逆につんのめったりすることって、あります。ブレーキをかけた時も同様です。


iX3ではそれがほとんど感じられません。車体は常に一定の姿勢を保ったまま。クルマ酔いしそうなひとも、このクルマならおそらく大丈夫でしょう。


回生ブレーキといって、EVではブレーキをかけた時、あるいはアクセルペダルをオフにした時、ブレーキ内部には摩擦を利用して電気を起こす機能をもっています。


iX3では、ドライバーがそれと気づく間もなく、制動力や駆動力を絶妙に制御して、クルマの姿勢を安定させているのです。


回生ブレーキの機能がめいっぱい使える「B(ブレーキ)モード」を変速機で選んで走らせてみてください。

アクセルペダルオフの状態で停止位置までくると、ブレーキペダルなしでクルマは)停止します。

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車内にAIのエージェントが常駐!?

コンピューター制御で超がつくぐらい快適な乗り心地を実現。

▲ コンピューター制御で超がつくぐらい快適な乗り心地を実現。

その時の停止っぷりといったら、いっさいのショックなし。前に荷重が移動して“うっ”となるような不快な思いとは無縁なのですよ。


一流のショーファーが操縦するクルマに乗っている気分になれるはずです。同乗者も、もしクルマに乗り慣れているひとなら、きっと感心してくれるはずです。


もうひとつのおもてなしは、車内にあります。iX3は「BMWパノラミックドライブ」なる新世代のインフォテイメントシステムを搭載。


「ディスプレイの画面が決まって、そのあとソフトウェアを開発っていうのが、たいていの流れなんですけど、それじゃあ、って今回は同時に開発を進めたのが特筆点だと思ってください」


マラガの会場で、パノラミックドライブの開発を担当したBMW本社のクラウディアさんが、そう説明してくれました。

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▲スポークが12時と6時のステアリングホイールをそなえた仕様もあり。

▲ スポークが12時と6時のステアリングホイールをそなえた仕様もあり。

重要な点は、運転者によって重要度が微妙に異なる表示を、自分で優先順位がつけられること。


画面の第Ⅰ階層に並べるアプリのウィジェットは、自分で選び出せます。スマホ感覚で、ウィジェットを選んでダッシュボード中央のモニター画面に並べられるのです。


それに、ウインドシールド下端にも、帯状のモニターが設けられています。これもユニークな装備。そこには好みで情報(冬なら外気温とか)を並べておけます。


遠くを見て運転しているドライバーとあえて距離を設けることで、ぱっと見た時の焦点を合わせやすくしている人間工学的なメリットがあります。


しかも車載AIのエージェントが常駐。顔のアニメーションで表示されています。そこに向かって、例えば「寒い」といえば「1度上げます」とか、会話型のコマンドを受け付けてくれます。

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ブレーキキャリパーをはじめ赤の挿し色がJCWの特徴。

▲ クルーズコントロールを使って走行中、前にクルマがいると車両が車線変更をしてくれます。

iX3は4つの「スーパーブレイン」なるコンピューターを備えていて、ドライビング・ダイナミクス、自動運転、インフォテインメント、ベーシック&コンフォートという機能を統合しています。


さきに触れた、スーパーフラットな乗り心地のよさなども、スーパーブレインによる統合制御のたまものなんですね。


先行車両追従型クルーズコントロール使用時に、車線変更支援機能を使うことも可能です。先行車に追いついてしまった時、隣の車線に移るのを、車両がステアリングシステムを制御してくれます。


ドライバーが移りたい車線のほうのミラーに顔を向けると、車内モニター用カメラがその意思を汲み取ります。ステアリングホイールを握っていなくても、すっと車線変更が行われます。

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▲ 広々感の強い車内とホールド性の高いシートは機能的。

アウトバーンで重宝しそう。長距離を走るときなど、心強い味方になってくれる機能でしょう。


最後になってしまいましたが、走りは、さすがBMWです。高速をはじめ、カーブの多いマラガ周辺の山道でも、サーキットでも、実に気持ちよいドライブが味わえました。


いいのは、トルクがたっぷりある特性を、うまく調整しているところ。アクセルペダルの踏み込み量をうまく設定して、いきなりどんっと力を出すのでなく、どっちかというと、エンジン車のようです。


日本への導入は、26年夏ごろだとか。ノイエ・クラッセ(あたらしいクラス)とも呼ばれる新型iX3を楽しみにしていてくださいませ。

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■ BMW iX3 50 xDrive

全長×全幅×全高/4782×1895×1635mm

ホイールベース/2897mm

車重/2285kg

電気モーター 前後各1基 全輪駆動

システム最高出力/345kW

システム最大トルク/645Nm

一充電走行距離/679〜805km

乗車定員/5名

0-100km/h加速/4.9秒

価格/未定


■ BMWジャパン

HP/https://www.bmw.co.jp

小川フミオ(自動車ジャーナリスト)
クルマ雑誌、グルメ雑誌の編集長を経て、フリーランスのライフスタイルジャーナリストとして活躍中。新車の試乗記などクルマ関連を中心に、グルメ、ファッション(ときどき)、他分野のプロダクト、人物インタビューなどさまざまなジャンルの記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。

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