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2025.12.03

令和にデートカーが復活!? ホンダ「プレリュード」はオヤジのロマンで終わらない素晴らしいクルマ!

ホンダ「プレリュード」が24年ぶりに復活。昭和のデートカーとして一斉を風靡したスペシャリティクーペは、どう生まれかわったのか。電動化による新技術を満載する、令和のスペシャリティスポーツハイブリッドの実力を試してみた。

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文/藤野太一(自動車ジャーナリスト)
CREDIT :

写真/HONDA 編集/森本 泉(Web LEON)

電動化時代にあるべきハイブリッドスポーツカーとは

ホンダプレリュード
「PRELUDE(プレリュード)」と聞いて脊髄反射するのは、おそらくアラフィフかそれ以上のクルマ好きオヤジだろう。2025年9月5日の発売から約1カ月後となる10月6日時点で累計受注台数は約2400台となり、月間販売計画の約8倍となる好調な立ち上がりとなっている。子育て卒業世代にとってはうってつけのモデルといえるかもしれない。

初代は1978年にデビュー。2ドアスペシャリティクーペとして代を重ね5世代目まで生産されたが、1990年代後半になるとSUVの台頭などもあって人気は低迷。プレリュードは2001年をもっていったん23年の歴史に幕を下ろした。

それから約24年のときを経て、プレリュードが復活した。ホンダの開発責任者によると、そもそもはプレリュードありきではなく、新しいハイブリッドスポーツの開発として始まったプロジェクトだったという。
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歴代のプレリュードには日本初の電動サンルーフや4輪ABS、世界初の4WSなど、その時代の最先端技術を搭載してきた歴史がある。6代目となる新型は電動化時代の新しいスペシャリティスポーツの先駆け・前奏曲(プレリュード)となる意味をこめて、その名を復活させることが決まったという。
グライダーを発想の起点に、大空を自由に滑空するような「UNLIMITED GLIDE」をコンセプトとして開発された。
▲ グライダーを発想の起点に、大空を自由に滑空するような「UNLIMITED GLIDE」をコンセプトとして開発された。
新型はグライダーを発想の起点とし、大空を自由にどこまでも飛べる「UNLIMITED GLIDE」をコンセプトとしている。エクステリアデザインはそれを実現すべく、シャープなフロントノーズ、ワイド&ローでなめらかなボディラインを採用。ヘッドライトは、羽ばたく勢いを表現したものという。フロントとリヤのバンパー下部のブルーアクセントは空をモチーフにしたものだ。
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運転席は体をしっかりとホールドする立体的なサイドサポートに、助手席は快適性や乗降性を重視した形状と左右で形状の異なるシートをつくりわけている。
▲ 運転席は体をしっかりとホールドする立体的なサイドサポートに、助手席は快適性や乗降性を重視した形状と左右で形状の異なるシートをつくりわけている。
インテリアは水平基調のデザインで、フラットボトムのDシェイプデザインのステアリングホイールやメタル製のシフトパドル、専用のフルグラフィックメーターなどを採用する。ダッシュボード中央には、近頃採用メーカーが増えているGoogleを搭載した9インチHonda CONNECTディスプレーを配置する。

パワーユニットは、2ℓ直4直噴エンジンに、CVTに内蔵する発電用と走行用の2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載する。e:HEVは、モーターが得意とする低・中速では「EVモード」で走り、よりパワフルな加速がほしいシーンでは、エンジンの力で発電した電力で走行用モーターを駆動する「ハイブリッドモード」に。

そして、エンジンが得意とする高速クルージング時はエンジンで走行する「エンジンモード」と3つのモードをシームレスに使いわけてくれる。ドライバーがその切り替えを意識することはほとんどない。またホンダ初というコースティング制御も取り入れている。
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Honda S+ Shiftドライブモードスイッチ。モーター駆動ながら、仮想の8段変速で加減速時にエンジン回転数をコントロールし、あたかも有段変速機があるかのような操作感を実現。
▲ Honda S+ Shiftドライブモードスイッチ。モーター駆動ながら、仮想の8段変速で加減速時にエンジン回転数をコントロールし、あたかも有段変速機があるかのような操作感を実現。
これにホンダ初となるパワーユニット制御技術「Honda S+ Shift(エスプラスシフト)」を採用。ハイブリッドシステムのなかに仮想の8段変速を構築し、加減速時にエンジン回転数をコントロールし、あたかも有段変速機があるかのようなアクセルレスポンスと鋭いシフトフィールを実現。

さらにエンジン回転数と同期した迫力のある音をスピーカーから流すアクティブサウンドコントロールシステムを組み合わせている。また「SPORT」、「GT」、「COMFORT」の3つのドライブモードを備えており、パワートレーンやステアリング、サスペンション、サウンドなどの調整が可能だ。
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秀逸な出来のハイブリッドとサスペンション

こうして説明するととても複雑な機構に思えるかもしれないが、ドライバーはいわゆるノーマルモードである「GT」モードで、Honda S+ Shiftオンにして走りだせばいい。ワインディング路などでは、「SPORT+Honda S+ Shiftオン」で、パドルシフトを駆使してシフトアップ&ダウンするような運転ももちろん楽しめるけれど、そういった操作はクルマにおまかせしてドライバーはDレンジでステアリングとアクセル&ブレーキ操作に集中したほうがいい。仮想ギアは適切なタイミングでシフトチェンジしてくれるし、ラグタイムもなくなんらストレスはない。
開口部の広いテールゲート式の荷室には、スーツケース2個を載せることが可能。また、後席を倒すことで9.5型のゴルフバッグが2つ、またはサーフボード2本など、さまざまな荷物を積載可能。
▲ 開口部の広いテールゲート式の荷室には、スーツケース2個を載せることが可能。また、後席を倒すことで9.5型のゴルフバッグが2つ、またはサーフボード2本など、さまざまな荷物を積載可能。
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それに何よりも驚くのが、足のしなやかさ。実はシャシーのベースはシビックタイプRのものというから合点がいった。サスペンションの取り付け剛性が高く、実によく動いているのが伝わってくる。今年試乗した多くのモデルの中でもピカイチの出来で、このハイブリッドとサスペンションの組みあわせならば、それだけで買うに値すると思う。
衝突軽減ブレーキをはじめ16種類もの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」にはプレリュード専用のセッティングが施されている。
▲ 衝突軽減ブレーキをはじめ16種類もの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」にはプレリュード専用のセッティングが施されている。
昭和のデートカーが令和に復活して、こんなにいいクルマになったのに喜び勇んで購入しているのがアラフィフのオヤジさんばかりではもったいない。Z世代の娘さんかはたまた彼女か、このクルマでデートに出かけて電動化しても変わらない運転の楽しさを次世代に伝承していただきたいと思うのだ。
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ホンダプレリュード

HONDA PRELUDE

全長×全幅×全高/4520×1880×1355mm
ホイールベース/2605mm
車両重量/1460kg
エンジン/1993cc 直列4気筒
エンジン最高出力/141PS/6000rpm
エンジン最大トルク/182Nm/4500rpm
モーター最高出力/184PS/5000−6000rpm
モーター最大トルク/315Nm/0−2000rpm
駆動方式/FF
燃料消費率(WLTCモード)/23.6km/L
乗車定員/4
車両本体価格/617万9800円

■ お問い合わせ
HP/https://www.honda.co.jp

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藤野太一(自動車ジャーナリスト)
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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